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この謎が解けますか? 2  作者: 『この謎が解けますか?』企画室
この謎が解けますか?
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ツインズ《解答編》

 シーザーは、母親のエリーと共に、ある場所で待機している。場所は少し高い位置にあり、自然の感じる作りである事は間違いなかった。

「ねぇ、本当に来るかしら? あの子たち?」

 シーザーには強い確信と自信を持っている。

「大丈夫さ。自信はある。必ず来るよ」

 二人は身をひそめて隠れている。



 その頃、双子達は、ある場所に向かって早歩きのような歩き方で、急いで向かっていた。

 向かったのは自宅から数メートル離れた場所。

「本当にいるのかなぁ?」

「いるといいねぇ」

「ねー」

 双子は仲良く歩いて父がいる場所へ向かう。

「オッ! くるか」

 向かっている双子

 両親は中にあるテーブルの影に身をひそめて、扉を開かれるのを待つ。

 部屋に掛けられた鳩時計の秒針がゆっくりと動いていく。

 双子は、小さな手と小さな足を駆使して、梯子を上りあがることに成功した。

 扉の前でジョンとマークは、勢いよくドアを開ける。

 スローモーションとはこのことなのか……双子がドアを開けた瞬間、彼らにとって起きる物事が全て遅く感じた。

 テーブルの後ろから勢いよく両親が登場し、隠し持っていたパーティークラッカーの紐を引っ張る。

 大きな音を立てて、宙に紙吹雪と金と銀が混ざったテープが小さな双子を包み込んだ。

 彼らは全く状況が理解できず、目を丸くして立ち尽くしている。

 シーザーとエリーは双子に向けて、祝った。

「誕生日おめでとう!」

「誕生日?」

「日?」

 双子はまだ状況を飲み込めていないらしく、二人とも同じタイミングで首を傾げている。

「全くわかっている雰囲気ではないみたいね」

 エリーの毒が軽く入った言葉を浴びながら、シーザーは軽い笑いで場を乗り過ごそうとしていた。

「あ、あはははは~そうか~まだわからないよな。お前達は、実はな今日はお前たちの誕生日だ。おめでとう!!」

 マークとジョンは父の言葉を聞いて、喜んではいるものの、何とも言えない空気を感じた。

「パパ! あの暗号分かったんだよ! 僕たち二人で解いたんだよ!」 

 この双子が暗号を解いた事に、シーザー自身は、やはりと確信を得ているらしく、解き方について、小さな二人に訊いてみる。

「どうやって解いたのかパパに教えてくれ」

 マークとジョンはにっこりと笑顔で答える。

『いいよ!』

 マークは半ズボンのポケットに入れていた一枚の紙をテーブルに広げた。

 広げた紙には色んな文字や数字の羅列がいっぱい記載されている。

 ジョンとマークは指で示しながら解き方をシーザーとエリーに教えることにした。

「まずは、この《Wuhh Krxvh》を全部、大きくするんだ~」

 次にジョンが一冊の本を父に手渡す。

「で、大きくした《WUHH KRXVH》をパパがくれたヒントを使うんだ!」

「ヒントかい?」

「うん! まずはヒントの意味を捜してみたんだ」

「そう。ヒント①はシーザー暗号法の事なんだ!」

 ジョンは、本のページをめくって、シーザー暗号法のページを示す。

「シーザー暗号法はこの文字をずらしていく暗号の作り方なんだ~」

「ああ、知っているよ」

「それで、次はヒント②の三月三日だね。これは数の三であることを表していているんだ」

 マークはヒントを囲み矢印を鉛筆で描いて紙に示す。

「じゃあ、この三はどういう事なんだい?」

「これはヒント③につながっていくんだ。文字の中身をずらしていくんだ」

「だー」

 マークは続けて話していく。

「例えば、Aがあるでしょう? これを、三ずつらしていくんだ……」

 隣にいるジョンは小さな手で、暗号の解読方法を大人2人に見せるようにして記述していく。

「そうそう。で、このAを三つ、ずらしたらDになるでしょう?」

 ジョンは一枚の白い紙に記していく。それを見ながらマークは付け足した。

「だけど、今回のひねられていたんだ。ずらした後の文字を問題としてボクたちに解かせたんだ。つまり……」

「つまり?」

 マークは証明していく。

「つまり、この暗号は既にずらしたもの。パパはこの暗号を用いて、僕達に挑んだんだ!」

「そう。それで既にずらされた暗号を戻せばいいんだ~」

「パパはボクたちに行き先を示したんだ。この暗号でね」

 ジョンとマークは、それぞれで書き続けていき、暗号を解いて紙に示す。

「ヒントとこの法則を照らしていくと……」


《Wuhh Krxvs》


《WUHH KRXVH》




 《 W=T  U=R  H=E  H=E 》  

 

 《 K=H R=O X=U V=S H=E 》


「それを整理すると」


 《T R E E》


 《H O U S E》


「これを繋げて読んでいけば……」


 《TREE HOUSE》



 双子のアンサー。


『ツリーハウス』


「パパが僕たちに示した場所はツリーハウス。つまりここだったんだ」

 シーザーは彼らの推理力、解読能力に脱帽した。

「素晴らしい流石だ」

「ええ、本当に素晴らしいわ」

 両親2人はニコニコしていた。シーザーは双子に順番で暖かい左手で、頭を撫でていく。

 単純な暗号の解き方でも、彼らは一丸となって解決していき、見事に、父親が作り上げた暗号を解いたのだ。

 ジョンとマークは、頭をいつもより多く撫でられて、若干くすぐったそうにしている。

「パパ、くすぐったいよ~」

「たいよ~」

「ああ、ごめんごめん。さて、今日は誕生日だ。家族、皆でママの手作りケーキを食べよう!」

『やった!!』

 双子のシンクロした喜びが部屋に響きわたった……

***The Next is:『楽しい話』

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