3/29 一大決心
茜ちゃんの指舐め事件の後、必死に軌道修正を図った結果、何とかデートを楽しく終えることが出来た。
楽しかった…。
憑依初日にこれだけ楽しむことが出来たのは、茜ちゃんのおかげだろう。それは断言出来る。
茜ちゃんはめちゃくちゃ可愛い。まるで二次元から飛び出してきたような容姿をしている。
だが、可愛いだけじゃない。性格も抜群にいい。
会って初日なのにそれはしっかりと伝わった。
俺がいつ地球に帰るのか、もしくはこのまま帰れないのかはさっぱりわからないが、茜ちゃんが幸せになれればいいなと思う。まあ茜ちゃんが幸せになれるかどうかは完全に龍星次第だな。龍星が茜ちゃんと付き合えば全て解決すると思う。
……帰れないんだとしたら俺が結婚しよ。
だけどなぁ、家に近づくにつれて茜ちゃんが喋らなくなってしまった。
一体どうしたんだ。
そんなことを考えているうちに、茜ちゃんの家の前に着いてしまった。
「じゃあな」
「うん。…あのね、龍星」
「どした?」
「今日は、楽しかった。べ、別にいつもが楽しくないってわけじゃないんだけど…。今日はいつもより楽しかったなって思ったの」
これもう抱きしめてキスしちゃっていいですか?
あ、駄目ですか、そうですか。
茜ちゃんが好きなのは龍星であって、俺じゃないんだぁぁぁ!などと考えて、必死に自重する。
今日の行動自体は決して自重してなかったけどな。
だって可愛いし、楽しかったんだもん。テンションハイになっていろいろやってしまった。
ま、龍星が怒ってるわけじゃないしいいだろう。
「俺もすごい楽しかったよ」
「またデート…してくれる?」
あれ?これマズいぞ。
俺の恋愛アラートが全力で警報を鳴らしている。
やべぇぇ!
(おい!龍星!起きてんだろ!)
(はい、何でしょうか)
(緊急事態だ!今から言うことをよく聞いて、よく考えて答えろ!ただし!回答は5秒以内だ!)
(ええっ!?な、何ですかそれは)
(良いから聞けっ!!)
(はっはいぃぃ!)
(お前、茜ちゃんと付き合えるか?もちろん恋人としてだ!)
(へ?…ふぇぇぇ!!!!!?)
「だ、ダメなの?」
俺の返事が無いことに不安を覚えたのか、追撃をかけてくる茜ちゃん。
とても不安そうだ。
「い、いや。全然ダメじゃないぞ。ちょっと驚いただけだ。もちろん、またデートしよう」
「よ、よかった!」
不安げな表情が一気に明るくなる。
(おい、どうなんだ!!!早く決断しろ!!)
(え、えっとぉ。僕が茜と?つ、付き合う?な、なんで?)
大分混乱しているな。だがそれを待っている暇は今は無いのだ。
(早くしろっ!間に合わなくなってもしらんぞっー!!!)
(ええっと、えっとぉ…つ、つつつ、付き合えますっ!!!!!)
(よしっ!!よく言ったっ!!!)
言質はとった!
「あ、あの、それでね。…ずっと言いたかったことが…」
やはり告白か。
大急ぎでこいつから言質をとった甲斐がある。
「あるんだけど…」
「茜、待った!」
茜ちゃんの言葉を待たずに、ストップをかける。
「はっはいっ!」
「待ってくれ茜。俺から先に話をさせてくれないか?」
「う、うん?わ、わかった」
ふぅー。落ち着け。俺は落ち着くだけでいいんだ。
「茜、長い間待たせてすまない。好きだ。俺と付き合ってくれ」
「………ふぇ?」
「もう一度言う。茜のことが好きなんだ。俺と付き合ってくれないか?」
「…ほ、ほんと?」
「ああ、本当だ。大切にする。約束するよ」
「ずっと…ずっと不安だったの…。龍星は私のことなんて何とも思ってないんじゃ無いかって…。ただの幼馴染み以上には、なれないんじゃないかって…。で、でも、今日はいつもより優し、かったからぁ…。ふぇぇ…よ、よかっ、たぁぁ。嬉し、いよぉぉぉ。わた、しも、好きぃぃ」
それ以上は声にならず、泣き出してしまった。
たまらず茜ちゃんをそっと抱きしめる。
茜ちゃんも俺の背中に手を回してくる。
小さいな。この小さな身体にずっと大きな気持ちを募らせていたんだろう。
今日買ったシャツはすぐに涙を吸い取って俺に冷たさを伝えてくるが、今はその冷たさが暖かい。
(…僕はずっと茜に辛い思いをさせてたんですね)
(………)
(昌一さん、ありがとうございます)
(ああ。俺はいつ居なくなるかわからんが、大切にしてやれよ)
(はい、約束します)
しばらくすると茜ちゃんが俺の背中から手を離した。
それに合わせて俺も抱きしめるのをやめた。
目の前には顔をぐちゃぐちゃにした茜ちゃんがいる。
だが、その顔は今日一番綺麗に見えた。
ああ、そういうことだな。
(なあ、キスしても大丈夫か?)
(ええ、お願いします)
(わかった。でもすまないな、ファーストキスだろう)
(いえ、いいんです。今日の咲ヶ峰龍星は小林昌一ですから)
こいつ、達観してやがる…。
逆の立場なら絶対止めてるだろう。
俺が肩に手をかけると、そっと瞳を閉じる茜ちゃん。
俺たちはゆっくりと近づき、唇を重ねた。
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俺と茜ちゃん…いや、もういいや。
俺も完全に好きになってるしな。
俺と茜は近くの公園のベンチに移動した。
流石にあのまま茜の家の前にいるのはいたたまれなかったからな。
というか、茜の母親に一部始終を見られていた。
はぁ…。
ちなみに茜のお母さんもめちゃくちゃ美人だった。
遺伝子すげえ。
「もう、お母さんったら…」
「まあまあ、おばさんにも俺のせいで心配かけてたんだろ?今度挨拶に行くよ」
「別にそこまでしなくていいわよ!まあ、心配かけてたのは本当だけど…」
「いや、行くよ。茜と付き合ったことを認めてもらいたいしな。ちなみに…おじさんは?」
「お母さんと一緒」
「そっかぁ…じゃあ挨拶しないとなぁ。18歳で両親に挨拶か。胃が痛い…」
「ふふっ。大丈夫よ、昔から絶対龍星と結婚するって言ってたし」
うーむ。思った以上にすごい覚悟だったな。
というか、両親に挨拶はこいつにやらせた方がいいと思うんだが、何かいい方法は無いものか。
検証だな。やっぱり。
「ごめんな、こんなに時間かかって」
「ううん。私もはっきり好きって言わなかったし。でも、15歳の時一緒に寝たことあったでしょ?あの時、龍星が10秒で寝ちゃったときは流石に凹んだわね」
(お前バカなの?)
(すみません…)
こいつは思春期きてないんじゃなかろうか。
精通すらきていないなんてことは流石に…いや、ありうるな。
「悪かった!その時のお詫び、していいか?」
「お詫び?別にいいけど、何するの?…んっ!んんっ…ぷはっ!…んー、んんっ…んちゅ…ぇろっ…んぁ…ぁんん…りゅせぇ…んちゅっ…んんっ」
「ぷはっ…お詫びになった?」
「…ぅん」
「良かった。…茜、好きだ」
「私も、好き…」
(昌一さん、い、今のは…?)
(え?もしかしてディープキスを知らない?)
(は、はい。なんというか、すごいんですね。ディープキスと言うんですか)
精通してない疑惑高まったな。
「ね、ねぇ…」
「ん?」
「今の、もう一回…」
ほほぅ。もう一度したいと。素直でよろしい。
望むところだ。と言いたいが、全く同じじゃあ面白くないな。
「いいよ。じゃあここに座って」
ぽんぽんと、自分の両ももを叩く。
「そ、そこに座るの!?…わ、わかったわ。これでいい?」
残念ながら不正解だ。横向きに座ってはいけません。
「ぶぶー。跨ってくださーい」
「も、もう!何となくわかってたけど恥ずかしいのっ!」
「恥ずかしくないとご褒美じゃないからな」
「…ぃじわる」
その瞳、ゾクゾクくるね。
文句を言いながらも大人しく従う茜。
残念ながら長めのスカートだったので足が広げられてもショーツは見えなかった。
「では問題です。この体勢を何というでしょうか」
「もう最悪っ!…ぅうー…た、対面◯位」
「正解、よく出来ました。あ、一個聞いていい?」
「な、何?」
「その言葉、どこで覚えたの?」
「絶対教えないっ!」
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またまた調子に乗ってしまったみたいだ。
まあベロチュー2回とお尻の感触も楽しんだし、調子に乗ってしまうというのも当たり前のことだ。
うん、俺は悪くない(錯乱)
ちなみに龍星は茜が太ももに座る辺りから見ないようにしていたらしい。そんなこと出来たのか…。
「そろそろ帰るか、もう暗くなっちゃったし」
「そうね、ここでお別れでいいわ。私の家に行くと龍星の家と逆方向だし」
「別になんでもない距離だし、送ってくぞ?」
「大丈夫よ。それより、明日もお家に行っていい?」
「ああ、じゃあ明日は家政婦さんに一日中来なくていいですって伝えとく」
「わかったわ、ご飯作るわね」
「楽しみにしてる」
本当に楽しみだ。まあ流石にエッチなことはしないけどな。龍星には刺激が強すぎる。
「じゃあね、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
「あ、そうだ。一つ言い忘れてたんだけど、龍星に他に好きな娘が出来たら教えてね。私、応援するから!」
「………へ?」
その後のことは、よく覚えていない。
めでたし、めでたし。
じゃねぇぇぇ!!
最後にでっかい爆弾落とされましたね。
一体何なのでしょうか。