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序章
序章
大学1年生となったあの日、僕は彼女と出会った。
彼女との出会いは、朝起きたら体が入れ替わってた!空から急に彼女が落ちてきた!なんてした特別な出会いではなく、ただゼミが同じだったという平凡な出会いだった。
ミルクのように真っ白な肌。淹れたての紅茶のような明るい髪色。透き通った瞳。彼女は文句なしの美人だった。
対して僕はどうだろうか。身長は高いものの、高校3年間バイトと趣味に身を捧げた僕は筋肉のきの字も無いほどひょろひょろな体型。顔は大きく、そのくせに目と口は小さくより一層顔の大きさを目立たさせている。俗に言う陰キャの典型的な人間である。
こんな僕が、彼女と話せる訳もなく入学して数日がたった日、学園祭実行委員ステージ係という奇妙な係をきっかけに初めて話すこととなる。
その日、初めて奇跡という言葉を信じた。