智夜と十六夜 34
朝、待ち合わせ場所に行ったら、なんか智夜が立ち直っていた。すっきりした顔をしている。
「おはよう、智夜」
「十六夜、おはよう」
普通に話して普通に別れた。いやー、よかった。安心したよ。
嬉しくって昼休みに京ちゃんに報告した。
「今朝、智夜に会ったんだけれど、立ち直ったみたい」
「よかったね!でも、何で?」
「うーん、よくわかんないけど」
「十六夜、ダメじゃん」
京ちゃんは厳しく言った。
「それってもしかして、智夜君が十六夜との婚約の事諦めて、一人で財産を分けて貰うって決めたって事じゃないの?」
「そこまで細かく考えていなかったけれど、そう言われればそうかも・・・」
「十六夜はお金欲しくないの?」
「いや、まあ、欲しくないわけじゃあ・・・」
「智夜君が大金持ちになって誰か他の女の子と結婚してもいいの?」
「何かそれは嫌な気がする・・・」
「じゃあ」
そう言って京ちゃんは私をビシッと指さした。
「智夜君とその、三田さんの話し合いの場に駆け込んで婚約でも何でもするから、財産を分けてくださいって言わなきゃダメだよ!」
私はどこからツッコミを入れるか思わず迷った。
「えーと、私っておもいっきり財産目当ての女?」
「世の中、お金だよ」
「えーと、智夜の事はどうなるの?」
「お金があれば、智夜君も振り向いてくれるって♪」
「な~ん~で、そういう話になるの!人が真面目に聞いていたのに!」
京ちゃんと笑いながら追いかけっこをしていたら、休み時間が終わってしまった。




