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智夜と十六夜 55
僕の選択に対して、父は沈黙を守り、母には何度も考え直すようにと促された。
僕はもう高校を卒業した後就職して、できるだけ早いうちに十六夜を迎えに行くと決めていたので、申し訳ないとは思ったのだけれども決心を変えるつもりは毛頭なかった。
家にはますます居づらくなったけれども、高校を卒業するまでだと思って我慢する。現金な話かもしれないけれど、目標が決まったら父の嫌みや母の小言が前ほど気にならなくなった。
十六夜が結婚の申し込みを承諾してくれるかどうかは、まだわからないけれども、仮に断られても僕は自分の選択を後悔する事はないと思う。
僕が放課後、十六夜の事を待っていると十六夜は僕の顔を見て笑ってくれる。小さい頃からよく知っているいつもの笑顔だ。
僕の大好きな十六夜、どうかいつまでもそのままで。




