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智夜と十六夜  作者: 千夏
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智夜と十六夜 49

 十六夜は僕の家までついてきてくれた。

「ねえ、智夜。財産を断っちゃう事、お父さんとお母さんに言った?」

「まだ言っていない」

「言うと、すごく大変な事になるんじゃない?」

「多分、そう」

父は無関心を建前にしているけれども財産を断るとなったらどうだろう。母は嫌がるだろうし。

あーあ、と十六夜。

「ねえ、もし家を追い出されたら、うちに来ていいからね?」

「ありがとう。そう言ってもらえると助かるよ」

「でも、高校卒業するまで、秘密にしておくっていうのもいい手だと思うよ」

「就職活動もしなければならないし、十六夜と婚約する時は親の承諾は必要だろうから」

それに、言わなければならないものは早くすませてしまいたい。

「十六夜、僕と本当に婚約しても本当に構わないの?」

十六夜は、ちょっと視線を逸らした。

「勿論、構わないよ」

三田さんは結婚についてあんな風に言っていたけれど、本当の所はどうなんだろう?

「智夜、朝いつもの所で待っているからね。本当に言うなら、気をつけてね」

やっぱり言わない方がいいと思うよ、と十六夜は最後まで念を押して帰って行った。

僕も、父と母の反応を考えると気は重い。でも春恵さんから十六夜との婚約を許可してもらった事を考えれば、どうしても必要な事だ。


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