骨折
デ「骨折って痛いよな……」
ゼ「久しぶりに出て来てなんだ突然」
ゼレカVision
「うわぉ……何これ?」
「殲滅防衛機械人形だね」
でっか……ニブル城の半分はあるぞ
「これを倒せと?」
「そうだね」
「ははは……」
腰にささってる煉帝剣を構える
「じゃ、始めますか」
一気に跳躍して腕に着地する
俺に気付いてないのか……
「デカイってのも案外不便だな」
腕に煉帝剣を突き刺す
『ゴゴゴ!?』
稼動音(?)が響く
さすがに突き刺しただけじゃ壊せないか
「おっと危ね」
もう片方の手で潰しにきたか……賢明な判断だ
腕から飛び降りて回避する。勿論、奴は自分の腕を殴って止まる
「結構手強いね」
「ああ。だけど、たいしたことないぜ」
素早く片脚に近寄り、切断する
「今度のは魔力を吸わせたからな。さっきのようにはいかないぞ」
『ゴゴゴォォォ!?カシャン』
あれだけの巨体だ。支えを失えばたやすく崩れ落ちる
辺りに地響きがする
「わぁっ、びっくりした」
「エレス、防御は頼んだよ」
「うん。全てを包み込む闇の力、在るべきところに在るものを正し、理を示せ。『リフレクトシールド』!」
エレスの前に壁が現れる
よし、これなら遠慮はいらないな
「いくぜ、《全てを包む闇よ、炎の如く侵略し如何なる敵をも焼き尽くせ》、魔力解放64%。『常闇の炎』!!」
闇と炎が混ざった黒い炎が、ゴーレムを飲み込む。
完全に残骸まで消すことは出来ないにしても、もう動いてはいないだろ
「今の、私が教えてあげた魔法だよね?」
「そうだよ。『冥界の揺り篭』と『暗黒の楽園』の基になった、君が初めて教えてくれた魔術」
「そうだったの!?てっきりゼレカが考えたんだと思ってたよ」
炎が消え始めてきたからふたりで残骸を漁る
「何を持って行けばいいんだっけ?」
「適当でいいよ」
「適当って……じゃあこんなもんか」
本当に適当なものを鞄にしまう
「しかしまあ、とんでもない量だよな」
脚の部分と思われる残骸を調べる
「そうだよね……後で片付けなきゃ」
小さなため息が聴こえてきた
「エレス」
「なに…んぐっ!?」
振り向く位置を予想してキスをする
「大胆なキスをどうも♪」
ちょっとからかってみる
これで元気になるだろ
「ゼレカ!」
「ははは」
「ていっ!」
エレスが近くにあった残骸を投げてくる
「当たらな…」
ミシッ
「え?」
ガラガラガッシャーン!
「ぐぁーーー!?」
突然脚の残骸が倒れてきた
「あ……」
―――
――
「ご、ごめんね、ゼレカ」
「い、いや、元は俺のせいだから自業自得だよ」
いやぁ……びっくりした。なんとかニブル城までは帰ってこれたけど、両腕がポッキリと折れちまった。両腕が使えないと、必然的に魔術も使えない。ということは回復も出来ない
「腕がぷらーんとなってるよ」
「骨が機能してないからね。見てると気持ち悪い」
骨折なんて生きてる時もしてないっけ……これが初体験だ。嫌な初体験だよな……
「偶然ソルは治療出来る人達つれて手伝いに行ってるし、メフィストは仕事が忙しくてこれないし……」
「図ったかのようだぜ」
「ホント、困ったよね」
さて、どうしたもんか……
ゼレカとエレスが出かけた直後の二人
ソ「皆さん、今日は『何故か』お手伝いに行かなきゃいけない気がするので、ケルムノイドまでお手伝いに行きますよ」
『はい!!』
メ「えっ!?何で今日に限ってこんな仕事多いのよ!」