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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第2章 地区大会、都大会の戦い

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東京のベスト4出揃う

「──今年の桜見は勝負強い所もあるらしい」



 東王を纒めるキャプテンの剛源が見つめる先には、準々決勝を戦う桜見イレブンの姿があった。



 都大会はベスト8まで勝ち残り、優勝候補の2強と言われる東王、王坂の2校は順当に勝ち上がっている。


 東王の方は既にベスト4入りを一足先に決めて、この試合の勝者が自分達と戦う相手となるのでチェックは欠かさない。



「あれ雨の中で相手も守備自慢の堅山が相手だったっスよね? その接戦を制する辺り桜見ちょっと強いかもってなりました」



「ちょっとじゃなくて相当強い、と思うよ」



 前は桜見の試合を見ながらスマホゲーをしていた2年の秋城康太だが、今日はゲームをやらずに目の前の試合を見る。


 その隣に立つ彼の保護者的存在、林野光流も桜見に注目。



 自分達と次に当たる可能性がある為、東王の選手達は一人一人が要注意選手を確認したりと、早くも対策を立てていく。




 準々決勝まで勝ち上がった桜見の対戦校は、東京の名門校で知られる空川(そらかわ)学園。


 高校サッカーで強豪として知られ、中学サッカーでも東京上位に入る。



「(雨が降らなくて良いねー!)」



 前回の試合で雨に苦しめられた楽斗。



 この日は快晴で持ち前の技術を発揮出来ていた。



「敵さん相当前がかりになってるよー!」



 相手の空川は前線を3トップにして攻撃的な布陣、此処まで桜見を超える大量得点を叩き出している。



 攻撃サッカーで今日もゴールの量産を狙うが、コーチングで声を出し続ける与一や輝羅によって一切通さない。




「(何で全然さっきから通らないんだ!?)」



 空川の方は全然攻撃が通らない事に対して、徐々に焦りが出て不気味さを感じ始めたか。



 何人かの選手が心に戸惑いが出て来た。



『(しつこく地道にボールを押さえたせいかな、相手に動揺が生まれてるよ)』



『(いいね、折れてるねー♪)』



 彼らの心の動揺は与一、輝羅のサイキッカー兄弟に伝わって2人の守備が空川の攻撃を翻弄している。



『(雨の接戦を経験したせいか、皆結構動きが良い感じに見えない?)』



『(これはレベルアップしたっぽいねー)』



 双子がフィールドを走る桜見の選手達に目を向けると、皆が名門校に負けない動きでプレーをするのが見えた。



 特に中心となっているのは竜斗、楽斗、影二の3人で彼らがチームを引っ張っていく。




「桜見の要はFWの赤羽と指令塔の鈴本みたいだね」



「結構あの2人が目立って活躍してるっスから、キープレーヤーになりそうでしょ」



 光流、秋城は揃って桜見の鍵となりそうなのは竜斗、楽斗の2人だと話していた。



 見る限り攻撃において、この2人は要で欠かせない存在となるのは間違いないだろうと。



「鈴本自身も点を取る力を兼ね備えているし、抑えるとしたら赤羽よりも指令塔の方だな」



 竜斗が多く点を取って目立つが、剛源は彼よりも楽斗の方に注意すべきだと考えている。


 その答えは楽斗本人が教えているからだ──。




「(今日は行けるー♪)」



 思い通りに動けて楽斗の体のキレは良くなっていた。



 中盤でボールを持つと、囲まれながらも巧みなフェイントで2人相手に突破した後、ゴール前の竜斗へ右足でパス。



 それを受けた竜斗が目の前のDFと対峙。


 得意とする右足のキックフェイントで翻弄すれば、持ち替えた左足でシュートを狙う。



 GKが右腕を伸ばして触れたものの弾ききれず、球がゴールネットに吸い込まれるように入っていく。


 桜見の追加点が決まった瞬間、楽斗が竜斗に飛びついて喜び合う。




「鈴本の動き、見たな」



「うん、癖なのか知らないけど右足でのパスが多めだったよね」



 剛源が問いかけると光流は頷き、楽斗が右足でボールを出していた事を確認。



「観察されてる対策として、あえてそうしてるとか無いスか?」



「相手は東京の名門校だから、そんな余裕は無いと思うよ」



 右足で多くパスを出してるのは自分達を騙す為にやってるのか、秋城が疑うも名門校相手に無いだろうと、やんわりした感じで光流は可能性を否定する。



「鈴本は右利きで左のバスが少ない──」



「マークする時は右から当たる事を徹底──」



 他の東王選手達はスマホで楽斗への対策を記録していた。



「(後は例の小さい2人組か……)」



 剛源が見つめる先に神明寺兄弟の姿が見える。



「桜見は此処まで無失点で来ている。となると体格の小さい2人も無視出来ない存在だ──普通ならシンプルに高さで攻めるべきだろうが……」



 彼らの対策を考えると一体どうすべきなのか、剛源は腕を組むと難しい顔を浮かべていく。



 セオリー通りに行くなら長身選手を向かわせて、彼らには不利な高さ勝負に持ち込んで勝つのが正しいはず。


 だが、そんな単純な事で攻略出来るなら空川辺りが既に行っているだろう。



「──そもそも王坂が点を取れなかった程の相手だ。高さで行くのは違うかもしれない」



「高さに弱いようで効かないって、また変なチームだね」



「じゃあ高さに弱そうなのはダミーで本当の弱点は何スか?」



 同級生の剛源と光流が話すと後輩の秋城に問われ、各自が明確な答えを言えなかった。



「それが無いから無失点だろうけど、だからって俺達まで封じられる訳にはいかない。全国制覇を目指す東王としては通過点だ」



 相手が難敵と思いながらも、剛源達は桜見に勝利を渡す気は無い。


 全国大会にも出場した経験を持つ自分達が目指すもの。



 全国制覇を達成するなら同じ東京で止まってる場合ではなかった。




「ベスト4ー♪」



 試合終了の笛が鳴ると共に与一は勝利の喜びからか、飛び上がって喜びを表す。


 空川学園との試合は3ー0で桜見の完封勝利。



 この結果、東王と同じく桜見もベスト4へと勝ち上がった。




「王坂と東王は予想通りだけど、桜見の躍進は意外かな……」



「確かに去年の3年だった主力が大幅に抜けて今年どうなるか、分かんなかったから驚きだよ」



 試合を見ていた記者達がベスト4に出揃う学校を確認。



 名を連ねたのは桜見中学、王坂中学、東王大学附属中、柳石中学の4校だ。



 組み合わせは桜見と東王、王坂と柳石という組み合わせ。



「桜見辺りが番狂わせ起こしたりしたら面白いけど、決勝は東王と王坂──高確率でそうなりそうだろ」



「ま、途中が順調でも最後勝てなくて現実は厳しいってやつか」



 決勝はそうなるだろうと記者達の注目は主に東王、王坂と他には特に目が向いていない感じだった。



「……ん? あれ、桜見の6番とGKが神明寺って……!?」



 そこに1人の記者が与一、輝羅の選手情報を調べていた時に彼らの苗字へと注目する。



 神明寺という名が日本サッカー界に伝説をもたらした存在で、その血を彼らが引いてると知れ渡る事。



 それは限りなく近い将来に現実となる。



 桜見3ー0空川



 竜斗2


 大橋1



 マン・オブ・ザ・マッチ


 鈴本楽斗

与一「都大会ベスト4ー♪」


輝羅「結構進んで来たかなー、それで次が東京で一番強い中学との試合かぁ」


神奈「今までみたいな試合には多分ならないよね」


輝羅「どうなるかは試合してみないと分かんないよー。雨の試合の時以上に大苦戦か、または意外と楽勝で勝っちゃうとか♪」


与一「という訳で次回は東京王者との試合! 良かったら応援してくれると嬉しいです♪」

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