gea of destiny 過去の虚像と天使の少女
デ「久しぶりの更新で、多少雰囲気が違ってるかもです」
…………
…………
…………
なぁ、カナ。どうして名前……って言っても漢字だけだけど変えたんだ?
んー、気分の問題?
気分って……
やぁ、本当の理由は別にあるんだけどね
どんな……って聞くのは野暮だから聞かないけど、なんかヤバイ事にでも関わったのか?
事件絡みじゃないから安心して。ホントにちょっとしたことだから
そうか。それなら安心だ
そういうレイだって全面的に名前変えたじゃん
全面的の使い方間違ってる。……まぁ、『霊花』から『零花』になったわけだけど
パッと見ると変わってないように見える
そもそも男にレイカはないだろ。普通女の名前だし
そう?私は好きだけど
俺もお前の名前は『華娜衣』より『叶』の方が好きさ
ふふふ。じゃあこれからは二人きりのときだけこの名前で呼ぼう?
ああ、そうだな
レイ……
カナ……
……………
……………
……………
「………夢……か」
……随分懐かしい夢だったな
あれは今から……どのくらい前だっけな
少なくとも、まだレイって呼ばれてたから英司達に会う以前か……
「………そういえば俺はどうしたんだっけ?」
「お目覚めになりましたようで」
声は(ここが俺の割り当てられた部屋なら)扉のほうから聞こえてきた
「あ、ああ。えっと、ソルーティアさんでしたっけ」
「はい。名前を覚えていただい光栄です。それと、ソルーティアで構わないですよ」
「そうですか。それで俺はどうなったのですか?」
「覚えておられないのも無理ないと思います。昨日姫様と戻って来た際に突然倒れられたので」
「あははは……」
……ぶっ倒れたのか。やっぱ魔力を考えなしに使うとそうなるのか
「なので今日は一日自由に過ごして回復に当てるようにと」
「わかりました。それじゃあ今日はゆっくりと過ごさせてもらいますね」
「それでは………あっ、もう一つ言い忘れました」
「はい?」
「そんなにかしこまらないで、くだけた話し方でいいですよ」
パタン
言うことを伝えてでていってしまった
「んー、何するかな……」
今日一日ってことは俺の体感時間で約四日ってことだろ。とりあえずはもっと魔術の訓練をしてすぐばてないように、後は……
「大天使の情報でも集めるか……」
知ってる奴がいればだけど……
空間をイメージして足に魔力を込める。行き先は昨日みた山
そのまま跳躍する
――
「よっ、と」
……成功みたいだな
俗にいうテレポートやワープってやつか
「……ふぅ」
先ずは魔術の方から克服しないとな
……そういえば克服するって言ったけど魔術を使いまくってればいいのか?まぁ、それでいいだろ
「よっ」
詠唱破棄というものを使って、炎を槍状に形成した
「おおっ、できた。すごい中二っぽかったけどできるもんなんだ」
この原理を使えば属性の付いてない武器を即座に属性付きにできる
「ウォーーン!!」
「ん?」
上の崖からだ
「ちょっと行ってみるか……」
崖って程でもないか
「よっと」
崖をよじ登ったら、そこには馬程の大きさの狼らしき生物が一、二……六匹いる。どう考えてもさっきの叫び声の元だろう
そんな事より気になるのは…
「『あの娘』を追ってるのか」
狼らしき生物(以下狼)が集団で追っかけてるのは確実だろう。ちょうど魔力の扱い方を練習するところだったし、
「倒しちまってもいいよな」
剣を取り出し狼の群れの前へ飛び出す
「頭上にご注意、無駄に終わる。『ライトニングデッカー』」
狼が密集しているど真ん中に雷を落とす
『ギャウゥゥウ!?』
「ちっ、一匹しか仕留められなかったか」
剣を上段に構えて次の術に入る
『ギュアァァ!!』
カキンッ!
構えた剣で狼の爪を受け止める
「伝導しろ、炎。『トーテムインフェルノ』」
受け止めた剣から炎を伝わらせて対峙していた狼を焼き尽くす
『……ァ』
断末魔すらあげず黒焦げになる
「あと四匹」
一番近くにいた狼の下に滑り込み、思いっ切り切断する
『グルルル!?』
『ギャァア!』
大量の黒い液体をぶちまけながら、次の狼を仕留める詠唱にはいる
「斬り刻め。跡形も残さずに。『ストームカッター』」
俺を中心に暴風を起こさせ、三匹まとめて刻む
「ラスト一匹……っ!?」
やっば……残りの奴が女の子の方に向かってる。短剣を三本出して闇を込めてぶん投げる
「間に合え!」
一番殺傷能力の高い闇を限界まで込めた短剣だけど、不安が残る……
「ちっ!」
そう思った時には飛び出していた。無意識に速さまで加速させて
「……全く、何やってんだ、俺は」
剣を構える
「はぁぁあっ!」
ザシュッ
瞬時に近寄って後ろ右足をぶった斬る。そのまま体勢をくずした狼の爪を剣で受け止める
パリッ
「おっと……!?」
剣が耐え切れず真っ二つに折れた……けど、
「後ろががら空き、残念だったな」
さっき投げた短剣が狼に刺さった
『ギャオォォオ!!』
断末魔をあげて倒れる。……結構危なかった
「ふぅ……、大丈夫?怪我はなかっ……!?」
「助けてくれてありがとう。さっきの魔物に追われていたんだ」
……振り返って女の子の方を向いた。まだあどけなさの残る顔に相応の背丈、深紅の髪を無造作に、だけれどだらしなさはなく神々しく降ろしている。その髪よりも深い紅の瞳
そして………その背中から生える、真っ白な一対の『翼』……
「……君、名前は?」
どう考えてもこの娘は天使ないし大天使だ。一番手っ取り早いのは無理矢理『あいつら』の居場所を聞きだしそこに行って殺すことだ
でも、それじゃあ『あいつら』とやってる事は変わらない
だから……
「私?私はヴォルケノ。みてのとおり天使だよ」
「俺はゼレカ。一応人間だ」
「人間?悪魔じゃないの」
「いろいろ込み入った事情があるけど、人間だ」
「ふ〜ん」
……だから
「この辺は危ないから、早く帰った方がいいよ」
「うん、わかった。またね、ゼレカ」
「ああ」
……俺なりのやり方で復讐する
そう心の中で呟く前に彼女は霞のように消えた
デ「ネタバレしない程度に、伏線を説明しよう」
ゼ「ああ、アウト」
デ「なんでだ?」
ゼ「伏線の説明=ネタバレになるからだ」
デ「今の発言がどう影響するか、期待が膨らむな。あっ、そういえばゲストで『今の』ヴォルケノさんを招いているから」
ゼ「……は?」
ヴ「どーも、こんにちは。天使のヴォルケノです」
ゼ「……おいディン、お前は何がしたいんだ?」
デ「だって、シリアス続きなんだから後書きぐらいギャグでいこうや」
ヴ「あの〜?」
ゼ「ヴォルケノ、こいつは無視していいからな」
ヴ「そうなの?」
デ「おいおい、何いってんだ。そもそもせっかくお呼びしたんだから伏線の説明を…」
ゼ「ヴォル、こいつ燃やしていいぞ」
ヴ「は〜い♪」
デ「何物騒な事言って、熱っ!?」