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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第2章 地区大会、都大会の戦い

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23/93

都大会初戦、サイキッカー兄弟はお見通し

 地区大会を勝ち抜いた桜見中サッカー部。



 昨年と同じ都大会への進出を決めて、目指すは勝ち上がって優勝と関東大会の進出。


 今年はベスト16じゃ終わらないと、選手達は昨年の戦績越えを狙う。



 桜見サッカー部の部室前、部員達が集う前で竜斗の口から初戦を戦う相手が告げられる。



「──都大会1回戦、相手は羽崎(はねさき)学園だ」



「うわぁ……」



「マジかぁ〜、初戦から2年ぶりの相手か〜」



 対戦校の名前を聞くと楽斗や影二、主に双子を除く3年生達が反応を見せていた。



「何ー? 羽崎学園って強いのー?」



「僕に聞かれても分かんないけど、リアクション見る限り多分強いんじゃないかなー」



 今年からサッカー部へ入って、中学サッカーには疎い与一と輝羅。


 彼らが名前を聞いた時、難しい顔をした理由は分かっていない。



「羽崎学園は2年前、桜見中学を都大会初戦で破った名門チーム。3ー3からPK戦で敗退してるの」



 神奈は既に調べていたのか、タブレット画面を双子の兄へ見せていた。


 そこには2年前の都大会の結果が出ていて、確かに羽崎が桜見を点の取り合いの末、PK戦で勝利という結果が出ている。



「あー、確かに負けてる……。2年越しのリベンジって事かぁ〜」



「今年は違うって見せつけられるチャンスだよねー?」



 画面を確認し終わると与一は彼らが深刻そうにしてる理由が分かり、輝羅の方は彼らにリベンジしようと陽気に笑っていた。



「そういう事だ。あのチームに桜見は確かに負けたけど……もう2年前の話で過去の事で、今の桜見は違う」



 2年前の繰り返しには絶対させない、竜斗は部員達に向かって力強く言いきる。



「むしろ向こうが俺達と当たって不運だった。そう思わせるぐらいの勢いで今度の都大会1回戦を勝つ!」



 目指す場所は全国、一昨年に負けた相手を越えて頂点を目指す。


 その熱を竜斗は帯びていた。



「そりゃあね、というか向こうが「一昨年勝ってる桜見なら余裕で勝てる」とか言って舐めプかましてきたら、楽なんなけどなー」



「……向こう勝ったけど激しい点の取り合いのPK戦だったし……流石にそう見てないんじゃない……?」



 今度の試合で向こうが桜見を甘く見て油断しないかと、楽斗が冗談混じりに笑えば影二から静かなツッコミが入る。



「羽崎学園の去年は富永中学のような堅守速攻型を得意としてました。今年の地区大会でも近いスタイルで戦ってましたね」



「今年は主力だった3年が卒業してるし、スタイルは去年と違うかもしれないけど、そこまで大きな変化は無さそうだな」



 タブレットを操作して去年の羽崎の試合が動画で流れる。


 そこには5バックのダブルボランチでブロックを敷いて、守備から速攻でゴールを決めるシーンがあった。



「本当に去年と同じ戦いするなら富永戦の感覚で行けばいいか」



「ひょっとしたらスタイル変えずに、このまま来るかもしれませんからね」



 霧林、室岡の2人は画面を見て、前回上手く行ったイメージなら行けると楽観的だ。



「初戦で止まってられないから皆、景気良く勝っちゃおうー♪」



「3ー3が前回なら今度は3ー0で行こうかー♪」



「なんか締まらねぇなぁ……」



 与一、輝羅の2人が部員達へ勝とうと意気込むも、今ひとつ気合いが入りきらず、竜斗は気の引き締めが足りないと感じた。



 緩い感じのまま都大会の初戦を桜見は迎える──。



 ☆



 東京の空は快晴となって絶好のサッカー日和。



 都大会の初戦を迎えた両校がフィールドに姿を現す。



「(地区大会の時は守備重視だったけど、今日は攻撃的にな)」



「(分かってる。向こうは俺達のデータ調べただろうし、その裏をかいての不意討ちだろ)」



 羽崎は向こうに作戦がバレないようにと、声を潜めて打ち合わせを行う。



『(向こう僕達の時だけ攻め攻めで来るそうだよー)』



『(めっちゃ騙す気満々って感じだったねぇ)』



 それが与一と輝羅には完全にバレて、双子は絶対に聞かれないテレパシーで会話。 


 羽崎イレブンは自分達の作戦が既に読まれてると知らず、作戦を決行しようとしていた。



「都大会初戦、勝つぞ!桜見ファイ!」



「「オー!!」」



 竜斗の掛け声にチームが続き、決戦の準備は整う。




 ピィ────



 開始の笛が鳴って羽崎ボールのキックオフ。



 白いユニフォームが一斉に桜見ゴールへ攻め上がっていく。



 此処まで守備的なサッカーを貫いて来た羽崎が、この桜見戦で奇襲をかけようと開始から仕掛けて来た。



「来たよー! 5番囲んで楽斗に霧ちゃんー!」



 そこへ最初から狙いを定めていたかの如く、輝羅の指示と共に楽斗、霧林がボールを持った背番号5の羽崎選手を取り囲む。



「わっ……!?っと……!?」



 パスが渡って直後に囲まれて、ボールを持つ選手は戸惑ったままキープするが、霧林の右足が球を弾くと足元から離れてボールは転がる。



 セカンドとなった球を影二が抑え、桜見ボールとしていた。



「ヤミー左!」



 後ろから与一の声が飛んでくれば影二は左サイドにパス。



 そこには室岡が走って上がり、中央から来たパスを左足でトラップ。



「寄せろ! もっと!」



 羽崎GKの声が発せられると、室岡に1人だけでなく2人目も向かっていった。



 これを見た室岡はクロスボールを上げずに中央へ折り返す。


 守備からゴール前に走ってきた楽斗が、左足でワントラップして右足で竜斗に素早くパスを送る。



 DFを背負う形で竜斗は楽斗からのパスを胸でトラップ。


 地面に球が落ちると、左の踵で軽く蹴って相手DFの股下をボールは通過。



 それと共に竜斗はクルッとターンで相手DFと上手く位置を入れ替え、前へ出て自ら蹴った球を追いかけていく。



「(不味い!!)」



 相手GKが飛び出して向かい、抜かれたDFが竜斗のユニフォームを掴む、いずれよりも先に竜斗の右足が振り抜かれる。



 GKの左脇の下を抜ければ、球はゴールネットを大きく揺らしていた。



「おぉっし!!」



「竜斗ナイスゴールー!」



「先制点……やった……!」



 先制点を決めてガッツポーズを決める竜斗に、楽斗や影二達が駆け寄って喜び合う。


 羽崎の奇襲から中盤でボールを奪い、繋げていって最後は竜斗の個人技が炸裂してのゴールだ。



「(嘘だろ……!? 奇襲を仕掛けたつもりが逆にやられるなんて……!?)」



 開始早々に失点した羽崎イレブンの方は何で見破られたのか、心の中が困惑した状態となって顔にも動揺が見える。



 その答えは開始前の円陣にて──。




「相手は開始から攻めて来るよ、それも総攻撃な勢いで」



「マジで?」



 輝羅から相手が仕掛けて来ると聞いて、楽斗は本当なのかと半信半疑な感じだった。



「それがさぁ、入場の時に整列で並んでたじゃんー? 隣にいた選手が小声で作戦ブツブツ言ってるの聞こえちゃってさ、ラッキーって思ったよー♪」



 陽気に笑って運が良かったという与一の話は全部ウソ。



 本当は全部心で読み、分かっただけだが事実を言うよりも相手がやらかした方が信じられるだろうと、自らの力については伏せておく。



『(言っても信じないよね?)』



『(絶対信じないと思うよ、だから此処は嘘つき者で行こう)』



 目指す目標の為なら嘘つきにもなる。



 全試合無失点を本気で目指す与一、輝羅のサイキッカー兄弟に迷いなど一切無かった。



 都大会で彼らのサッカーが猛威を振るう──。

与一「始まったよ都大会ー♪」


輝羅「先はまだまだ長いけど、1個ずつ勝って行こうかー!」


与一「まずはベスト16越えだねー」


輝羅「次回は僕達が試合をしている所へ強豪達が集う!? 多くの人に見られそうだよー!」

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