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智夜と十六夜  作者: 千夏
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智夜と十六夜 23

 朝、僕が家を出ると、十六夜が後ろから走ってきた。

「と・も・や! 放課後待ち合わせね。今日は5時限まで?」

「今日は5時限。十六夜は?」

「私も。それで、ごめんね、今日先に学校行くね!」

「う、うん」

 十六夜は走って行ってしまった。気持ちはよくわかる。僕も正直学校まで何の話をすればいいのかわからない。

 学校の休み時間、僕は三田さんに会った時に相談する内容を考えていた。

 望月の屋敷は人手に渡って、今は他の人が住んでいる。買いたいという交渉をする場合は誰か大人の人に頼まなければならない。その件を三田さんによく聞いてみようとか、十六夜は仮に婚約したとしてすぐに財産を分けてもらえるのだろうか、とか。

 放課後、鞄に教科書を詰めていると、クラスの友達が声をかけてきた。

「望月、藤野さんが待っているよ」

僕が窓から覗くと、十六夜がもう来ていた。大分急いで学校を出て来たらしい。僕は急いで教室を出た。


 校門の所まで出ていくと、十六夜は笑顔で迎えてくれた。

「智夜、早く、早く!姉ちゃんも待っているから。あ、途中でお菓子買うね」

途中、お菓子を買って僕と十六夜は十六夜の家に向かった。

 僕は、途中十六夜の返事が気になってしょうがなかった。形式だけの婚約にしろ返事を聞いてしまわないと、落ち着かなくって考えがうまくまとまらない。

・・・十六夜、返事は?

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