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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第2章 地区大会、都大会の戦い

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19/91

地区大会決勝 桜見VS富永4

「ヤミー! ナイス過ぎー!」



「お前良いシュート撃つじゃないか!」



 竜斗、楽斗を中心に駆け寄っていき、それぞれが抱きついたりと影二のゴールを祝福。



「僕も……何か結構良いシュート撃てたなって……!」



「ヤミーって結構合気道へ真剣に取り組んで丹田呼吸とか正座とかしてたから、効果出てるかもねー♪」



「え、合気道そんなすっげぇ効果あんの!?」



「その人の努力次第だけどー」



 ゴールを喜び合う中で与一が合気道の成果だと明るく言えば、桜見メンバー達は食いつく。



「さぁさぁ、1点入ったから守備陣の見せ場来たよー! これ完封で勝っちゃおうー!」



「「おおー!」」



 輝羅からの声に桜見の守備陣が応え、それぞれが完封を目指して気を引き締め直す。



「竜斗も向こうのFWみたいに守備サボらないでよー!? 前でプレスやってくれた方がありがたいからー!」



「分かってるって! ちゃんとやるから!」



 輝羅から守備をしてくれと言われれば竜斗は当然そのつもりで、積極的に前からボールを追いかけ回す事を決めている。



 無論、隙あらば追加点も狙っていくつもりだ。




「誰も気付かなかったのかよ!? あの14番が中でフリーなんて!」



 此処まで連続セーブを見せたGK桃下は怒りを見せる。


 何故、誰も向こうのボランチが上がって来た事に気付かなかったのかを。



「いや、お前は気づかなかったのか!? 後ろで見てたろ!?」



「見えねぇよ、あんな居るのか居ないのかハッキリしない奴は!」



 彼らだけでなくGKも影二の存在に気づかないまま、侵入を許した上に誰もマークしていなかった。



「あー、もう過ぎた事を言っても時は戻んないだろ!? それより取られた点を返す方が大事だって!」



 言い争いにまで発展しそうな所に菊池が間に割って入れば、仲裁を務める。



「確かに時間は僅か……もう守ってる暇はないから総攻撃しないと駄目だ!」



 味方同士で今は失点について、言い争っている場合じゃない。


 八坂西は皆へ逆転勝利を目指し、攻撃していこうと声を出す。




『(相手は必死でゴールを奪いに来るよね?)』



『(でも、同じ方向に向かってるように見えて心はバラバラかなー)』



 与一と輝羅がテレパシーで会話しながら、富永の選手達を共に見据える。


 同点ゴールを目指す者達は勿論多いが、彼らの中で先程の失点に対するミスは、まだ尾を引いていた。



 何で誰も気付かず見逃したのか、自分だって気づいていなかったくせに等、それぞれ不満を抱えている。



『(その中で、やる気満々に向かって来るのは彼かぁ)』



 与一の視線の先には諦めず、自分達の守るゴールを睨みつける菊池の姿があった。


 彼の心は折れずに同点と逆転のゴールを狙おうと、内なる心が燃え滾っていく。



『(じゃあ与一。彼の最後の意地をしっかり受け止めてウノゼロと行こうか)』



『(そうだね、一番キレイなスコアで勝っちゃおう♪)』



 双子が共通して好きなイタリア語で1ー0の勝利を意味する。



 それが『ウノゼロ』と呼ばれるもので、このスコアのまま彼らは逃げ切りを狙う。




「あっ!?」



 勝負を捨てずに立ち向かう富永だが、心の乱れが出てしまったのかパス回しにミスが生じる。


 流れた球を竜斗が取れば前線で体を張ってボールをキープ。



 守備陣の息が整う時間を稼いでいた。



「敵さん僕達の鉄壁の守りに焦ってるよー! 勝てる勝てる!」



 桜見ゴールマウスに立つ輝羅から皆へと向かって、勝利が近いと手を叩く。




「相手守り疲れたっぽいかな? 攻撃に迫力があまり無さそうかも」



 遊子から見て相手にミスが目立っているように思えた。



「向こうはリードされてますし時間も終盤。焦ってミスが生まれてもおかしくない状況です」



 スマホを見て神奈は残り時間を確認。


 もう富永の方は攻めるしかなく、精神的な焦りもあるかもしれない。



 それが彼らの攻撃を狂わせていた──。




「っ!」



 ゴール前へ切り込めなくて時間ばかりが経過していく。


 積極的に遠目から谷岡がロングシュート。



 空いてのシュートは精度を欠き、輝羅はこれを冷静に見送りゴールキックとする。



「落ち着けー! まだじっくり立て直せるから!」



 ミスが多発している選手達を富永の監督が励ますも、明らかに焦ってそうで連携の乱れが出ていた。



 一方の輝羅は、すぐにゴールキックを蹴らず1秒でも時間を長引かせる事を狙う。



 そこから蹴られた球は飛距離が伸びて、導かれるように竜斗の元へボールが伸びて向かう。



「拾え! セカンド!!」



 大事なのは競り合う今よりも球が流れるであろう、この後だと桃下は叫ぶ。



 八坂西だけでなく釜石も空中で竜斗と競り合い、ボールが転がっていく。



 それを富永の選手の方が先に拾って、今度は綺麗にパスを繋げた。



「(空いてる! 今度こそ!!)」



 この時、菊池は桜見の左にスペースが空いているのを発見。


 自分のスピードなら、そこまで走って一気にゴール前まで行けると、単独突破で得点のイメージを頭の中で思い描く。



 そこから松本が桜見の空いてる左を狙ってスルーパス。


 瞬時に菊池は反応すると、チームメイトから出たボールに向かって駆け出した。



 さっきは与一に阻まれたが今度は彼の姿は無い。



 菊池は誰にも阻まれる事なく、スルーパスに自慢の足で追いつく。




 ピィ────



「!?」



 フリーでボールを受けて大チャンスかと思えば、オフサイドの判定。


 スルーパスが来ると分かった与一がすぐにラインを上げて、オフサイドトラップを張り巡らせていた。



 先に追いついたと思った菊池が今度は罠に嵌められてしまう。



 再開で与一がボールを蹴り出した後、試合終了の笛は鳴らされる。




「今年も都大会行きー!」



 地区予選を勝ち抜き楽斗は仲間達と喜び、盛り上がっていた。



「まだ去年の成績も越えてねぇのに、浮かれ過ぎだって」



「とりあえず今は勝利を味わって喜んでも良いでしょ♪」



「そうそう、ピリピリしてばかりも良くないー」



 竜斗から見て、まだ浮かれるのは早いと思えたが与一と輝羅の2人に囲まれると、双子は笑って今日の勝利を喜んでいる。



「お前ら、ったく……まぁ今日くらい良いか」



 しょうがないなと竜斗は双子に言われ、チームを勝利の余韻に浸らせておく。




「(……見かけで判断して甘く見た、つもりは無いよな俺?)」



 喜びの輪を作る桜見に対して、がっくりと肩を落としたり崩れ落ちる者達が続出する富永。


 菊池は腰に手をやりながら与一と輝羅の姿を眺めていた。



 小さいからたいした事ないと、それで手抜きなどしてない。


 これまで通り自分のサッカーを貫いたつもりだ。



 しかし、今日は不意の失点からチームの歯車が狂い始め、結果としてチームは敗北。



「(今日はラーメン食って帰ろうって日じゃねぇや……!)」



 負けて止まってる場合ではない。


 今日の負けをバネにして高みへ飛ぶ為、菊池は前へ進む。




「兄さん達、お疲れ様」



「あはは、可愛い妹にそう言われると疲れは飛ぶねー♪」



「そんな疲れてもいないくせに」



「バレた?」



 ベンチに引き上げ、疲れた〜という感じで与一が神奈の前まで来る。


 その妹は兄の疲れた感じが、わざとであると見抜いていた。



「まぁ今日は良い感じに勝ったからねー」



「王坂の時の1ー0とはまた違うんだ?」



 受け取ったドリンクを飲む輝羅が今日は良かったというのに対して、神奈は練習試合の時と違うのか気になる。



「シュートを最小限に抑えたりしてたし、押し込まれるような展開も特に無し。スコアも1ー0と、ほぼDFとしては理想的な勝利だよ♪」



 与一も輝羅と同じ感想で良い勝利だったと陽気に笑う。



「ほぼ、じゃあ完璧な理想は?」



「シュート0本の完封だねー」



「出来るのそれ?」



「プロの方でも、そういう完全試合あるそうだよー」



 与一の語る理想に実現出来るのかと、神奈からすれば夢物語に思えるが、輝羅から実際ある事だと聞かされる。



「何時かは強豪相手に完全試合、やってみたいなー」



「とりあえず、ご飯行こう!」



「あ、そうだねー♪今日は何にしよっかな〜」



 いずれやってみたいと理想を膨らませつつ、与一は輝羅に言われて自分が空腹なのを思い出す。



 食事の事が最優先となれば、双子と妹は近くの定食屋で美味しく昼食をいただく。



 桜見1ー0富永



 闇坂



 マン・オブ・ザ・マッチ


 闇坂影二

影二「僕のゴールで決勝点……人生初……!」


与一「それはおめでとうー♪」


輝羅「折角だから、この流れで次回の方についてもヤミーに言ってもらおうかなー?」


影二「え!? ……えと、次回は都大会に向けた桜見の練習風景なので……見てくれると嬉しいです……」


与一「それだけでなく、サッカー部に新兵器が届くのでお楽しみにー!」


影二「し、新兵器……? 何それ……!?」

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