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第4話~刺客現る②~

遠距離から攻撃の対象にできない

近距離だと敵対できない


お互いを補い最強の刺客2人組が、輝木光たちに迫る。


対するは、輝木光と赤井萌の不仲組。


でもこの2人でやるしかない。


今、チームの絆が試される!

見事なチームワークである。

私たちとは大違いだ。


「それが本当なら、あいつらを分断しないと勝負にならないな……」


「ですが、どう分断しますの? こちらの攻撃手段はほぼないに等しいですわよ」


私はなんとか策をひり出すため知恵を絞る。


「……あいつらを直接狙うんじゃなくて、爆弾とかの罠を置いて誘い込むのはどうだろう?

あいつらを直接対象にしてるわけじゃないから、上手くいくんじゃないかな」


「アナタ、爆弾なんてもってますの?」


「いやないけど」


「では計画倒れですわね」


だが、私は『爆弾の代わりになるもの』を既に見つけていた。


(赤井は覚えてないな。

今私たちのいるビルの1階部分がなんだったのかを)


「ここの一階って酒屋だったよね」


私が赤井に言った一言。


「たしかに……ってまさか、アナタ正気ですの⁉︎ こんなところで引火させたらお店の人はどうなりますの!  ダメですわ!」


それだけで私の策を悟った赤井は、焦りの表情を浮かべる。


「上がってくる時誰もいなかったから、どうせもうどこかへ避難してるよ。誰だって巻き添えは嫌だし」


私は焦る赤井を尻目に、窓を開けてあいつらに叫ぶ。


「おーい! そこのバカ二人組! どこ探してんだよ! ここまでおいでー!」



「あ、あ、あ……なんてこと……! もうどうなっても知らないですわよ!」


赤井から血の気が引いた……気がした。


改めて下を見ると、例のテロリストの顔が真っ赤にして叫んでいた。


「トラちゃんを……」


「ふーちゃんを……」


「バカにするなぁーーっ!!」


(こいつら煽り耐性なさ過ぎだろ……)


だが、今はその事実に助けられている。


「赤井。後は任せた」


「なんで私がアナタに……。まあ、今は従ってあげますわ!」


「飽くまで狙いは下の酒屋だからね。あいつらを直接狙っちゃいけないよ」


「分かってますわよ! ……あいつらまだ入ってこないんですの?」


赤井に聞かれたタイミングで、ちょうどあいつらがビルへ入ってきているのが見えた。


「……来た! よし、今だ! 爆発させろ!」


赤井が火を放つ。

ドゥッ! と存外低い音とともに階下が爆発した!


これであいつらを分断、あわよくば行動不能にできたらいいのだが……。


「やっちゃいましたわ……。これ……誰か一般の方が巻き込まれたんじゃ……」


「今更気にしても仕方ないでしょ。今は自分の命の方が大切だよ」


「そ、そうですけども……」


「とにかく、今のうちに奇襲を仕掛けないと。また2人一緒になられたら、手も足も出せなくなる!」


しかし、階段は恐らく大火事で降りられない。

となると、どこから降りるか…….。


(多分この手のビルには、裏手の外に非常階段があるはず。そこから下に降りよう)


「急ぐよ赤井。この階もいつまで無事かわからないし」


そう言って私は裏手へ行き、非常階段へのドアを見つけ、そのドアを開けようとした。


「別に私は炎に焼かれようと問題ないんですけど……。それに」


ガチャリ。


赤井が話していたその時、私の目の前のドアが開いた。


……まだ私はドアに触れてないのに。


(……まずい!)


「全くー! あんな見え透いた挑発に乗るわけないじゃん」


「ホントホント! バカにしないでほしいよ!」


そう言いながらテロリスト2人組が扉から現れる。


(こいつら……! まさに今、私が使おうとした非常階段を使って上がって来たのか! クソっ!)


「く、来るなーっ‼︎」


反射的に私は発砲する!

……フーちゃんと呼ばれていた、髪の短い方の右腕に弾丸が命中した!


「ふ、ふーちゃん! 大丈夫⁉︎ しっかりして!」


「大丈夫……! 死にはしない……」


「……こ、この……! 輝木っ! よくもふーちゃんを! 死ね! 死ねよ! お前なんか死んじゃえ!」


もう一方のトラちゃんが逆上し、こちらに銃を向ける!


あの銃は鉄製じゃないから奪えない。

撃たれるっ!


「輝木! こっちですわ!」


だが、私に向かった弾丸は空中で消滅した。

赤井が炎で蒸発させたのだ。


「作戦失敗! 逃げますわよ! ここから下の階に飛び降りますわ!」


そう言いながら赤井が指した床には、1メートル程の穴が空いていた。


「と、溶かしたのか……床を……」


(なんと言うバカげた火力。……今は味方だけど、本当にとんでもないな)


私たちは2人で階下へ飛び降りた。



だが、まだ問題はあった。


「うわっ! ダメだ! この階にいたら焼け死ぬ!」


この火事の火元であった一階の酒屋では、燃え盛る火炎が既に跋扈していた。

これではテロリストに襲われるのと、どちらが安全か分からない。


「火事に関しては大丈夫ですわ。私の超能力で炎は退けられますもの。本当はさっきも言おうとしたのですけれど……。さあ、階段から下に降りますわよ。あと、熱気を吸わないよう、しばらく息を止めなさい」


しかし、赤井はサラッとこう言った。


「…………マジか……」


(どこまで万能なんだコイツの能力)


『やっぱり超能力には格差があるよなぁ』と、私は改めて思った。

敵の2人組を分断しようと試みるが、失敗してしまった。


またしても退却し、体勢を整えんとする輝木光たち。


そして、輝木光の思いついた次の作戦とは何なのか?


次回、決着!




ここまでお読みいただきありがとうございます。


次回は視点が輝木光ではなく、ある人物へと変わりスタートします。


どうかよろしくお願いいたします。


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