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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第2章 地区大会、都大会の戦い

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神童と呼ばれる少年

「この中華料理店、僕のお気に入りなんだよ」



「へぇ〜……」



 公園で出会った少年、古神星夜の案内で一行は今、中華料理店へと来ていた。



「(こいつらが腹を空かせたせいか、変な流れになっちまってるな……)」



 桜見の公園から何故この店まで来る事になったか、席に座る竜斗は先程の出来事を頭の中で振り返る──。




 ぐぅ~



 星夜と公園で話していると与一の腹の音が鳴った。



「あ……鳴っちゃった〜」



「与一ってば変なタイミングで鳴らして〜、僕もお腹空くじゃんそれー」



 恥ずかしそうに笑う与一に、輝羅も昼食を食べたい欲が一気に高まってしまう。



「兄さん達ってば……すみません急に」



「いいや、人間の三大欲求には抗えないもんさ。これから僕お昼だから良ければ一緒にどう? 公園の危機を救ったヒーロー達へのお礼って事で奢るよ」



 神奈が星夜へ兄達の失礼を謝ると、星夜は穏やかな笑みを浮かべて皆を食事へ誘う。



 それを聞いた双子は──。



「え、奢り!?」



「行きまーす♪」



 星夜の奢りに揃って目を輝かせながら、即決で行く事を決めていた。


 美味しい食事をタダで食べられると知れば、2人とも一切の迷いなど無い。



 という流れで4人は互いに自己紹介しつつ、星夜の案内で同じ桜見にある彼の行きつけ『飛翔龍』という店へやって来たのだ。




「いっただっきま〜す♪」



 ルンルン気分で与一が手を合わせると、右手でレンゲを持って焼豚の炒飯を食べ始めた。



「美味し過ぎるって〜♡ヤバい〜♡」



 焼豚、米、卵、全てのバランスが完璧で食欲を増進させる香りと共に、美味しさが幸せの世界に誘ってくれる。



「日本の中華料理、神過ぎるでしょ〜♡」



 パリッとして中身ジューシーな焼餃子を味わい、輝羅も与一と似たリアクションで美味しそうに食べて、町中華の虜となっていく。



「……美味しい……!」



 神奈もエビチリを口にして美味しさに夢中となり、その目は輝いていた。



「3人とも夢中で食べてるね。こんな幸せそうに食べる子達は珍しいよ」



「まぁ……滅多に見ないかな」



 竜斗、星夜の2人はラーメンを注文して、共にズルズルと食べながら神明寺兄妹へと視線が向く。



「あ、龍二さん締めの杏仁豆腐を人数分追加でお願いしますー」



 馴染みの店員に声を掛け、星夜はデザートも追加注文。


 色々ご馳走になって悪いと思いながらも、食べたい欲に抗えず竜斗は甘える事にすれば、ラーメンをあっという間に完食。



 食べ盛りの中学生達にかかれば、テーブルの上にある中華料理を全て平らげるのは容易い。




「はぁ〜、飛翔龍めっちゃ最高でした♪」



「これ通うって絶対〜♡」



「ご馳走様です、良いお店をありがとうございます」



 一通りの絶品中華料理を味わい、与一は満足そうに自分のお腹を擦る。


 輝羅の方はデザートの杏仁豆腐を美味しく食べて、神奈は星夜に頭を下げれば礼を伝えた。



「いいや、こっちも良い1日を過ごせて嬉しいよ」



 神明寺兄妹に対して星夜は爽やかに笑う。



「僕も古神さんに奢ってもらって良い日です♪これもサッカーによる繋がりならサッカーの神に感謝ですよー♪」



「サッカーの神、か。それで繋がるぐらいに僕は一筋という訳じゃなかったけどね」



 陽気に笑う与一の顔を見ると、星夜はウーロン茶を一口飲む。



「えー、古神星夜って言ったら小学校時代、名門の柳FCを全国4連覇に導いた……だっけ?」



「それに加えて大会MVPも取り続けたサッカーの天才にして、神童」



「そうそう、繋がりぐらいに関わってるじゃーん?」



 輝羅が情報を妹へ確認しながら話すと、神奈はタブレットで当時の少年サッカー大会のページを表示。


 そこには『柳FC全国4連覇!止まらない古神星夜!』という記事が小学生だった星夜の写真と共に載る。



「──サッカーだけでなく色々なスポーツをやってきて大会に多く出ていたから一筋じゃない、だろ?」



 黙って見守っていた竜斗が口を開き、星夜に目を向けた。



「どゆことー?」



「言葉通りさ。テニス、水泳、陸上とサッカーの競技以外も多くの大会に出て活躍してたのは小学生の時から有名だからな」



 事情を知らない与一は首を傾げながら竜斗を見ると、彼の方は星夜に目を向けたまま。



「中学じゃ新たにボクシングへ挑戦してみたけどね、人を殴るのは不向きだなって1年で辞めたよ」



「ボクシング挑戦は知らなかった……格闘技にまで行ったのか。中学で名前を聞かなくなったかと思えば」



 竜斗も知らない新情報、格闘技にも挑戦していた過去を苦笑しながら星夜は話す。



「サッカーが上手いだけじゃなく腕っぷしも強いんだ?」



「さぁ、そこは分からないけどサッカーなら下手のつもりは無いよ」



 輝羅との話で星夜はサッカーに関して、自信をのぞかせていた。



「缶を蹴った君も相当上手いみたいだけどね、しかもプレッシャーにかなり強いと見える」



「そういうの分かっちゃう?」



「あの状況で外さず一撃を命中させるのは、決して簡単じゃないよ」



 先程、輝羅が盗人に当てたキック。


 恐ろしく正確な上、あんな状況で狂いも無く蹴れる輝羅を星夜は只者じゃないと感じる。



「古神さんの数多くのスポーツに対する挑戦も、並大抵の事じゃないと思います」



「僕は好きで自由にやっているだけさ」



 謙遜するような発言と共に笑う星夜を双子は見ていた。



 ──彼の心、その奥底を見抜くように。




「じゃ、縁があったらまた会おう」



「今日はご馳走様でーす♪」



「飛翔龍の事覚えときまーす♪」



「本当にありがとうございました」



 会計を済ませた星夜が店から出ると、神明寺兄妹それぞれが彼に礼の言葉を伝える。



「頑張りなよ、桜見サッカー部」



 それだけ言うと、星夜は穏やかな笑みを見せてから去って行く。




「あんだけの才能あってサッカーだけに集中してたら、今頃所属チームと一緒に全国で名を轟かせてたかもな」



「沢山のスポーツをやって結果を出す程ですからね、それだけの事は出来ていたかもしれません」



 星夜が去った後で神奈と竜斗が話す中、双子の方は互いの目を合わせていた。



『(彼の心、見た?)』



『(バッチリ。なんか冷めてたよね)』



『(スポーツに対する情熱って言うのかな? 話してる時それが感じられなかったよ)』



 与一も輝羅も彼に対して、心が冷めているという感じがした。



『(それで僕達に興味持って奢ったりまでする程、関心持たれちゃったの?)』



『(多分あの遭遇で僕がひったくりを倒した事から、あれが切っ掛けで彼に火を付けたりしてね?)』



 スポーツに対して心の冷めている彼が、輝羅の放ったキックを見て興味惹かれたと。


 双子はテレパシーで会話して予測する。



 ☆



 星夜はサッカーグラウンドに来ていて、ゴールマウスを見据えていた。


 右手にはジュースの缶が握られており、ゴール前にサッカーのFK練習で使う、ダミー人形が1体立っている。



「(神明寺……)」



 彼の頭に思い浮かぶのは、悪人にジュースの缶を当てる輝羅の姿。


 星夜はジュースの缶を離すと右足のキックで当てて飛ばす。



 ガァンッ



 ゴールへ向かって一直線に飛んで行くと、ダミー人形に命中。


 人間の体で言えば脇腹付近、輝羅が当てた場所に近い方へと当てて見せた。



「──面白くなりそうじゃないか」



 星夜の顔は皆に見せなかった、不敵な笑みを浮かべている。



 彼の心が静かに熱を帯びていく──。

与一「最高だった〜♡炒飯、餃子、エビチリ〜♡」


輝羅「後、ラーメンと杏仁豆腐もね〜♡」


竜斗「お前ら遠慮なくバクバク食ってたな……」


神奈「あの場にいた全員が食欲旺盛でした」


輝羅「そんなこんなで次回からは都大会スタート!」


与一「勝ってまた飛翔龍行くよー!」

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