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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第4章 中学最強が決まる全国大会

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全国大会決勝 桜見VS神上海4

『前半20分を過ぎてペースは桜見が握り、攻め続けるも神上海の鉄壁の守備が跳ね返していく! どちらも譲らず、まだまだ頂点の座がどちらに輝くか分かりません!』



『桜見は与一君の攻撃参加が何時もより目立ちますね。そのおかげで攻め続けられているかもしれませんが、この暑さで飛ばし過ぎてはスタミナの方が尽きる心配も出てきます』



 時間が経つと陽射しが強くなり、気温も上がっていく。



 両ベンチでは控え選手達のアップする姿が見えて、交代に備える。



「マネージャー!」



 そこへ竜斗がベンチに向かって声を出すのが聞こえ、神奈へ両手を使ったジェスチャーで伝えていた。



「若葉先輩、新田先輩と選手交代です」



「分かった、何時でも行けるよ!」



 何時もは後半に交代となる若葉が前半から早くも登場。


 桜見のサッカーを知る一部の観客達から、ざわつきが起こりながらも若葉はユニフォーム姿となる。



『これは桜見、早くも動きましたね。左サイドバックの新田に代わって倉本が入ります』



『前半で得点をする気満々といった所でしょうか。流れがある間に畳み掛ける気ですよ』



 新田がフィールドから出て後輩の肩を軽く叩き、若葉が全国決勝の芝生へ足を踏み入れた。



「おー、若葉もう出て来たんだ? 頼んだよー♪」



「与一先輩、任せてください!」



 交代で現れた若葉に向かって与一は駆け寄り、明るく笑いかける。


 その様子は前半開始から攻撃で動き回って消耗してるようには見えず、密かに若葉は与一のスタミナを心配していた。



 この暑さで走り回り続ければ体力が尽きるのは早くなってしまうだろうと。




 桜見の左タッチラインからのスローインで試合は再開され、交代した若葉が自らボールを投げ入れる。



 ボールを受けた室岡からパスが出て、若葉は受け取ると共に迫りくる永倉のプレスをターンで躱し、会場からは驚きの声が上がった。



『交代で入った若葉、いきなり華麗なターンを披露して左サイドを突破!』



 その若葉を追い越してスピードに優れる室岡も前を走り、チャンスを広げようと動く。



 だが、そうはさせんと伊東が素早く寄せて来て室岡をマーク。


 若葉のパスコースを1つ潰す。



 そこへ与一が再び中央から攻撃参加に現れ、若葉の目は小さな先輩の姿を捉えていた。



「(良い所走ってた!)」



 マークされている楽斗を通り過ぎて、与一が前へ飛び出した所に若葉から左足の速いパスが出される。



『左の倉本からパスが出て、神明寺与一が上がって来た!』



 低空飛行でボールは与一の元へ向かうが、それを神上海のDFは黙って見てはいない。


 山南がダイレクトシュートで来ると読んでか、既にブロックへ来ていたのだ。



「(な!?)」



 しかし、与一が更に上回った時に山南の表情が驚愕へと染まる。



 左足でダイレクトシュートではなくチップキックで合わせて、立ち塞がる山南の頭上をフワッとボールが越えると与一も相手の左側から通過。



『浮かせた与一! 自ら追ってシュート!!』



 自ら浮かせた球に走って追いつき、地面へ落ちる前に右足のボレーで合わせてシュートを放つ。



 神上海のブロック、その間を行く恐ろしいまでの正確無比な与一が蹴ったボレーシュート。



 バシィンッ



 それでもゴールに向かうボールへ源二は反応してきて、横っ跳びから両手でキャッチというスーパーセーブを披露。



『井上またしても止めたぁ! スーパープレーにスーパーセーブで返していく!』



 魅せる与一のプレーだったが、またしても源二によって攻撃は止まってしまう。



 中学レベルとは思えない、ハイレベルな攻防戦が観客達の熱を上げて熱狂へと導いていった。




「ええ〜!? これだけ良いシュートが出来てるのに1本も入らないって、どういう事ー!?」



 今のは入るだろうと思っていた遊子。


 桜見がこんなにも攻めてるのに、何故1点も入らないのか信じられない気持ちばかりが広がる。



「それだけ相手の守備が凄いから、だと思います。特にあのGKの人が……」



 今まで自分達が完封してきた相手は、きっと遊子みたいな感じになっていたんだろうなと、神奈は隣の顧問へ向けてた視線をフィールドへ戻す。



 時間は前半終了の30分まで迫って来た。




「(前半が終わる前に1点……!)」



 ボールを持つのは楽斗だが、土方のハードマークを前に進む事は困難となって前へ運べない。



 神上海は全員が自陣に戻り前半をこのままスコアレスで乗り切ろうと、互いの意思疎通が出来て守備を固める。



「(此処さえ守りきれば!)」



「(沖田が出て点を取ってくれる!)」



 ベンチには神上海にとって攻撃の切り札、沖田が後半に備えていた。


 此処を0ー0で乗り越えれば勝てると、天才仕事人への信頼が厚い。



「(これ良くないなぁ……向こうの結束力が想像以上に固くて崩れない)」



 神上海の選手達に秘めた心を輝羅は密かに読み取り、心による結束が強くて崩すのが困難だと判断。



「1回戻してー!」



 攻めあぐねる桜見に輝羅は戻せと声を上げ、ボールが後ろへ戻されていく。


 前半をスコアレスで乗り越えたい神上海からすれば、ありがたい後退だ。



 それが攻撃の為だとは気づかないまま。



『桜見はGKまで戻して1度立て直す。前半も残り僅かと、このまま0ー0で折り返しの確率が高く──』



 大橋から輝羅までボールが戻った直後、輝羅はパスを出さずにゴール前を飛び出してドリブルで運ぶ。



 向こうは全員が下がってしまったので、桜見の自陣に寄せて来る心配は無い。



『輝羅君かなり前に出ていませんか!?』



『ボールを取られたら即ゴールの可能性が高い! これは神明寺輝羅、かなり大胆な攻撃だ!』



 誰も寄って来ないおかげか、センターサークル付近までGKがボールを持つ。



 姿を見た斎藤が取りに向かうと、それを察知していた輝羅は構わず左足を振り抜く。



 すり抜けるように密集地帯をボールが通過し、向かった先には来ると分かって走り込んでいた与一の姿。



「(これでどうだ!)」



 輝羅からのボールを左足のワントラップから前を向き、その目は神上海ゴールの左下隅を捉えると、与一はコースを狙って右足でシュートを放つ。



 竜斗をマークしている近藤の左を抜けて、狙い通りの位置へボールは飛んだ。



 GKの取り難いコースを正確に狙ったが、それでも並外れた反射神経を持つ源二は難しい場所にも飛びつく。



 バシィィッ



 芝生の上に倒れ込みながらも両手はボールを掴み取って離さず。


 止めるのが厳しいはずのシュートもセーブしてみせた。



「(これも駄目なのー!?)」



 今のは決まる、もしくは弾いて転がる、そう与一としては予想したが源二はどちらでもなく完璧にストップ。


 心が読めても結果までは読めない。



「(今なら桜見のゴールはガラ空きだ!)」



 キャッチした源二は起き上がり、輝羅が上がって無人のゴールマウスを狙い、右足のパントキックで蹴り上げる。



 その瞬間だった。



 ピィ────



『おっと、此処で前半終了の笛! 桜見の攻めが目立ちましたがスコアは0ー0と両チーム無得点のまま折り返します!』



『桜見としては点を欲しかった所ですけどね。逆に神上海は守りきって流れが傾くかもしれません』



「(命拾いしたか)」



 主審の笛が吹かれていなかったら、1点狙えるチャンスだった。


 源二は輝羅の方を一瞬見てからチームメイト達とベンチへ引き上げる。




「ふ〜、あっつ〜」



 前半から動き回っていた与一は暑さを感じ、左手で自分をパタパタ扇ぎながらフィールドを出た。



 その時、アップをしていた沖田とすれ違う。



「よく休んでおいてね。疲れた君を突破しても面白くないからさ」



 沖田からの言葉を受けて与一の足は立ち止まる。



「ご忠告ありがとう、しっかり休んでおくよ♪」



 互いに振り向く事なく言葉を交わした後、与一はベンチへ去っていった。


 沖田は小さく笑みを浮かべながら、後半出場に向けて準備を進める。



 この時、既に2人の勝負は始まっていた……。

与一「堅いって〜、あのGK〜!あんな隅狙っても駄目って何それ〜!?」


弥一「テンションが半端ないの方に傾いてないー?」


神奈「何それ?」


輝羅「分かんないよー」


弥一「あ〜……今時の子は知らないかぁ。10年以上経った世界だからなぁ〜、これがジェネギャってやつねー」


3人「ジェネギャって何?」


弥一「それも通じない世界になっちゃった〜!次回はハーフタイムを経て後半がキックオフ!ついに沖田も登場で、与一と天才仕事人が激突するよー」


輝羅「父さん、僕の仕事〜!」

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