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こちら三日月観光局天の川銀河支部 青い星地球担当基地(現地民族の言葉に翻訳)

作者: 雲母あお

こちら三日月観光局天の川銀河支部 青い星地球担当基地(現地民族の言葉に翻訳)



「青い星地球へ観光へいらっしゃるお客様、自船にお乗りになり、こちらのワープ装置の前にお並びください。」

アナウンスが流れる。


この観光局が三日月と呼ばれる所以は、その形状だ。

三日月型のてっぺんに事務局と待合室などの設備があり、ワープする入り口が設置されている。

ワープ装置が動き出すと、入り口から中に入り、滑り台のように観光局の外側を滑り、滑りおりた三日月の一番下の尖った先に、それぞれの観光地へつながるワープ装置が開かれ、旅が始まるのだ。

観光地に行く前の、宇宙の中を滑り台を滑るような時間が、この観光局が人気なところだ。


「それでは、青い星地球観光スタートです!」

係の者がワープ装置のスイッチを入れる。すると、ふわぁ〜んというなんとも呑気な音と共に、ワープ装置の扉が開いた。

「良い旅を!」

次々と、ワープ装置へと宇宙船が入っていく。


「ひゃっほ〜い!!」

陽気な声をあげて旅に出る船もある。

「最近は、青い星地球のオープンカーなる乗り物を模した宇宙船も増えましたね。」

「そうですね。お陰で、うちの宇宙船滑り台は、青い星地球のジェットコースターに似ていると評判になり、業績アップ!オープン船が急増して出発する時の歓声がうるさいと、クレームまで入る始末ですよ。まあ、我らの銀河系内の気温は過ごしやすいですからね。滑り落ちる時の重力を肌で感じるスリルっていうものは、私みたいな年寄りにはわかりませんな。あと10歳若ければ!」

ちょっと悔しがっている。

「まあまあ。そうぼやかないで。見ているだけで楽しいではありませんか。」

「確かに。彼らオープン船のお客様は、壮大なパノラマの景色の映像を飛ばしてくれて、我らも行った気になれますしな。」

「そうですよ。全部囲われた宇宙船では撮れなかった映像ばかりですよ。」

2人モニターに送られてくる映像をしばし見る。

「この送られてくる映像のおかげで、さらにうちは繁盛させてもらってますし。」

「三日月観光局の目玉ですからな。観光局を滑り台付き三日月型にしたいって局長が言い出した時は、何を考えているんだ!って反対しましたが、今となっては、この滑り台目当てに、我が局を選んでくれるお客様でいっぱいですからな。局長の変な頭に感謝ですわ。」

ワハハ



地球の皆様、宵闇の空に輝く光は、三日月観光局から飛び立った旅行客かもしれません。

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