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智夜と十六夜  作者: 千夏
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智夜と十六夜 56

智夜のお母さんは、やっぱり悔しかったらしく、知り合い全部に愚痴を言って回ったらしい。まあ、気持ちはわかる気がする。

 智夜から聞いた話だと智夜のお母さんは、おじいちゃんの所にまで電話したんだって。しかも、お父さんが家に居る時に半分あてつけで。智夜のお父さんが途中で怒鳴り初めて大変な事になったそうだ。

 智夜のお母さんはみんなに”三田さんに何か言われたんじゃないかしら”って感じで言っていたらしい。私はちょっと気が咎めたけど訂正しようとまでは思わなかった。智夜もそんな事は言っていない筈だし。

 でも言って回ったら、気が済んだんじゃないかな。この前スーパーで会った時にはいつものおばさんだった。

”智夜は結婚の事をはまじめに考えているらしいけれど、いいの?”って言われた。

”ええ、まあ”みたいな感じで答えたら、何か苦笑されてしまったけれども。

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