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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第2章 地区大会、都大会の戦い

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雨の試練

 都大会も3回戦まで来て桜見は昨年の戦績と並ぶ。



 今日の試合を勝てば新記録となるベスト8、昨年の悔しさを知る竜斗や楽斗達としては負けられない一戦だ。



 桜見のチームは会場入りして、ロッカールームでミーティングを行う。



「相手の堅山(かたやま)中学は地区大会から勝ち上がって今日の試合まで失点は僅か1、守備は相当堅いチームです」



 試合前のミーティングで相手の情報について、神奈がタブレットを操作しながら話す。



「──ちなみにその1失点って、どうやって取られてるのー?」



「都大会1回戦でPKを取られての失点って出てた」



 与一の方は唯一の1失点がどうやって取られたか気になれば、神奈から教えてもらう。



「どっちにしても流れの中での失点は無いから、今日は取るのが簡単じゃなさそうだな」



 今日の試合で得点するのは簡単じゃない、腕を組む竜斗は何時もより1点が相当大事になると皆へ話す。



「あ、そうそう。今日は降水確率が40%以上って出てたから、途中で雨降った時は体を冷やさないように気をつけてね」



 サッカーの戦術に関して疎い遊子から、今日の試合で雨が降る事が伝えられる。


 確かに今日の空は暗く、どんよりとして今にも空が泣き出しても不思議ではない天気。



 場合によっては大雨の可能性も、あるかもしれない。



「雨かぁ〜、ボールが滑りやすくなったりするからコントロールが全然変わってきちゃうんだよな〜」



「……僕は雨の試合の方が落ち着いて、やりやすいかも」



 雨は降らないでほしいと願う楽斗、雨の試合の方が得意という影二。


 それぞれ雨に対して対照的な反応を見せていた。



「GKのキャッチングも難しくなりそうだから、遠めでも極力シュートを撃たせないようにしないと」



「雨が降ったら積極的にプレスを仕掛けるようにしましょう。走る方も雨のグラウンドで大変になりそうですけどね」



 霧林、室岡の2人も今日は相手のシュートを撃たせないようにしようと、雨が降った時の想定を話し合う。



「あの、さっき外見てきたら──もう結構降り出してました!」



 そこへ外の様子を見て来た若葉がロッカールームに入ると、既に雨が降っている事が知らせられた。



 雨に降られながらの試合は確定らしい──。



 ☆



 時間は午前10時前。



 空が雨雲に包まれているせいか薄暗く、降り始めた雨は徐々に強くなって観客席には傘を差す姿が多く見られる。



 茶色いユニフォームを身に纏う、堅山中学の選手達と共にフィールド入り、コイントスを終えた桜見は円陣を組む。



「雨に足を取られたりとか気をつけろよ、勝ってベスト8──去年の俺達を今日超えるんだ!」



「桜見ファイ!」



「「オー!!」」



 キャプテンの竜斗が何時も通りの掛け声をした後、桜見の選手達が声を揃えてポジションへ散っていく。




「天気予報が結局当たっちゃった……雨の試合は何かと厳しいって聞くけど、大丈夫かな?」



 予報の外れを期待していた遊子だが雨は予報通りに降り注ぎ、選手達が風邪を引かないか心配だった。



「皆でタオルは多めに用意してきてます」



 サッカー部のマネージャーとして出来る事をして、神奈は兄達の試合を見守るのみ。




 ピィ────



 雨の中でキックオフの笛が鳴ると先攻の桜見が、ゆっくりボールを繋いで静かな立ち上がりとなる。



 左から室岡が駆け上がるのが見えて、ボールを持つ楽斗は何時ものように左サイドにパスを送った。



「っと……!?」



 左足でトラップしようとした室岡だが雨で濡れた球の影響か、滑ってコントロールが狂ってしまう。


 弾かれた球はタッチラインを割って、開始早々にボールは堅山の方へと渡る。



「すみません!」



「大丈夫! 始まったばかりだから落ち着いて行こうー!」



 自分のミスで相手に渡してしまった事を謝る室岡に、楽斗は励まして後輩へ笑いかけていた。




『(今日は雨に苦戦させられそうだよ〜)』



『(ちょっと雨でフィールドも滑りやすくなっちゃってるからねー)』



 雨が降る中でも与一と輝羅のテレパシーには何の影響も無く、プレーが途切れたタイミングに2人は心で話す。



『(この雨の中で守りの堅いチームを相手に竜斗達、1点行けるかな?)』



『(どうなるのか、とりあえず守備は厚く行こう♪』



 双子の超能力でも先の展開は読みきれず、このチームで初めてとなる雨の試合。



 悪天候のフィールドへと双子は桜見と共に臨む──。




「っ……!」



 右サイドでボールを持つ霧林だが彼のドリブルは乱れてしまう。


 雨が降ってから芝生に水が溜まりつつあって、そこにボールが止まる。



 それを堅山の選手に取られて攻撃は失敗。


 速攻を影二が止めた事でピンチにまでは至らなかったものの、いかに雨の試合が難しいかを感じさせられた。



「焦らない焦らないー! やり難くて辛いのは相手も同じだよー!」



 味方が雨に苦戦しているのを見て、輝羅はコーチングで励ましていく。



 だが、雨の猛威は選手達を想像以上に苦しめる。




 中盤でボールを受け取る楽斗が前線の竜斗を狙って、堅山ゴール前に高い球を送った。



 これに竜斗が何時ものように跳躍しようとするが──。



 ズルッ



「わっ!?」



 濡れた芝生に足を取られて滑り、ジャンプする事が出来なくて楽斗のパスが合わない。


 流れた球を堅山GKが大事そうに抑え、こちらも雨で濡れたボールを取るのに苦労していた。



「(止む気配とか全然無ぇや……!)」



 竜斗が空を見上げれば変わらず雨は降り続け、止まる様子を全く感じさせない。




 時間が経てばフィールドの芝生の状態は悪くなるばかりで、敵味方に関係なく自然の脅威が無慈悲に降り注がれる。



「雨の中でサッカーとか、やる機会がランダム過ぎるせいか苦戦してますね」



「もう〜、今日の朝にやってた星座占いで水害に注意とか言わないでほしかった〜!」



 神奈の横で遊子は朝のニュースの中でやっていた、星座占いに雨が関係してそうな事が自分の星座で言われ、それが当たってしまったと思って空を見上げる。



「(フィールドは滑りやすい状態で通常のドリブルとかパスが難しい状況……)」



 占いについて文句を言う顧問をスルーして、神奈は今の状況を考えていた。


 前半まだチャンスを掴む事が出来ないまま、時間ばかりが過ぎていく。



 そんな中で相手の堅山が中盤でボールを持つと、ロングシュートを放ってくる。



「(ヤバい!?)」



 これを見た楽斗は不味いと感じる。



 遠い位置とはいえ今回は雨で濡れたボールによって、普段よりキャッチ等の処理が難しい。


 流石の輝羅も簡単には抑えられないだろうと。



 バシッ



 その心配を吹き飛ばすかのように、輝羅は飛んで来た相手のシュートを正面で簡単にキャッチ。


 雨など関係無いと言わんばかりのセーブだ。



 結局互いにゴール前の決め手が欠けたまま、前半終了の笛は鳴らされて得点は0ー0。


 桜見のベスト8を堅山の守備以上に雨が大きく阻んでいる。



「輝羅、あの濡れたボールをよくキャッチしたなー?」



 前半が終わると楽斗は輝羅へ駆け寄って声を掛けた。



「昔、雨を想定してボールをビシャビシャに濡らして遊んだりしたから、苦労したもんだよー」



「ああ〜、あったあった! サッカーをやるなら時には雨に打たれる事もあるからって、普段と蹴る感触が違うから大変だったよね〜」



「変わった遊びしてたんだなぁ〜……」



「……どんな幼少期……!?」



 そこに与一も加われば双子は昔をしみじみと振り返っている。


 楽斗や何時の間にか加わっていた影二も揃って、双子が自分達と違う幼少期を過ごしてたんだと感じた。




『(与一、この雨は想像以上に僕達をベスト8へ行かせたくなさそうだよ)』



『(どっちかって言うと堅山寄りのペースになっちゃってるからね、向こうの方が雨に慣れてるかな?)』



『(滑って転んでた辺り、そうは見えなかったかなぁ)』



 与一と輝羅は互いに雨が自分達を阻む障害と見ている。



『(この雨が神様からの試練だとしたらさ、ブチ破っちゃおうよ輝羅♪)』



『(当然、雨でも強風でも雪でも負けないって!)』



 悪天候となっている今日の試合、桜見は不利な状況となっているが、2人とも雨の試練を軽く飛び越えてやろうと決意。



 容赦無く雨降り注がれる空を双子は見上げて不敵に笑う。

与一「やっぱり雨の試合は大変だよ〜」


神奈「体をよく拭いたりして終わったらシャワーかお風呂でよく暖まらないと駄目」


輝羅「そこは勝って気分良く入浴したいねー、という訳で次回はー……若葉が出ます♪」


与一「頼んだよスーパーサブー♪」

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