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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第4章 中学最強が決まる全国大会

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王者VS王者

「初出場の桜見が名西寺に勝った……!」



「それも無失点って、どうなっとんねん……!?」



「これ行くんちゃうか初出場、初優勝! 中学サッカーの新たな伝説来るやろ!」



「桜見ー! 此処まで来たら勝てー!」



 桜見の選手達が帰りのバスへ乗り込んで、走り去る所を試合を観戦した観客達はエールを送りながら見送る。



 大阪代表の名西寺を破った桜見が勝ってくれれば、大阪の面目は保たれると彼らを応援する者達は増えていく。



「勝ってブーイング飛んでくるかなと思ったけど、来たのは応援の方だったねー♪」



「そもそも中学サッカーでブーイングは滅多に無いと思うけどな」



 与一は大阪の観客達からエールを貰って窓から手を振って応え、その与一にツッコミながら竜斗は窓際から景色を眺めていた。



「これでいよいよ後1つ……勝ったら全国優勝で頂点に立っちまうのか」



「去年は都大会止まりだったのが、一気に此処まで来ちゃいましたね!」



「そりゃ優勝するっきゃねぇっすよ!」



 後1つ勝ったら頂点かと霧林が愛用の扇子を扇ぎながら呟いた後、それが聞こえた室岡や海東が優勝に向けて意気込んだ。



 試合で疲れてるのに切り替えが早くて若いねぇ、と年寄りっぽい事を思いながら霧林は笑う。



「後1つ……決勝の相手どっちなんだろうね?」



「石立と神上海……」



 決勝の相手が何処になるのか輝羅が考えていた時、隣の窓際に座る神奈はタブレットで、もう一つの準決勝を見る。



 ☆



『昨年優勝の神上海学園、その連覇まで後2つ。そこに立ち塞がるのは一昨年の全国覇者である石立中学。王者と王者の激突です!』



『どっちも全国トップクラスで優勝出来る力を持ってますからね。これは勝敗予想が相当難しいですよ』



『両チーム優れていて、石立のキャプテン社海斗は全国有数の天才ゲームメーカー。神上海のキャプテン井上源二は中学No.1の天才GKと言われてますからね』



 事実上の決勝戦と言われる準決勝の会場は超満員で、注目の高さが分かりやすく表されていた。



 石立、神上海のキャプテン2人はコイントスの為に対峙する。



「……昨年みたいにはいかないからな井上」



「えらく気ぃ入ってんな社よ。決勝であの双子と戦えるかもしれないからか?」



「だったらどうした」



 昨年負けている相手に海斗は絶対負けるか、と睨むように相手を見た。


 それに源二は軽く笑って受け流し、彼へ問い掛ける。



 海斗が短く返した途端、源二に獰猛な笑みが浮かぶ。



「その化け物に俺も興味あるからよ。また勝たせてもらうぜ」



「神上海は此処で終わりだ……!」



 2人の間に激しく火花が飛び散り、握手を交わした後で2人はすぐに離れていった。



 昨年、石立が源二の壁を破れずに散った事は嫌でも頭を過ぎる。



 それを今年で終わらせようと海斗は打倒、神上海へ向けて円陣を組むと大きく声を上げた。



「絶対倒すぞ神上海! 勝者はぁ!!」



「「石立!!」」



 海斗だけでなく昨年の悔しさを知る者達、全員が神上海を倒そうと1年で練習や試合を重ね続け、リベンジの時。



 皆が叫んだ後にポジションへ散って開始の時を待つ。



『石立、凄い気合でしたね。神上海に勝つ事を目指してやってきた思いがよく伝わってきます』



『凄まじい闘志を燃やす石立、その挑戦を受けて立つ神上海。いよいよキックオフを迎えます! 勝つのはどちらなのか!?』



 センターサークルに立つのは神上海の選手達、先攻を取った彼らからのキックオフで試合は始まる。



 ピィ────



 開始の笛が鳴ると同時に神上海は素早くボールを回し、正確にして速いパスサッカーを展開していく。



 水色のユニフォームを纏う選手達が、開始から石立ゴールへ早くも迫っていた。



「(此処でパス──と見せかけてドリブルだろ!)」



 そこへバスからドリブルへ切り替えに気づき、海斗は迷わずボールを持つ選手へ突進。



『奪い取った社! 昨年よりも磨きをかけた守備が光る!』




「社の奴、去年よりパワーアップしてんな」



「関東大会で負けてバネにしたって感じだ……」



 海斗の凄みが増したプレーに、神上海のベンチは一筋縄じゃいかなそうと見ている。



「大丈夫だと思うよ」



 ただ1人、その海斗を前に穏やかな笑みを見せる美少年こと沖田は違う。


 彼だけは何も心配していない、する必要が無いと分かっているからだ。



 沖田の目は神上海のゴールを守る守護神へと向く。




『石立が最初の攻撃を潰して速攻! 両サイドの村木兄弟が走る!』



 石立の両サイドを今日も務める新一、新二の2人が走り出す。


 神上海の守備も切り替えが早くゴールへ戻って行くが、海斗はそれよりも先に左足で地を這うグラウンダーのパスを出していた。



 相手の間を射抜くような、寸分の狂いも無いロングスルーパスがゴール前の戸村へ一気に通る。


 早くもチャンスを迎えると、スタンドからはゴールの期待なのか大歓声が沸く。



「(貰った、1点!!)」



 石立のエース戸村は相手DFが寄せ切る前に、左足のシュートを振り抜いた。


 速く正確なコントロールを持つシュートが枠を捉えて飛ぶ。



 だが、ほぼ正面で源二は戸村のシュートをキャッチして受け止める。



「っ!?」



 チャンスだった攻撃を完全に止められて、戸村の表情は驚きに染まっていく。



『あーっと止めた! GK井上、抜け出して来た戸村のシュートをキャッチで攻撃を断ち切る!』



『近距離だったんですけどね。あれを弾くどころか取るのは中々出来ませんが、相当な反射神経ですね』




「源二は素手で熊を仕留めちゃった事あるし、同じ人間には早々負けないと思うよ」



 神上海のゴールマウスは規格外の守護神が守ってくれるからと、沖田が大丈夫と言いきる根拠はこれだった。



 桜見と同じく予選、それどころか昨年の中学サッカー公式戦で全試合を完封している驚異の天才GK。



 井上源二がいる限り、神上海に敗北などあり得ない。

与一「沖田って子、相当な美少年だよねー」


輝羅「可愛い系の方だねー。やってる事は凄いけどさぁ」


楽斗「女子人気とか滅茶苦茶高そうだなぁ〜」


神奈「神上海の試合には女性のお客さんは多く入ってるそうです」


霧林「良いなぁ、あれがモテ期ってやつかよ……!」


輝羅「キリーの男の嫉妬が入った所で、次回も石立と神上海の王者同士の試合が続きまーす♪」


与一「そしてベンチの沖田が動く!?」

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