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新歓
「新歓ドーナツ食べ放題!!」
静かな講義中に1人の女子の声が教室を包み込んだ。1コマ100分という慣れない授業に睡魔と戦いながら挑んでいた僕もその声に睡魔が飛んでいった。残念ながらこの女子は僕が恋した女子ではなく、のちに副ゼミ長となる桐宮瞳であった。
「静かにしなさい!」
「あ、はーい!」
教授が注意するも全く反省の色が見えない。むしろ「ドーナツ♪ドーナツ♪」とテンションが上がっているようにも見える。
今思えば、桐宮のこの発言を聞いていなければ、学園祭実行委員の新歓に行こうと思わなかったし、興味も無かった。しかし、ドーナツとなると話が変わって来る。僕はドーナツご大好物なのである。受験期は某ドーナツ店にお世話になっていた。僕は学園祭実行委員の新歓に行くことを決意した。