宛名
デ「99です」
エ「何がですか?」
エレスナーグvision
『拝啓 お兄ちゃんへ
毎年毎年書く事が無くて困っていました。お兄ちゃんが死んでからもう10年です。伝えたい事は沢山あるのに言葉に出来ない、そんな気持ちです。お父さんとお母さんが死んじゃっても、必死に私とこの国を守ろうとしてたね。
なんで今更こんな事を書くのかってゆうとね、私に新しい世話係ができたの。その人はとっても強くて、かっこよくて、優しい人なんだ。バハムートを倒して国を、血をくれて私を守ってくれたんだよ。それと一緒に居てわかったんだけど、私はその人の事が大好きなの。私に好きな人ができてお兄ちゃんは喜ぶ?それとも怒る?
だからこそ、その人に秘密にしてる事があるんだ……。これを言ったら多分、その人は私を嫌いになっちゃうと思う……。こんな時、どうすればいいのかな?』
「なんて、返事が返ってくるわけでもないのにね……」
また書くことがなくなっちゃった
「ん、ん〜」
ずっと机とにらめっこしてたから身体が固まってる
カランカラン
「あっ……」
伸びた時に黒血刀が落ちた
ニンブルケティックの王族に代々伝わってきた刀。王族の象徴であり凄まじい力を秘めた刀
「って、お兄ちゃんが言ってたっけ……あっ」
そうだ、確か……
――
――
『お兄ちゃん』
『どうしたんだいエレス?』
『お兄ちゃんて、うそついたことある?』
『うん』
『じゃあ、うそをついてるときはどうすればいいの?』
『どうすればって……やっぱり正直に話す事なんだけど、それができないから嘘を着いてるわけだ。でも、俺だったら待つな』
『?』
『つまり、正直に話せないなら話せるまで待てばいいんだ。そしたらいつか話せるだろ?』
『わぁ〜、そっか!』
『話せれば、な……』
『お兄ちゃん?』
『いや、何でもないよ。それより、ソルに正直にお菓子食べたって言ってくれば?』
『そんなことしてないよ!』
『あれ?じゃあなんでそんなこと聞いたの?』
『えへへ、ナイショ』
――
――
「……お兄ちゃん」
ありがとう。ちゃんと返事くれたね
「うん、私の準備ができるまでもう少し待ってみよ」
でも、なんでそんな事お兄ちゃんに聞いたんだっけ?
嘘……相手……
「思い出した!」
その日に一日だけ新しい世話係の人が来たんだ。それで嘘を着いたって言って……あ、あれ?記憶がこんがらがってる?
――
――
『また会おうね』
――
――
う〜ん、顔とか全然思い出せない……。でも、あの人にもらった短剣はちゃんととってある
「……っと、早く手紙書いちゃお」
『ありがとうお兄ちゃん。お兄ちゃんのおかげでどうすればいいかわかったよ。もう少しだけ待ってみるよ。ちゃんと気持ちが伝えられるまで。
それじゃあね エレスナーグより』
デ「さぁーて、突然ながらカウントダウンを始めます!」
ゼ「ホントに突然だな……」
エ「何だろうね」
デ「1……」
ゼ「……は?」
エ「い、1?」
デ「この話は99話なのですよ。つまり、次はめでたく100話という事です!」
ゼ・エ『……』
デ「あ、あれ?あまり喜びがないんですけど?」
エ「だって、50話までは毎日更新してましたから同じペースで更新してればもうとっくに100話なんて言ってるはずですよ?」
デ「ぐはっ!」
ゼ「もう片方の更新も止まってるしな」
デ「げほっ!ま、まあとにかく!次回で100話ということなのでいつもと雰囲気を変えてみます!」
ゼ「はたしてどうなるやら……」