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BRAVE HEARTS  作者: 刹那翼
9/11

決闘と規定 6/30

「結局、ほとんど何にもしなかったな……」

「なぁに、チームの仲が全てを決める、と思えばいいさ。何も気を落とす必要はない。

 さぁ、行こうぜ。新生ブレイヴ・ハーツ始動だ」

「「「おう!」」」

 冷姫の場をまとめる一声に、チームメイト全員が呼応する。そして、それぞれの持ち場に着く。

「位置について」

 そう言うのは、今回の審判の坂上だ。二年で、あまり有名じゃない人らしい。握手をした時に、名札で見て名前を覚えた程度だ。

「バトルスタート!」

 その坂上の合図と共に、俺は生徒番号をゆっくり、正しく打ち込む。そして、バーチャル空間に入る。

 既に準備が出来ていたのは、鳳一人。打ち込むスピードを考えると、冷姫が居ないのは、おかしい。

「あれ、冷姫は?」

「チームメイト一人が入ってから、一分まで入れるから、大丈夫よ」

 まだ後45秒ある。それぐらいなら、大丈夫か。

 ピガッという機械音が耳から聴こえる。これは、脳に直接特殊な電波を送り、通信として送っていて、現実世界にいるサポートメンバー(普通は整備士)と通信を取る時の合図だ。つまり、うちの整備士榊原からの連絡。連絡は決闘が完全に始まるまでは、何秒間でも使える。

『二人とも、よく聞いてくれ。冷姫は機械トラブルによって、そっちに行けない』

「そういう場合なら、決闘を延期出来るでしょ?」

 鳳が最もな投げかけをする。すると、諦めてサポートメンバーに入った冷姫から反応が起こる。

『ダメだ。六月は全部で何日だ』

 俺はハッとする。今日は6/30。

「つまり、延期したら、俺の退学が決定する……?」

『その通りだ。……生憎だが、二人で勝つしか、このチームの未来はない』

 冷姫の声が暗くなる。

『で、でも、取り敢えず、決闘規定第八条にある、『機械への何かの損傷、被害が発生した場合、決闘を延期または損傷が起こった人物の着用スキルの委託が可能』というルールに則して、大空に冷姫のものを全部アタッチメントしておいた。鳳さんには攻撃力アップとか無意味だからね』

 榊原の気の利いた言葉は、確かに朗報なのだが、人数の不利、俺のレベルは冷姫より大幅に劣るというハンデを負ったのだ。

 勝つ可能性は1%あるかないか、といったところだ。

『……ブレイヴ・ハーツ!それが俺達のチーム名だ!勇敢な心を捨てなければ、きっと勝機はある。諦めるな、行って来い!戦士達よ!』

 冷姫の時間ギリギリの、大きな声での激励。これで、冷姫と榊原と話せるのは、決闘中は一回一分程度で、三回まで。

 しかし、もう話す必要はない。彼の言葉だけで十分だった。

「鳳さん、勝とうぜ」

「勿論よ」

 そして、カウントダウンが0になり、決闘が始まる。



ーー今回の地形情報ーー

フィールド、発達都市

天候、晴れ

環境、通常

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