オオカミさん告白する
(*•ө•*)酉年。+。゜☆2017よろしくお願いします
「リアンくんが食べちゃいたいくらい大好きです。私と・・・つ、付き合って下さい!」
こんなに生物に対してどきどきするのは生まれて初めてよ。
私の胸を熱くときめかせるのは、いつでも野菜達だけだったから。もちろん告白なんてしたことないわ。だから今、もう恥ずかしくてはずかしくて、体中が沸騰してるんじゃないかってくらい熱くて堪らないの。呼吸の仕方さえ忘れてしまうくらいに…。
「え、食べる?」
はっ、しまった!ついつい緊張のしすぎで、欲望をそのまま伝えてしまった。訝しげなリアンくんの視線が痛い…家でたくさん練習したのに。うぅ、即時修正しないと!
「あ、えっと、食べたいっていうのは比喩表現で、あの、その、私はリアンくんのつくる野菜が好き!だからそれを食べたくて、そんな美味しい野菜を作るリアンくんがもっと好き!って言いたかったの!」
「そ、そう…」
何とか誤解は解けたみたいだけど、必死なあまり可愛いリアンくんがちょっと引いてしまったかも。(実際にはないけど)リアンくんの頭に困ったように垂れる幻のうさ耳が私の目に映ったときには、ああ儚い夢だった…とらしくもなく諦めようと思ったわ。
けれど天は、いやリアン神は私を見放しはしなかった!
「ありがと、そんな風に言って貰えたのは初めてだ…でも、俺は先輩のことほとんど知らないから、今は答えられません。だから、まずは名前を聞いてもいいですか?」
「う、うん!私はミルキ!リアンくんと同じ兎人だよ!」
「やっぱり。見た目てきにそうかなって思いましたから、でも先輩みたいな色の子だったら俺が知らないはずないんだけどな…」
「え、そうなの?…ってそうじゃなくて!そ、そう!幼少期は毛色がまだ灰色っぽかったから…かな?」
「…ふ~ん?」
うわ~めちゃくちゃ怪しまれてる。でもでも、リアンくんのタイプが白に赤い瞳のウサギさんだと思ったから、安心して…というか自前の雪色ボブヘアーに半ばラッキーって感じで速攻告白しに来たんだけど、やっぱり白は兎人でも特別なのね…。
「あの、それでこの後の予定とかって何かある?もしよかったらどこかに…」
「いえ、家に帰ります。」
つ、つれにゃい。
「な、なら!一緒に帰ろうよ!」
「え、なぜ?俺、先輩と付き合うなんて言ってませんし」
「でも!せめてお友達とか!ねっ!」
「いいけど、あまり期待はしないで下さいね」
今のところ、リアンくんの反応はイマイチ。でも、獲物はじわじわと追いつめるものとお父さんから習ったし、焦りは禁物よね?
「分かってるわ!だから、お近づきの印に今日はリアンくんの家の野菜を食べに行くね!」
「え、えぇ?」
「さあ、行こっ!今すぐ行くよ!野菜が私を呼んでいる!」
「・・・ほんとに野菜が好きなんだね」
そうして半ば強引に手を繋いだ私に、ほんのり笑ってくれたリアンくんは本当に天使だと思うの。あぁ、写メに残したかった…。
その後、私がリアンくんの塩対応にもめげず、にんじんケーキを右手に、もしくはアップルパイを左手に押して引いて、また押して、さらには押し倒して実にこの3ヶ月後ついに念願のリアンくんをもぐもぐできたわ。きゃっ♡
リアンくんの唇はにんじんクリーム味よっ!
でもリアンくんの恋人の座をえて、今や向かうとこ敵なし!リア充でごめんね(テヘペロッ♪)でラブラブハッピーな私だけど…一つ不安なことがある。
そう実は私、何を隠そう兎人じゃなくて狼人なの。
愛しのリアンくんは私を同じウサギさんだと勘違いしてくれているわ。もちらんこれは、極秘事項であり、リアンくんおよび他の者に知られるわけにはいかない。
理由は簡単。だって狼って肉食じゃん、そして兎ってどう考えても狼人にとって可愛い可愛い…ご飯だよね!
そんなリアンくんに惚れちゃった私にもイロイロふかーい事情があって…とりあえずまあ、ぶっちゃけ最初の問題としては私が狼人にも関わらず、根菜主義者だったのが問題なのかなぁ……?
name:ミルキ
look:雪色ボブ/チョコレート色の瞳
age :♀17
class:狼人部族長の娘
personality
欲望に忠実でドSな性格、特技は猫被り
前世の記憶により生粋のベジタリアン
リアンに対してのみ肉食獣の食指が動く