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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第2章 地区大会、都大会の戦い

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都大会準決勝 桜見VS東王4

 桜見、東王による都大会準決勝の試合は前半0ー0。



 両チームに点が入らないまま、ハーフタイムを迎えていた。



「前半、相手の左サイド林野に相当突破されてました」



「確かに結構やられてたな……あいつ速くて上手いわ」



「……返す言葉も無い……」



 タブレットを操作する神奈から、前半にサイドから結構やられた事を指摘されれば、振り回された霧林と影二は休みながらも事実を受け入れる。



「エースのシュートは最低限に押さえてるけど、林野とか三山に結構攻め込まれてるから状況としては良くねぇな」



 タオルを肩にかけ、竜斗は要注意の2人をどうにかしなければと皆に話す。



「とりあえずヤミーはサイド相性悪そうだから、中央に居てもらった方が良いねー。攻撃に出る三山辺りを抑えてもらうとか」



「確かに……彼、僕の動き結構読んでる感じしたし……苦手かも」



 影二からすれば光流に対して苦手意識を持ち、輝羅も心で察知したので中央に居てもらう方が良いと意見。



「相手は相当前に来てるからカウンター決めたい所だよなぁ。向こうのDFやGKも堅いけど」



「やっぱり東京No.1ですから、他のポジションもレベル高いですよね……」



 どうにか1点取れないかと楽斗や室岡は休みながらも、どう点を取ろうかとハーフタイムの間ずっと考え続ける。




「もう流れ良くないからー、良いタイミングでワカバ出しちゃおうよー」



「選手交代で流れを変えるか……うん、アリだなそれ」



 与一はドリンクを飲み干せば、選手交代しようと提案。


 それを聞くと竜斗は腕を組んで考え込み、流れを変えるには良い手かもしれない。



「若葉は?」



「交代に備えて他の選手とアップしています」



 竜斗に視線を向けられた神奈は若葉の現状をすぐに伝える。



 前半の終了間際ぐらいから他のベンチメンバーと共に、何時でも出られるように軽く走りに向かっていた。



「3回戦で若葉は左サイドで良い働きをしたし、あの感じで今回もプレーが出来れば流れを変える要素になるかもしれない」



「雨の試合で見せてくれたスーパープレーな。東王の守備陣を相手にどうなるかは分かんないけど、出してみようぜ?」



 相手は東王で東京トップのチーム。


 3回戦の時のように上手く行くかは未知だが、竜斗も楽斗も流れを変えるには良い交代になると同じ考えを持つ。



 話してる間にハーフタイムが終わりを迎える、選手達はフィールドへ戻って行った。




「前半結構動いたが、スタミナは大丈夫か光流?」



「ああ、まだまだ動けるよ。後半に後輩へのアシストしなきゃいけないから──」



 剛源と話す中で光流が後輩の秋城へ視線を向けると、彼は1人静かに集中していた。



「康太の奴、前半全く仕事させてくれなかった悔しさか。やっと本気になりやがった」



「じゃあ後半は彼に頼って良いかな。ああなった康太って怖いからね」



 剛源、光流の2人は知っている。



 静かな時の秋城は極限まで集中していて、ゾーンに近い状態だという事を。




 後半戦が開始されると桜見が攻撃に出て来るが、剛源によって楽斗は変わらず封じられてしまう。



「(ああもう! 少しはフリーにさせてくれよ、しつこい〜!)」



 何処までも守備のときに彼のマークが付き纏うのに対して、楽斗は心の中で本音を叫ぶ。



 高さは勿論、スピードでも剛源が上回り、走り回ってマークを引き剥がそうとするが叶わず。



 桜見の指令塔を東王のエースキラーは決して逃さない。




「っ!?」



 影二から右サイドの霧林に繋げようとするが、影二のパスを読んでいた光流のインターセプトに阻まれてしまう。



 直後に光流はドリブルではなく取った位置から、左足の速いパスを送っていた。



「うおっ!?」



 地を這うボールを右足でトラップした秋城が、背後からマークする大橋を左回りの鮮やかなターンで躱し、桜見ゴールを見据えながらドリブルで進む。



『(与一、相手のエースがマジモードみたいだよ!)』



『(分かってるって! 何かスイッチ入ってるっぽいし!)』



 テレパシーで輝羅から気をつけろと言われると、与一が相手エースとゴール前で対峙する。



 秋城の方は完全な集中モードに入っており、前半よりもキレのある動きで与一を抜き去りに行く。



 右へ行くと見せかけ、左への切り返しと急な方向転換を見せる秋城だが、与一は彼の動きに惑わされず抜かせない。



「(本気モードの康太が抜けない!?)」



 何時もは相手をドリブルで抜き去っている優秀な後輩だが、目の前の小さなDFを抜けない現状に剛源が驚いていた。



 それ程までに凄いDFなのかと。




「(スピードもテクニックもあるけど──僕には物足りないね!)」



「っ!?」



 突破出来ない事に焦ったか、秋城が正面から強引に抜き去ろうとした時、与一は彼の足元が甘くなった隙を突いていた。



 ボールを自分の元へ足で引き寄せてのカット。


 秋城から奪い取り、与一は彼の横をドリブルで通過していく。


 一対一のデュエルを制し、攻撃へと切り替われば前へと積極的に上がる。



「寄せろー!」



 フィールドで響く剛源のコーチング。


 それと共に和田が近くに居たので与一へ迫っていた。



「(速い!?)」



 瞬く間に和田は与一の突破を許し、棒立ちとなる。


 まるで光流のスピードを思わせるようなドリブルだ。



「(あいつドリブルも得意なのか!? けどパスを何処かで出すはず……!)」



 与一のドリブルに驚きながらも、剛源は楽斗のマークを外さない。


 パスを何処かで出すものかと思われたが、与一はボールを持ち続けてセンターサークルを超えて来る。



「(調子乗るなよチビめ!)」



 このまま持ち込ませるかと、荒木が与一に対して突進。



 それをボールと共に華麗なターンで回り、猛牛を躱すマタドールを思わせる動きで突破していった。



「(こいつ、まさか1人で!?)」



 剛源はハッと気づく。



 与一がパスを出す気が無くて単独で持ち込むのかと。


 もう東王ゴール前には近づいており、シュートが飛んで来てもおかしくない。



 難しい状況に追い込まれると剛源は与一を止めに、楽斗のマークを外して走る。



「(はい、堪えきれなくなったっと──!)」



 山が動き出した瞬間、与一はフリーとなった楽斗を狙い、右足でパスを出した。



 向かって行った剛源の左頬を掠めながらボールが通過すると、フリーとなった楽斗にパスが届く。



「(やっと自由に動ける!)」



 厄介な剛源のマークが外れた事で、ついに自由となった楽斗は前を向くと、すかさず竜斗を狙って右足のパスを出す。



 これが竜斗に通り、目の前には東王の長身DFが1人いる。



 対峙する相手がボールを奪おうと足を出した瞬間、竜斗は右足の球を左へ滑らせるように移動させ、左足で軽く前へ蹴ると共に自身も前進。



 サッカーのフェイントの一つで『ダブルタッチ』と呼ばれる技だ。



 一瞬の出来事で相手を抜き去った竜斗の前にはGKのみで、迷う事なく右足を振り抜いてのシュート。



 その瞬間、東京No.1チームのゴールネットが大きく揺れ動く。



「っしゃああ! 楽斗ナイスー!」



「今のは与一のドリブルだってー!」



 東王に押されていた展開から桜見の先制点。


 ゴールを決めた竜斗が楽斗の元へ駆け寄ると、その後に与一の元へ向かう。



「お前そんなドリブル得意なのは聞いてねぇよ!」



「言ってなかったからねー♪」



 喜びの輪に加わりながら、実はドリブルが得意だった事を与一は明るく笑いながら話す。



 東京王者相手に1点が決まり、試合はようやく動き出す──。

与一「僕の力を見せつけて来ましたー♪」


輝羅「ドリブルはイタリアに居た頃、散々練習したもんねー」


与一「そうだねー、幼い頃の経験値って大きなアドになるし♪」


輝羅「次回も東王戦、続くよー!」

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