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智夜と十六夜 30
智夜の嬉しそうな顔を見たかったな。智夜が大変なの姉ちゃんも知っているんだからさ、もっと手加減してよ。
まあ、私も姉ちゃんの言う事は筋が通っていると思う。
・・・でも、やってみなければ納得いかないって事もあるしさ、元々あてにしていないお金なら望月家の屋敷を買い戻すのに使ってもいいんじゃないかな。
智夜の方を見ると、真面目な顔をしてお茶を飲んでいる。
「お菓子、食べない?」
「うん、有り難う。・・・後で食べるよ」
「お金の方、全然貰えなかったりするの?」
「それは無いと思う」
「金額が減る?」
「・・・どうかな。聞いてみないと」
智夜は沈んでいる。うーん、話しづらい。
「三田さんといつ会うの?」
「今月中に1回会いたいって言われている。日時は決まっていないんだ」
「そっか」
私は皿に残っているお菓子をにらんだ。そろそろ食べない方がいいかも。
「智夜?」
「何?」
「私は智夜の味方だからね」
「・・・うん、ありがとう。嬉しいよ」
智夜は少しだけにっこりした。




