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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第4章 中学最強が決まる全国大会

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全国大会準決勝 桜見VS名西寺7

『桜見、FKのピンチを凌いでからカウンターでのゴール! 後半にようやく得点が動き、名西寺は攻めるしかなくなりました!』



『これは番名君も今以上に積極的な上がりを見せて来そうですね。彼らはスタミナありますから終盤で一気に試合がまた動くかもしれませんよ!』



 輝羅の大胆な策から影二の決めた得点、この1点を守ろうと桜見は名西寺の怒涛の攻めに立ち向かう。



「くっ!?」



 楽斗はボールを持つセンハを止めようとするが、彼の後半も衰えぬ軽やかなフェイントで抜かれてしまう。



「(行かせるかよ!!)」



 ゴッ



「っ!?」



 そこに下がっていた竜斗がセンハへ右から激しくぶつかり、互いの肩同士が激突する。



 竜斗からの厳しい当たりに足が止まり、センハは咄嗟に右サイドへのパスに切り替えた。



「(ワンツー……!)」



 これを見たのは先制点を決めた影二。



 パスがすぐに折り返されると読んで、センハへ返ってきたボールのカットに成功。



『闇坂カット! コ・センハの突破を止めた!』



『闇坂君、後半に入ってもスタミナが衰えてませんね。確か神明寺兄弟だけでなく彼もフル出場と、体力が凄いですよ!』



「(もう1点取ってダメ押し……!)」



 影二は左サイドから上がる若葉の姿に気づき、左足のアウトサイドで左へボールを転がして、上がっていた若葉が掻っ攫うように取る。



 そのまま左サイドからドリブルで名西寺へ迫っていた。



「(調子乗らすかい!!)」



「っ!?」



 1点を追う名西寺は、これ以上の失点など絶対出来ない。


 絶対守り抜く思いが烈気の気迫となって、若葉へ猛然と接近。



 相手の気迫に押されたか、あっさりと若葉はボールを取られてしまう。



『通さない番名! その位置から大きく蹴り出したぁ!』



 爆発的なキック力を誇る番名の右足が、桜見のDFとGKの空いたスペースへボールが向かい、高清が迫る。


 先程の桜見の先制点と似たような流れだ。



「通すわけ──ないでしょ!」



「!?」



 そこへ先に辿り着いたのは与一。


 彼は落ちて来るボールに対して、自軍ゴールを向いたまま地を蹴って跳躍。



 後方に体を倒し、右足を高く上げると正確に捉えた球は蹴り飛ばされ、名西寺の方へ押し戻す。



 与一のカウンター阻止で繰り出された大技に、スタンドからは驚きの声が沸いた。



『神明寺与一クリア! 裏を抜かせません!』



『オーバーヘッドで凌ぐとは、守備で魅せる所も血は争えませんね!』



「ちぃ……!(守備で派手にやって楽しませるとは、エンターテイナーやな神明寺一族は!)」



 カウンターを潰されただけでなく観客の心まで掴む与一や輝羅に、烈気は思わず苦笑いを浮かべる。



 それでも鉄壁を誇る双子からゴールを奪わんと、烈気や名西寺は諦めずに攻撃を続行。




「後何分だよ……!?」



「後半20分を過ぎた所です」



 ベンチで海東が早く試合が終わってほしいと、落ち着かない様子を見せる横で神奈は時間を確認。



 リードしてる側からすれば1分1秒が長く感じて、されてる側は逆で両者共に1点の攻防戦に必死だ。



 同点か、それとも完封か。


 試合は終盤に突入していく。




「(何故だ……)」



 センハはプレーを続ける中で困惑を覚えていた。



「(何故、これほどまでに崩れない……!? 何故ゴールを奪えないんだ……!?)」



 何度も桜見のゴールに迫り続け、狙い続けたが予選も含めて無失点の守備を崩す事が出来ない。



 難攻不落の要塞を前に全く決定的チャンスが生まれず、時間だけが過ぎるばかり。



「(何処かに穴は……!)」



 隙があるだろうとセンハは注意深く周囲を見て、左サイドへパスを送って展開。


 そこに上がって来た選手がクロスを上げるが──。



『神明寺輝羅がキャッチ! これは高い跳躍!』



 高く上がった球は輝羅が両手で掴み取り、名西寺の攻撃を断ち切る。



 センハからの展開をまたしても潰されてしまった。



「(アカン、もう時間無いわ!)」



 電光掲示板の時計が見えて、後半の30分が近い事に気づいた烈気は前へ出る。



 中盤まで来ると彼も積極的にパス回しへ参加し、プレスに来る桜見の守備を躱しながらゴールに迫っていた。



『(与一! デッカいのが来てる!)』



『(分かってるってー!)』



 神明寺兄弟はテレパシーで会話した後、与一が烈気へ向かう。


 彼のキック力が1番の脅威だと警戒し、再び弾丸シュートをさせない為に。



「やらせないよー!」



 ボールを持たない烈気へ与一はマークする。



「(来てくれる思っとったわ!)」



 動きながらも内心、烈気は引っかかったなと笑っていた。



 センハがドリブルで進むと、右から上がって来た烈気に目が向く。


 だが、彼は烈気を見たまま反対の左へパス。



 ノールックパスから味方選手がダイレクトで折り返し、ワンツーで立ち塞がる大橋の裏へとセンハが走る。



「バレてるんだよねー!!」



「!?」



 センハは驚愕していた。



 これで裏を抜けてキーパーと一対一になるチャンスだった。



 輝羅はワンツーも囮も読んで大柄な大橋の体をブラインドにすると、センハから見えない状態で飛び出す。



 与一もそのプレーへ導く為、わざと烈気のマークに向かって引っかかったフリをしていたのだ。



 輝羅の飛び出しからボールが大きく左足で蹴り出され、空高く上空を球が舞った時、主審は試合終了の笛を吹く。



『試合終了ー! 最後は神明寺輝羅がセンハの突破を読んで阻止! 1ー0と名西寺に完封勝利で今大会無失点のまま決勝進出を決めました!』



「「やったヤミー!!」」



「わっ……!?」



 双子は揃って真っ先に影二へと向かって抱きついた。


 それに続いて他のチームメイト達も続き、今回の決勝点を決めたヒーローを囲む輪が出来上がる。



「け、決勝!? 行けるの!? 桜見が!?」



「先生落ち着いてくださいって! マジですから〜!」



「(やった……!)」



 テンションの上がった遊子は海東の肩を掴んでガクガクと揺らし、神奈の方は桜見の決勝進出に小さく右拳を握り締めた。



 勝利を喜び合う桜見、その一方ではフィールドで倒れ込んだり立ち尽くす者達が続出の名西寺。



「くそぉぉ!! 後1点が……!」



 たったの1点差を覆せずセンハは芝生を拳で何度も叩き、悔しさを見せていた。



「……すまん、セットプレー決めきれんかったわ」



 そのセンハに烈気が近づき、彼の右肩に左手を置いて止める。



「っ……!」



 勝利を目指し戦ったセンハからは大粒の涙が次々と零れ落ちていく。


 誰よりも勝ちたくて、それが敵わなかった自分への怒りと悔しさによる物だ。



「これでサッカー、終わりやないし先があるやろ。高校、そして代表……やと俺ら敵同士になってまうけどな」



「どっちも……絶対負けるか……! 勝ってやる……絶対に……!!」



 泣きながらも次は絶対勝つと、韓国の若き天才は強く誓っていた。


 これを見て烈気はセンハの韓国代表と当たったら手強そうだなと、予感が伝わる。



 その烈気は双子の方へ歩み寄っていく。



「負けてもうたわ。勝つ自信あったけどなぁ……中学No.1のDFとか言われとったけど、その看板お前に譲らなアカンな」



 与一と目が合った烈気は彼を見下ろしながら、自分を破った相手が中学最強のDFと認めた。



「え、いらないよ看板ー」



「って、いらんのかい!?」



 あっさりと最強の看板を不要と言う与一に、烈気は思わずツッコミを入れた。



「だって僕あんなパワーあるキックとかヘディング出来ないしー、無失点に抑えれば良いと思ってるから♪」



 与一は完封出来れば自らが最強じゃなくても良いと、そこに拘りは無かった。


 その分、0点に抑える事への拘りは強いが。



「……欲深いのか、欲が無いのか、よう分からんなぁそれ」



 軽く頭を掻きつつ、烈気は自分達を倒した桜見の優勝を願う。



 桜見1ー0名西寺


 影二


 マン・オブ・ザ・マッチ

 闇坂影二

与一「全国の決勝進出ー♪」


輝羅「という訳でヤミーを胴上げしようかー♪」


影二「決勝あるのに早過ぎるよ……!」


与一「えー、やりたかった〜。ヤミーは謙虚で良いねー」


影二「流石に胴上げで……注目されるのは恥ずかしいから……」


輝羅「相変わらず照れ屋だなぁ。次回はもう一つの準決勝、石立と神上海の試合があるよー!」


与一「どっちになるんだろうなぁ〜?」

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