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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第4章 中学最強が決まる全国大会

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102/113

天才仕事人

 フィールドで中学トップクラスの選手同士が激突し、ハイレベルな攻防戦が繰り広げられる。



 ただ、中盤に海斗という優秀な司令塔が居る分、石立の方がゲームを支配しつつあった。



『社、中盤で1人……2人と躱す! 冴え渡るドリブル!』



 速さと巧さを兼ね備えたフェイントで、海斗は迫り来る相手を続けて躱す。


 そこから繰り出されるスルーパスで再び戸村が右足でシュートを放った。



 バシィッ



 推し続ける石立の前に立ち塞がるのは神上海の強大なる守護神。


 天才GKと言われる源二が、戸村のシュートをまたしてもキャッチして石立の攻撃を終わらせる。



『此処も止めたGK井上! 石立の攻撃を全て受け止めていく!』



『これだけの攻撃を止めるとは、今年の中学サッカーは凄い選手達が多く集まってますね』



「もう少し遠慮なく厳しく行けってー! 甘さ残すなよー!」



 味方の当たりが甘いと源二は指示を出して、もっと強く行くように伝えた。



「(うちが支配率で勝っている。今のうちにゴールを奪う!)」



 今の流れは石立にあると見て、この流れの間に海斗は1点を狙いに走り続ける。



 ただ、神上海もやられっぱなしではない。



『井上のスローイングが伸びていき、左サイドから上がる!』



 源二が大きくボールを放り投げると、中盤の選手へ届いて左サイドにパスを送っていた。



「(何が中学の天才GKだ! この僕を差し置いて許されるか!)」



 高く上がったクロスボールに、登山は源二への強い対抗心を持ちながら跳躍してキャッチ。



 No.1の守護神は自分だと言わんばかりに。



『これは良い飛び出しだ石立のGK登山!』



『輝羅君、井上君と優れたGKが目立ってますが彼も優秀ですからね』



 石立の攻撃力が目立つ中、登山や米沢と守備も優れている。


 相手が神上海だろうと簡単には失点を許さない。



 両チームの戦いは激しさを増していく。




「石立は前に戸村、サイドに村木兄弟、そして中央に社。後ろに米沢と精神的に不安定だけど、登山も居て攻守にタレント多いなぁ」



「沖田、最後の登山だけディスってねぇ?」



「いや、事実じゃん。彼ゴール奪われた時って落ち着きがないんだもん」



 神上海ベンチにて、沖田は控え選手と話しながら石立の選手達を眺めていた。



 今年のライバルチームも手強く、簡単には勝てないなと話しつつ彼らの雰囲気は明るい。


 手強いとは思っているが、負けるとは微塵も思っていない証拠だ。



「にしても今年の社は特に凄いな。何かあったのか?」



 神上海の選手達は攻守で奮闘する海斗に注目が集まり、パワーアップしてないかと感じる。



「彼女でも出来たりして?」



「ええ、それ羨ましい奴〜」



「やらしいわぁ社〜」



 沖田の一言にベンチの選手達は男同士で盛り上がり、海斗に春が訪れたんだとイメージが植え付けられていた。



 本当に彼女が出来たとは知らないままだが。



「おーい、沖田ぁ! そろそろ出番だ」



「あ、はい」



 控え選手同士で話していた所へコーチがやってきて、沖田へ出場の準備をするよう告げられる。



 時間を見れば前半終了の時が迫り、後半頭からの出番なのは何時もの事だ。



 天才仕事人と呼ばれる少年は静かに動き出す……。



 ☆



「何本蹴っても決まらねぇよ〜!」



 石立のロッカールームで戸村は体を休めながら叫んでいた。



 前半から良い形で海斗からのパスを貰ってシュートは出来てるが、相手GKの源二を中心とした牙城を崩す所までは行かない。



「去年も井上にはやられてるから厄介なのは知ってたけど……今年も壁は健在みたい」



 去年もマネージャーとして神上海との試合を見守っていた美怜。


 その壁を破れず皆が敗北で悔しさを噛みしめる所も見てきた。



 今年こそ神上海を倒したい思いが選手達と共に強くある。



「大丈夫だ。奴がゴールを許さないんだったら、僕だって最後まで許しはしない」



 何時も通り自信過剰な登山だが、こういう状況では頼もしい。


 現に前半を0で乗り越えられているから、点を許さなければ勝てるチャンスは巡ってくるはずだ。



「……此処からだぞ神上海は」



「あ……」



 海斗の言葉に皆が気づく。



 彼らの強さは後半にあって、原動力となる存在が神上海に居ると。



「天才仕事人、沖田創一か……」



 後半に出て来て現在、得点ランキング首位を行くスーパーサブ。


 彼を止めなければならない米沢は、手に持っているペットボトルに力が入る。



 神上海に勝つには2つの条件を満たさなければならない。



 天才GK源二からゴールを奪うのと、天才仕事人の沖田に仕事をさせない事。



 それをクリアしない限り去年の繰り返しとなってしまう。



「よし……行くか。決勝行く前に此処で負けられないぞ!」



 海斗は皆へ声を掛けて勝利への意欲を高めると、石立イレブンは後半のフィールドへ赴く。




『後半、神上海は選手の交代がありました。芹沢君に代わりまして背番号11の沖田君が入ります』



『此処で出てきました、天才仕事人と言われるスーパーサブの沖田創一! 此処まで後半だけでゴールを量産の彼は石立を相手に今日も仕事をするのか!?』



 金髪のポニーテールを揺らしながら水色のユニフォーム姿で沖田が現れると、会場からは歓声が上がる。



「今日も決めてくれよ沖田ー!」



「頑張れ沖田君ー!」



 これまでの活躍から高い人気を誇り、沖田は観客の声援に応えていた。



「(さて、まずは一仕事しよっかな)」



 仕事人と言われる彼は石立ゴールマウスを静かに見据える。




 後半の試合が始まると、沖田には守備の要である米沢がマークして自由にさせない構え。



「今年は何もさせないからな沖田……!」



 去年やられている米沢は絶対に封じ込めてやろうと、気合が入っている様子。



「何も出来ずに終わる、は困るかな」



 そんな彼に沖田は穏やかな笑みを浮かべながら、マイペースに返事する。



 石立がボールを持つと海斗が中心となって神上海のゴールへ迫り、海斗は相手をキックフェイントの切り返しで躱すと右足を振り抜く。



『社ミドルレンジ! GKキャッチ!』



『ううん、社君鋭いシュートでしたが井上君も反応良いですね』



「カウンター!!」



 キャッチした直後、源二は右足のパントキックで素早く左サイドへ送る。



 低く速いコースを飛ぶと神上海の左サイド選手に届いた。



 それを見た沖田は石立ゴールを目指して、すぐにダッシュを開始。



「(飛び出すのが速いだろ!)オフサイド!」



 これを見た米沢は沖田を追いかけながら右手を上げて、オフサイドだと主張した。


 だが、主審の笛が鳴らなくてオフサイドを取ってもらえない。



 沖田はパスに対してほぼ同時にDFラインを抜け出し、ボールへ迫っていたのだ。



「(こいつ速ぇ!?)」



 まるで林王の夏樹を思わせるような速さで沖田は走り、米沢より先にボールへ追いつくと登山と一対一になる。



「(許すかぁぁ!!)」



 登山は沖田がボールを追うと共に前へ出て来て、プレッシャーをかけようとしていた。



 そんなGKの圧を無視するかの如く、登山の大胆な飛び出しに左足でふわりと軽くボールを浮かせ、GKの頭上を越える。



 沖田自身も追いかけて走り、登山を躱して米沢も追いつけないまま無人のゴールへ軽く右足で蹴り込む。



 ゴールネットが揺れ動くと共にスタンドも揺れていた。



『決まった沖田創一! 今日もやってくれた天才仕事人!!』



「まずは一仕事っと」



 神上海の仲間達が迫る前に沖田はゴールを確認して、小さく呟く。



 今年こそ封じると張り切っていた石立の守備が、一瞬にして無と化した瞬間だった。

与一「後半に現れてチームに貢献していく、そりゃヒーローみたいで女子のハート掴んじゃいそうだよー」


輝羅「というかライバル同士の試合になると僕達、暇になっちゃうって〜」


神奈「その試合がある度にこうなってるね」


輝羅「石立と神上海の試合はどうなっていくのか!?次回も彼らの試合が続きますー!」


与一「仕事人が止まらない!?そして最後に、桜見の元へある訪問者が来る!?」

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