四話:やっといちにちおわった
「そういえば楓姉さんはいつ帰ってきたの? 帰ってくるとか聞かされてないんだけど」
冷めきった晩御飯――といっても楓姉さんが帰ってくる前に買ってきた某猫の肉を使っているとか噂されるハンバーガーショップのハンバーガーだ――を食べながら楓姉さんに気になったことを聞いてみた。
何気無く部屋に入ってきて、あんなことがあったから聞きそびれていた。大学生の姉さんは実家からは通うのに時間がかかりすぎるから、大学近くのアパートに住んでいる。そして、いつも帰ってくる時は事前に電話をしてくるのだが、今回はそれが来た覚えもない。桜にでも電話したのだろうか。 因みにさっきのことは明日の晩御飯で桜にも好きなものを作る+今度ラスクとクッキーを作る+一つだけ(叶えられる範疇で)桜の言うことを聞くでお咎め無しにしてもらった。
閑話休題
話を戻そう。楓姉さんは何故いきなり帰ってきたのか。先の質問に楓姉さんは、
「うん、その事なんだけどもう時間が時間だしお風呂入って――」
チラと時計を見たらもうすぐ十時だった。そうか、風呂に入ったら十一時を迎えるか、超えてしまう。そうか、今日はもう寝るのか。
「――ゲームをしよう!!」
ニッコリ笑って言う。
「イエーイ!」
桜も楓姉にのる。
「それじゃ先に入っていいぞ。俺は風呂出たら寝るし」
「えー、お兄ちゃん一緒にやろうよ」
「そうよ椿ちゃん、やりましょう」
「嫌だよ、桜も楓姉も廃人だし。負けるし。ゲーム機ラグあるし」
この姉妹はゲーマーよりも廃人がぴったりな程のゲーマーだ。二人とも顔は良いんだから、もうちょっとゲーム我慢したら彼氏の一人や二人位余裕でできると思うんだがなぁ。
「「え〜……」」
「落ち込んで見せてもやらないからな。ほら、とっとと風呂入れ。もう遅いから二人で入ってこい」
二人を風呂に追いやり、リビングで一息つく。緑茶か珈琲かで五分位悩み、結果緑茶にした。
ぼーっとしていたら、いつの間にか姉さんと桜が風呂から出てきていた。部屋を真っ暗にしてぼーっとしていたからか、電気をつけたとき、楓姉も桜もかなり驚いていた。てか大声を出されたから近所迷惑とか心配になったし、かなり五月蝿かった。
それからはコップを片付けて、風呂に入ってそそくさと二階に上がった。
「ふぅ……」
(今日は疲れた。)
ベッドに寝っ転がり、今日をざっくりと振り返ってみる。
「蓮の家行ってぇ、『Free Style Online』のソフト貰ってぇ、帰ってきたら桜に色々言われ……あ、そういやあの時桜なんか話あるみたいな事言ってたなー、姉さんの事だったのかなー。……まぁ、いーか。で寝てぇ、起きてぇ、楓姉さんに襲われかけてぇー、でー今に至る、と」
今日は色んなことがあったなー。今日を一言で言うとあれだな、うん。
きょうはほんとうにつかれました、マル。
数えてみたら、前々回の投稿から前回の投稿まで二十三日位空いていたのに皆様すぐに読んでくれた
皆様の更新察知スキルの高さに脱帽