表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/136

gea of destiny 新たな決意

前話のゼレカとギャップがありますが、まだ夢から覚めてません

俺は今湖にいる


城から少し、いや結構離れた赤く濁った湖だ


「……ぐぇ」


みているだけで気持ち悪くなりそうな色だったので、早いところ用事を済ませる


まず適当な石ころを投げ入れ水面下に振動を伝わらせる。その後革袋(異空間から取り出した)の中から何かの生肉を沈める


「……気付いたか」


その直後湖の中に黒い影が現れる


その影は徐々に大きくなり、そして水面から出て来た

「ぎゃ……」


「悪いな、説明するのが面倒なんだ」


水面から出て来た青い魚の様な生き物を槍で仕留める


魚は優に20メートルを越えるぐらいの大きさだったが、魚の急所であるエラ(?)に相当する部分を狙ったから大きさ関係無く、一たまりもないだろう


「さてと……」


魚を地面に引っ張り出して口の中に入る


………真っ暗だ。わかってはいたけど


そのまま勘で進んで肝(?)に到着した


途中槍で無理矢理道を作ったが、気にする程でもないだろ


左手で持っていたペンライトを着けて周りを確認する


「これが『秘薬のエリクハート』か」


ただの肝にしか見えないけど……


早速その肝を無傷のまま取り出す。一応ダミーと変えながら


この肝が無くてもこいつは死なないらしい。だからダミーとすり替えて、治療してやれば元通りってわけだ


「……にしても肝のダミーの色がなぜに真っ青?」


普通肝って言ったらピンクっぽいイメージだけどなぁ……


なんてことを思いつつ『秘薬の肝』を丁寧に紙(もちろん頑丈なように造って)で包んで異空間ボックスに入れる


「さぁ、戻るか」


来た道を引き返して外に出る


………息が苦しい


どうやら治療する前に目を覚ましたらしく再び水中に戻ったようだ


随分タフなんだな


「て、感心してる場合じゃねぇ」


急いで地上に戻る。が、


「あれ?息出来てる?」


水中なのに普通に喋れるし苦しくもない


ま、いっか。分からない事があればまた聞いてみよう


「ふぅー、結構深く潜ってやがったな」」


水面から上がり服を乾かす。その間に魚もどきの体内で見つけた物を見ている


「……よくわからん。という事で全て土産にして渡すか」


革袋を取り出してその中に……


「……随分と肉が余ってるな」


確かこの生肉は持ち帰ってこなくていいって言ってたな


「という訳で残りはこの湖に投げ入れていくか」


余っていた全ての生肉を放り込む


「じゃ、帰りましょうか…」


「ギュルルルル」


「ん?」


何かの鳴き声が背後から聞こえてきた


「あれ?まさか怒ってる?」


『いえ、怒っていませんよ』


…………はい?


「もしかして言葉通じてる?」


『もちろん』


………うん、まあ生き返っり異世界に来たり魔法が使えたりしてるわけだから、今更誰と言葉が通じようが驚かないさ


「えーっと、怒ってないなら何用で?」


『お礼に参りました』


「お礼?」


『貴方のおかげで仲間の『秘薬の肝』が摘出された事と食糧を与えてもらった事にです』


まさか肝を摘出して感謝されるとは思ってもいなかった


『一般に『秘薬の肝』と呼ばれる物は、私達の身体に良い影響を与えません。ですので、私達の群れにいる肝を持つ仲間の肝を摘出してもらい、本当に助かりました』


「そうなのか」


『ええ。それも命を奪うわけでもなく肝のみを摘出するなんて、普通の悪魔では考えられない行動です』


だって俺人間だもん。悪魔では無いから


「別にいいってことさ。じゃあ、俺は帰るんで」


『わかりました。ではこれを』


そう言って小さな青い笛が目の前に浮いていた



『この笛をこの湖で吹いていただければ、おもてなしをさせていただきます』


「どうも。また来る事があればそうさせてもらうよ」


空中に浮いていた笛を受け取り礼を言った


後はいつも通り(といっても二回目だが)『リードフロウ』を使い速さを上げて城に向かう


「はぁー。どうせ戻ってエレスナーグに渡しに行ったら、あいつがいるんだろうな。まぁ、すぐに黙らせてやるけどさ。なんか険悪な感じだし。そういえばソルーティアもあんまし好意的な態度ではなかったな、あいつに対して。いょーっし、今回はフレンドリーな感じで話すか。なんて独り言言ってる間に到着」


裏口から入る


……そういえば何で俺は毎回裏口から入ってるんだ?まぁ裏口と言っても城下街の裏門を通って入っているわけだが


おかげで街のひととは一回も会ったことがない


次からは正門から入ろ……


「とかなんとか考えてると玉座の間に続く廊下まで来たわけだ」


扉を開けず聞き耳をたてる


「今度はちゃんと『秘薬の肝』を採ってきましたよ?」


「随分小さいわね」


「そんなことはないですよ。それだけあれば不治の病だって完治できるはず」


「色が灰色なのは?」


「もとからそんな色でした」


「………はぁー。偽物ね、これ」


「言い掛かりはこまりますよ、姫様」


やっぱりな。まーたあいつがでかい顔してる


「『秘薬の肝』の色は灰色じゃないわ。それに、ところどころ傷ついてる。これがもし本物だとしても、価値はない」


「はっ、何言ってんだ?なら自分で採ってくればいいだろ。仮にも魔王なんだからよ」


そろそろ準備しておくか。どんな反応するかな


「まぁ、仕方ないか。所詮形だけの姫じゃ、空撃部隊(俺達)に頼るしかないよな?」


「……エレス、始末してもいい?」


確かな怒気がこもった声が聞こえた。多分あいつには聞こえてないだろ


「だめ。それはだめだよ」


「だけど……!」


「それで、姫様よぅ。“あれ”はいつになったら貰えるんだ?」


「渡す気なんてない。特に貴方には」


「へぇ、そう言っちゃうか。なら、少しは痛い目を見てもら…」


「しっつれーい」


勢いよく扉を開けた


「ちっ」


「どうしたの?」


「いやぁ、頼まれた物を持ってきましたよ」


異空間に手を突っ込んで紙包を取り出す


「よっ、と」


大体樹齢二百年の木の切り株程の大きさ


「もしかしなくてもそれって……」


「『エリクハート』だけど?」


「やっぱり?」


その会話を聞くなりマローニとかいう奴の顔が青くなる


「ちゃんと無傷で手に入れてきたから」


「ふふっ、ご苦労様。褒美は何がいい?」


「とりあえず何もない。まぁ思いついたらでいいや」

「そう、わかったわ。それじゃあ後でまた呼ぶから」


「了解」


なんてやり取りをしてる内に隣にいたあいつがいなくなってた


「じゃあ」


「ええ」


部屋から出る


「おい」


そのまま自分の部屋に向かう途中呼び止められた


「………何だ?」


さっきの奴が話し掛けてきた


「お前、自分が何の為にこの世界に呼ばれたか知ってるか?」


ここからなら玉座の間まで声が届かないだろう……


「別に、興味ない」


「教えてやるよ。お前は…」


「『イケニエの為』だろ?知ってるよ」


鳩が豆鉄砲を喰らった様な顔になってる


「……なっ、なら何で…!!」


「居場所があるから。それだけだ」


自室に向かう


「誰かが俺を必要としてくれるなら、どんな目的でもいい。たとえイケニエでも、復讐に駆られて全てに絶望してるよりは」


「………ちっ、駄目だったか。なら……」


微かにそんな声が後ろから聞こえた

ゼ「漸く俺らしくなってきた場面だな」


エ「正直私も依頼を頼んで、ゼレカが帰って来た時に別人かと思った」


ゼ「いやぁー、誰かに必要とされるっていいね」







ソ「……一応あの場に私も居ましたよ?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ