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欲求

ゼ「適度に発散しないとな」

ゼレカvision




…………ん?俺、どうしたんだ?えーっと……エレスと空中散歩に行って……帰って来てから血を求められて……あれ?そっから記憶が曖昧になってるな


昨夜の事を思い出して一つの結果にたどり着いた


「目開ければいいだけじゃないか……」


………


「エ〜レス、寝るんなら自分の部屋でね」


目の前でベッドに寝ている少女を軽く揺する


何で床で寝てるんだ?あー……そうだよ。確か、血を飲ませてる最中に突然睡魔が襲ってきてそのままブラックアウトしたんだ。……ん?


エレスを揺すってたら、俺が揺すられてその場に横たわった


「……ふわぁ〜ぁ。おはよう、ゼレ…あれ?ゼレカ?」


「ああ、おはよう」


この体制だと全く姿が見えないんだけどね


「何してるの?」


「いやー、それが俺にもよく分からないんだ」


身体が動かない……というより、身体に力が入らない。どっちも似たようなもんだが、そっちが正解


「大丈夫?なんだか顔色も悪いし」


「顔色?どんな感じの色になってる?」


「ん〜と、青紫かな」


青紫……か。体温か血行だな。体温は別に寒気も感じない。つーと血行か……血行……血……


「……エレス、昨夜の事覚えてる?」


「一緒に散歩した事?」


「その後」


「ん〜と、ゼレカに血をもらった」


「そう、それ。……どれぐらい吸った?」


「…………えへっ、覚えてない」


無邪気な笑顔を俺に向けてくる


………今更ながらかわいいな


「じゃあわかった。貧血だ」


「あはは……ごめんね」


「ああいや、理由が知りたかっただけだから」


「そっか」


「うん。だけど貧血状態を更に悪化させるのは流石にやばいから」


何事もなかったかのように血を吸おうとする


「え、ああ……そういえばそろそろ満月だったね」


「満月?何かあったっけ?」


「………聞きたい?///」

ほんのりと赤みを帯びた顔で聞いてくる


あー………大方の予想は着いた


「や、い…」


「欲求がふくれあがるんだ///」


今俺の返事を聞かなかったよね?予想には反してたけど


「欲求か……『吸血悪魔』の欲求って、やっぱり血を吸う事か」


「あ、べつに血を飲む事じゃなくてもいいんだよ」


「例えば?」


「私が私を伝える事とか」


エレスがエレスを伝える?どう言った……


「って、性欲だろ」


「えへへ///ばれた?」


また顔が赤くなってる


「恥ずかしいなら言わなけりゃいいのに」


「少しでもゼレカが慌てる顔が見たいから言ってるの」


「はぁ……流石S。弄りたいと常日頃から考えてるわけか」


ちょっと意地悪く返してみる


さて、反応は?


「うん!そういうわけだから弄られて!」


「洒落になってない状況なんですけど……」


ちょっとだけ意地悪したのを後悔する


「あ〜んっ」


「っ!!?い、いきなり首にくるか?」


ジュル……ジュル……と俺の部屋に響く音を聞きながら思う


俺死ぬんじゃね?これ以上吸われたら致死量……は越えても問題ないけど、枯渇する


「エ、エレス、流石にこれ以上はヤバイって。あ、ふらついてきた……」


「もう倒れてるから大丈夫だよ♪んっ……ジュル…クチャ……ズルッ……」


「いや、目の前が、暗く……」


コンコン カチャッ


「ゼレカさん、朝ですよ♪」


ノックの返事も聞かずにクレアが入って来た


ナイス、クレア!


「……あ。お邪魔でしたね、ごゆっくりどうぞ!」


パタン


「ゼレカさんてば、朝から姫様をそういう事を……はぁぁ!」


「おい待て!妄想も大概で止めとけよ!?クレア!?」


最悪な場面に最悪な人物だ……


「はぁ……ゼレカ、ゼレカ……」


「エレス?」


欲求か……なら


「ひぁっ!?」


ペロ


先程からちらっと見えてた鎖骨に舌這わせる


「はぁ……んっ!!」


優しく、ゆっくり味わうように動きを変える


「ふっ……やぁっ…」


「やだ?やめた方がいい?」


身体も回復して徐々に動けるようになってきた。なので再び意地悪心が芽生える


「やめちゃ……やだ」


赤くなった頬に潤んだ瞳で懇願するように、だけど弱々しく応えてくる


「じゃあ君の欲求を鎮めるついでに、俺も楽しむね」

エレスの背中に手を回して倒れないように支える。鎖骨から舌を離す


「ふぇ?」


「愛してる、なんて今更言う必要はないよな」


言うことだけ言ってお互いの舌を絡める


「ズリュ………はっ……」


「んっ………あ……」


欲求が溜まってんならその欲求を満たしてやればいい、それが俺の結論だ。俺の方も随分不満だったし、ちょうどいいや


それから何分……いや何十秒だろう、ずっとお互いを貪っていた


「…はぁ、気分はどう?」


「…ぷはぁ、んっ、満たされたよ///」


酸欠なのか恥ずかしさからなのかわからんが、さっきよりも顔が真っ赤になってる。多分俺もだろう


「ごめんね、あんなに血、飲んじゃって」


「満月の影響でしょ?しょうがないよ。それにしてもよく酔わなかったね」


「欲求が満たされてないと酔わなくなるんだ」


欲求……


「多分、エレスの欲求って吸血よりも性欲の方が強かったんじゃない?ここのところキスもろくにしてなかったから」


「…………そっか。うん、そうだよ!だから身体が疼いてたんだ」


「まぁ、今はこのくらいな。朝からヤるとマズイ」


「む〜、あんなに鎖骨に目がいってたのに……」


「あはは、ナンノコトダロー?」


「目が泳いでるよ」


………うん、俺の欲求があったってのも否定できない


「ま、何はともあれ落ち着いたならいいさ。着替えて朝食でも摂ろうよ」


「しかたないからそういう事にしておくよ。でも、夜になったらちゃんと相手してね」


ちょ、いきなり抱き着いて上目遣いでそんな事言うのは反則だって


「夜になったらな」


平静を装い応える



この後朝食を摂りに行く途中クレアの妄想話を聞いたであろうソルにタップリ尋問なんて思ってもいなかった俺だった……

デ「さてとゼレカ君よ。自己(?)紹介も終わってしまったわけだ」


ゼ「あー、そうだったな。で、次は何やんだ?」


デ「とりあえず今回は挨拶で。キリもいいし。では、今年も終わりが近づき来年がすぐそこまで来てますね。今回が今年最後の更新となりますが、来年もどうぞよろしくお願いします」


ゼ「良いお年を」

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