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その13:小豆の一日。そのいち!

こんにちは!私は小豆!雀様の専属籠守!

今日は私のとある一日に密着するわ!

ちなみにこれは朝三時から記録しているわ!乙女の朝は早いのよ!


「朝三時からすること?決まっているじゃない!鍛錬よ!」


強い精神は強い身体に宿るとお婆ちゃんが言っていたわ!

武術を嗜むようになった時から私は一日も鍛錬を欠かしたことはないわ。

籠守になってから、自分の時間が少なくなったから。自然とこの時間ね。

全然辛くはないわ。自己研鑽は自信に繋がるもの。やればやるだけ結果はちゃんとついてくる!


あ、オーバーワークはダメよ!やりすぎや無茶は失敗に繋がるの。

何事も適度が大事よね!

鍛錬は一時間と決めているの。


それを終えた朝四時。

浴場を掃除した後、汗を流させて貰うわ。

水を全身にかけて熱を冷ます感覚。いつやっても気持ちがいいわ。


朝五時。身なりを整えて、山吹から教えて貰ったすきんけあ…?をやるわ。

色々なものを順番通りに使わないといけなくて、正直よく分からないんだけど…山吹のおすすめだし…それに大事な親友が私の為にと考えてくれたこと。

毎日欠かさず行うことが礼儀よね。


「これでよし!」


化粧をして、髪型を整えて、制服を着込んだら完成。

身なりに一時間かかるのも難儀だけど、自分を引き立てる為。

何もかも、自分に大事な事なんだから!


「さて、お仕事開始ね!」


朝六時。自分の個室から出て、すぐの部屋で眠る雀様に声をかける。


「おはようございます、雀様」

「…後半日」

「半日も寝ていたらダメダメになっちゃいますよ〜」

「うぅ…」


雀様って、目覚めが凄く悪いのよね。

一時間ぐらい攻防をさせられるけど…流石に布団を奪い去って起こすほど緊急ではないし…それなら抱きかかえて逃げるし…。

とにかく、手荒な真似をして起こせないのよね。

恩寵を受けし者とかそういうの抜きで…。


しばらく声かけを続け、四十分。

意識自体は覚醒したから、後は時間をかけて起きるだけ。

その間に朝食を取りにいけば、雀様はちょうど目覚められている。

朝七時。テーブルに朝食を並べていると…雀様が布団から出てきてくれた。


「はよ、小豆…」

「おはようございます。雀様」

「いつも通り六時に起こしてくれたんだな…助かるよ」

「当然です。朝食の準備、できていますよ」

「米?」

「今日はお米の日です」

「…パンがよかったけど、仕方ないな」


パンは火曜日と木曜日と土曜日のみ。

月曜日と水曜日と金曜日は米。

日曜日はコーンフレーク。雀様の朝食は基本的にこの法則で用意されている。

雀様は非常に飽き性だ。同じものを食べ続けていると「もういい」と言い出して、二度と口にしないケースが発生する。

だから、適度に飽きが来ないように食事には気を遣う必要がある。

私としては、米しか勝たんと思っているけれど…。

パンで昼までお腹が持つの、本当に不思議だわ…。


「いただきます」

「はい、雀様」

「小豆、午前の予定をよろしく頼む」

「はい。本日八時、月曜日なので籠守の集合があります。九時からは当初の予定通り、衛兵達への聞き取りになります」


「未踏開拓軍の三人が関わるようになってから、厳しさが増したと聞くが…」

「私としては序の口だと思いますが」

「小豆は強いからそう言えるんだ…普通の人間には地獄だぞ。手加減をして貰えるよう、小豆から…籠守の、浅葱とは仲がいいんだろう?話をしてくれないか?」

「構いませんが…私としては、結果がどうであれ雀様が衛兵部門を取り仕切る者として、部下を守るお姿を見せられた方が、今後の指揮に影響が出ると思いますよ」


「俺はただのお飾りだよ…この口調だって、わかっているだろう?」

「ええ。分かっています」


自分を強く見せるために、口調から変えた生粋のお嬢様。

それが雀様。誰かに守られることが当たり前の女の子は…今、誰かを守る立場になっている。

鳥籠の衛兵部門を取り仕切る役に着いている彼女は…先の失態の責任を取る為、今、色々なところを奔走しているが…。


「はぁ…」


このままで、大丈夫なのかしら。

支えている身としては、心配になってきたわ。

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