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智夜と十六夜 44
「十六夜ちゃん」
休みの日に近所のスーパーに買い物に言ったら、声をかけられた。智夜のお母さんだ。
「こんにちは」
近所なんだけれど、あまり会わない。時間帯が違うのかも。私のカゴは袋麺やお菓子とかレトルト食品とか。智夜のお母さんのはお肉とか野菜とか。
「智夜の事でちょっと聞いていいかしら」
「え、あ、はい」
「あの子から何か財産の事について聞いていない?」
「え、えーと」
質問が曖昧すぎて何て答えれば良いかわからない。よくわからないけど、この前、智夜がうちに来た時の事を話せばいいのかな?
「智夜はもしお金が間に合って、今住んでいる人が売りに出したければ、望月の昔の屋敷を買い戻したいって言っていましたけれど」
「あら、やっぱりそんな事を言っていたのね」
智夜のお母さんはそう言った。智夜話していなかったのかな?
「あ、でも、智夜は屋敷に住むつもり無いし、維持費も大変だから色々よく考えてみなければいけないって・・・」
「そんなの、住んでから考えてもいいんじゃない?そんな事を言っていたら何もできないわよ」
智夜のお母さんはとんがった声でそう言った。私はちょっとびっくりして、はあ、そうですね、と言ってしまった。




