表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/136

gea of destiny 黒い血の刀

このままいくと後三、四話ぐらいで《運命の歯車》が終わり、それから二、三話(気分で増えますが)で日常にもどります

「………くっ!」


思ったより早いな……


風の魔術でも使ってんか?


「エレスナーグ、この先に何があるんだ?」


「闘技場。そこに……」


「?」


「………っ」


「エレ…」


「ウォォォォア!!」


「!?」


「何だ、今の!?」


「まずいっ……」


ガチャン!!


闘技場の扉を蹴り開ける


「こっち!」


「ああ!」


階段を駆け上がり観客席についた


「くっ!」


「……」


……酷い有様だ


観客席から下を見るとそこら中に猫の様な薄赤色の『何か』が転がっていた。それには所々鎧の様な物や青い布がついている


「まさか………」


「ええ、これみんな此処の兵士よ」


やっぱり……だけど血が壁や床にすら付着していないっていうのはどういうことだ?悪魔の血液は一部のやつを除いては黒いって言ってたから、あの赤色は血液ではないはず


「………この感じ」


「これって……」


………確か、空撃部隊の隊長とか言ってた奴の魔力


「アハハハ!!コレデオレハサイキョウダ!!」


「あれは!!?」


「どうしたんだ?」


「あいつの持ってる『刀』……」


「『刀』?」


この世界にも刀があるんだな


「あれはこの国の王に代々受け継がれてきた『黒血刀』」


「ヒャッヒャヒャヒャ!」


「その刀はとてつもない力を秘めているけど、資格が無いものや赤血じゃないものが手にすると刀に自我を支配されてしまうの」


「なるほど、だからこの国の王に代々受け継がれてきたわけか」


「こうなると破壊衝動のむくままに破壊を繰り返すわ。だから、その前に刀と本体を引き離す」


「わかった。なら、俺がやるよ」


さっき造った剣を構える


「刀を離せばいいんだろ?」


「ええ」


「じゃあ、此処で見てて。よっと」


観客席から飛び降りる


「ハハハハ、オマエモシヌカ?」


「悪いが一度死んだ身なんでね、また死ぬわけにはいかないんだ」


次元から短剣を一本取り出し、詠唱にはいる


「顕れろ焔。『ファイヤーボール』」


小さな火の玉をマローネに放つ


「ナンダ?コレ」


すると、刀を振り上げてその風圧で火の玉を掻き消した


「………顕れろ焔。『ファイヤーボール』」


もう一度火の玉をつくり、放つ


「ナンドヤッテモオンナジダ!」


再び刀を振り上げて火を消しにかかった


「引っ掛かったな」


「ナニ?」


火の玉の中から、さっき俺がだした短剣が出てきた


「アタラナイ」


「どうかな?」


風の魔術をつかい後ろに周りこんだ


そのまま剣で刀を持っている左手を斬る……が


「ヒッカカッタノハドッチダ?」グニュ


まるでスライムを斬った感触だ。つまり、手応えが無かった


「偽物!?」


「ゼレカ、後ろ!」


後ろを振り向くと刀を振り上げマローネがいた。


「オソイ」


即座に反応してスライムの様な偽物を払い、下から斬り上げた


「ふっ」


振り下ろされた刀が弾かれる


「セーフっと」


さっき火の玉と一緒に投げた短剣が当たって、弾いた


その短剣に風の魔力を流し込む


「チィッ!アアアアア!」


一気に間合いを詰めて斬り掛かってくる


それをかわしながら新しい短剣を三本取り出し、それぞれ火・水・土の魔力を流す


「これで準備完了」


四本の短剣を空目掛けて投げる


「そぉらよっ!」


振り下ろされる刀を下から力一杯斬り上げる


「クッ、ウォォォォア!!」


「なんだ?」


……確かさっきの爆発の時の掛け声


「キエローーー!!『ダークネスミスト』!!」


辺りから黒い霧が立ち込める


「これは………そうか!伏せろ、エレスナーグ!」


「う、うん」


「キェェェエ!!」


次の瞬間、さっきと同じ爆発が起こった


「ハハハハ!シンダカ」


「誰がだ?」


「ナ、ナゼダ!?」


空中から短剣を構えてマローネを見下ろす


「風の魔力をつかって跳躍していたのさ」


あいつは無事みたいだな……


「我、元素の加護を受け、世界の理を使役する。破壊と創造を行使し、守護する力を欲する」四本の短剣を、マローネを囲むように投げる


「ナラバモウイチド…」


「遅い。『アブソリュートエレメンタル』!!」


短剣からそれぞれの魔力を解き放ち包囲する


「自分のしたことを悔いろ」


そして、火に焼かれ岩に刺さり風に刻まれ水に流された


「ギィヤァァァア!!」


カランカラン


完全に刀と本体に分かれた


「やれやれ、結構魔力消費したな」


足元に落ちた刀を拾う


「ゼレカ!?それに触ったら貴方も…」


「ん?やばかった?」


「え………?」


赤血なら大丈夫って言ってたから試しに持ってみたけど、ホントに強い力を感じる


もしかしてこれがあれば……


「おっと、何考えてんだ俺は」


さっさと観客席に戻らなきゃな


近くの扉から出て階段で上に上がる


「ゼレカ、大丈夫?」


階段の途中でエレスナーグが心配そうに言う


「大丈夫大丈夫、はいっ」


黒血刀を渡す


これでとりあえずは安心だな


「ありがとう」


「あいつ、どうするんだ?」


「後で話しを聞いておくけど、今は動けないだろうからこのまま」


「わかった。それなら城に戻った方がいいんじゃないか?」


「そうね、貴方も疲れただろうからゆっくり休んで」


「そうさせてもらう」


さっきの魔術で魔力つかいすぎた……


「それじゃあ戻るわよ」


「ああ」

ゼ「………」


エ「どうしたのゼレカ?」


ゼ「そういえばこの頃のエレスはあんまり俺を名前で呼ばないと思って」


エ「そう?」


ゼ「今はほとんど名前だけど、この頃は『貴方』とか『ねぇ』とかで呼んでたまに名前を言ってくれるじゃん」


エ「それを言うならゼレカだって、『エレスナーグ』とか『お姫様』あっ、それは今でも呼んでるっけ。とにかく、エレスとは呼んでなかったよ?」


ゼ「ふっ、それもそうだね」


エ「ゼレカ」


ゼ「エレス」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ