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浄化

ソ「?ゼレカさんの叫び声が聴こえたような……」

ゼレカVision



「これは……魔物か?」


なんとか昨日を乗り切った。やったよ、乗り切れたよ。正直もうクタクタなのである、まだ腕治ってない


まあ、そんなことも言ってられないわけだ。なんかやたら大きな魔力だし。とは言っても、普段俺の周りにいるやつらよりは小さいな


「ちょっといい?」


「メフィスト?珍しいな、ひとりなんて」


「だってさ、アラクネは勇者が攻めて来たからって戦ってるし、あいつはアスタノトとどっか消えたの。エレスナーグも忙しいみたいだからあんたしかいないってことよ」


「苦労してるな……それで?」


「ああそうそう、どうも魔物の群れが暴れ出してるみたいなのよ」


「なるほど、それをどうかするのに手が欲しいと」


「そうゆうこと」


「その前に、手を治してもらっていいか?」


「手?そういえば包帯巻いてるわね」


両手を俺の右手の上に重ねる


なんだか癒される……


「はい、治ったわよ」


「ありがとな、場所は?」


「私のとこ」


「えーっと……ゲノムルーツの……あった」


魔力の基を辿って目処を付ける


ゲノムルーツか……メフィストの魔界だよな


「よし、じゃあ跳ぶぞ」


「ええ」


――


テレポートで跳んだ先には魔物の大群が待ち構えてた


「うわぉ、結構いるな」


「大体五、六百ってとこね」


こんだけ居ると正直面倒だ、ん?


「誰かいるぞ」


「あ!全く、勝手に出撃して……」


「そっち優先でいいぞ」


空間から剣を取り出す。一応片手は使えるように一本だけ


「じゃあ頼んだわ。回復と指示だけ終わったら手伝うから、それまで死ぬんじゃないわよ」


「ああ」


メフィストが自分の国の兵の回復に行った


さてと……


俺に一番近い小鬼……ゴブリンに近付き斬り上げる


「ふうっ!」


斬り伏せたゴブリンに手を翳し魔力で消滅させる


「浄化成功」


久しぶりに浄化をしたけど、勘は鈍ってないみたいだな


「おっと」


後ろから煙りが刺してきた。煙りのようだけどポルターガイストだ


「こういう幽体相手は苦手なんだよな……」


斬りかかっても通り抜けるだけだ


「巻き起これ氷嵐よ。安らかな眠りを愚かなるもの達に与えろ。『ダイヤモンドダストハリケーン』!」


周囲のポルターガイスト達と何匹かのゴブリンを巻き込んで竜巻が起こる。竜巻の中にある氷の粒と相まって、次々に斬り裂いていく

「やっぱ加減が難しいな」


魔力で魔物を消せばいいわけだから、魔術で消しても浄化はできる。だけど、力加減が難しいという難点がする


「流れ込め、『マグマモーメント』!」


炎を流してゴブリンの群れを一掃する


やっぱ短縮詠唱にすると加減とか考えなくて済むな。詠唱破棄だと逆に加減が出来なくなって浄化に失敗する


「ケケケケ!!」


「ん?」


マリオネットか。多分この群れの親玉だろ


目前まで迫って来てる雷をぼけーっと見ながらそんな事を考えてる


「『ブリーズウォール』」


メフィストの風が雷の通り道を防ぐ


「ありがとなメフィスト」


「ぼけっとしてると死ぬわよ」


「いやあ、この群れがどんだけ強いかと思ってな。わざと喰らってみようかと……」


言い終える前に俺とメフィストの背後のマリオネットを斬り崩す


「っと、自分の後ろにも気を配れよ。俺はぼっとしてるようでも意外に気を付けてるからな」


話しながらも向かってくるゴブリン共を浄化していく


「改めて見てると、あんたも大概化物クラスよね」


「まあ魔神ではあるけど」


魔神っていったらラスボス並の強さだろ。でも何かのゲームでは魔王のが強かったな……じゃあ俺のが弱いんじゃね?


「どうしたの?」


「……もしかしたら俺ってそんな強くないかもしれない」


「何言ってんのよ」


いいんだけどさ。えーっと、残りは……ゴブリン数匹にポルターガイストが十数匹、マリオネットがニ体か。だったら一気に蹴散らす!


「メフィスト、少し離れ……」


「慈愛秘めたる風刃。後片すら残さず、我等に仇成す彼等を討て」


「えっ、ちょっ…」


「『風刃暴風雨』!」


メフィストを中心にとてつもない速さの風が巻き起こる。竜巻でも嵐でもない、『風』が。つーか痛い……


「………ト……こ…速……」


「え、何?」


「これ……や過……」


風のスピードで声が届いてない


「聞こえない」


「だから、これが速過ぎて痛い!」


「あー、その事」


あまりの速さに声が掻き消される


「だったら尚更危ないわよ、そこ」


「そこ?」


俺の足元を指差すメフィスト。それにつられ足元を確認…


「だぁーっ!?」


…しようとした矢先に巨大な岩石が落ちてきた


ドシンッ


「ありゃりゃ……生きてるー?」


ガツンッ


「俺じゃなきゃ死んでたぞ!?」


結構ギリギリで防御魔術を展開させた。また腕がへし折れるのはごめんだぞ!


「ごめんごめんっ、あんたなら耐えられるってわかってたからつい本気でやっちゃった」


まあ、普段は回復に専念してるもんな。たまにはこうやって暴れたいか


「実際耐えられるわけだしいいけどさ」


「そういえばゼレカ。あんたなんだか変な風に魔物倒してたわね」


「ん?ああ、『浄化』の事か」


「えっ、まさか毎回浄化してるの!?」


「そうだけど?」


「嘘……だって浄化なんて滅多に成功するもんじゃないわよ」


「エレスの頼みだから面倒でもやってるだけさ」


「エレスナーグの?」


「ああ。そうだな……確かあれは、バハムートを倒してちょっと後の事だっけな」


―――

――


『ねえゼレカ』


『ん』


『魔物を倒す時にお願いがあるの』


『お願い?』


『魔物をあんまりころさないでほしいの』


『えーっと、戦うなってこと?』


『ううん、魔力で止めをさして身体をバラバラにすればいいよ』


『…………つまり殺るなら全力で殺れってことか』


『そうじゃなくて、いくら魔物でも可哀相でしょ?だから一時的に動かなくするだけ』


『そうか……魔力で身体をバラバラにして時間を置いてまた構成するってことか』


『うん!私達はそれを浄化って言うんだ』


『ふっ、俺の主は優しいんだな』


『ふふっ』


――

―――


「ということだ」


「へぇ……そんな命令を出すエレスナーグもエレスナーグだけど、それをきちんとこなすあんたもあんたよね」


「姫の言う事は絶対だからな」


「あははっ、あんた達二人ともらしいっちゃらしいけどね」


「ふっ、そうだな」


互いに笑いながら軽口をたたき合い、メフィストの兵のとこまで向かう


「んじゃ、送ってくれてありがと」


「ああ。じゃあ俺は戻るわ」


「じゃあね」


「はいよ」

アラ「大漁大漁♪」


ベ「……どうしたんだ、その袋の山は?」


アラ「人間界でお買い物してたらこんなに買っちゃったのよ〜」


ベ「……そんなに買うものなんてあるのか」


アラ「沢山あるのよ。例えば、このデザインのマフラーを色違いで買ってみたり、この手袋をお揃いで買ったりとか。ベルゼブ、ちょっとこの手袋嵌めてみない?」


ベ「……ペアルックとか恥ずかしいだろ/// それにそうゆうのは隊長にやらせるもんだぞ」


アラ「あら、私は貴方の事もゼレカと同じくらい好きよ?」


ベ「……/// はぁ、どうして俺の周りの女はこう羞恥心がないのだろう///」

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