gea of destiny 種族と魔法
夏が……終わる……だと!?
「よくきたわね」
「……一応来いと言われたからな」
「とりあえず座って」
促されるまま椅子に座る
「さっきはありがとう」
「………別に、なんかむかついたから」
「……それで、この世界の事を教えてほしかったのよね?」
「…ああ。全く別の世界に来たわけだから」
「この世界は魔界『ニンブルケティック』。あなたが元々何処の世界にいたのかは知らないけど、ここには悪魔しか住んでないわ」
「………悪魔って一くくりにしてもどのぐらいの種族が住んでる?」
「種族のことは知ってるのね」
………自称イタい奴に知らされてたからな
「まず、私やソルをはじめとした『吸血悪魔』」
この娘吸血鬼だったんだ……
「次に、好戦的なのが多い武闘悪魔とも呼ばれる『不死悪魔』。でも不死と言われてても死ぬけどね」
「………不死なのに死ぬのか?」
「不死と呼ばれるゆえんが回復速度だから。回復速度を上回る力で攻撃されれば、あっけなく死ぬわ」
「……ふーん……」
「そして一番多い種族が城下街で暮らしてる『吸収悪魔』。空気中の魔力を吸収して魔力を補充してるから、戦闘能力はほとんどない」
「……なるほど、種族について大体分かった」
「後は……それぞれの在り方かしらね。さっき言ったように『吸収悪魔』は空気中の魔力を吸収して生きてる。『不死悪魔』は体内の魔力を回復させつつ外部からも魔力を補給できるわ」
「………吸血悪魔は?」
「その名の通り血をすって魔力を得ているの。血は魔力の塊みたいなものだから。でも、中には『赤血』の持ち主もいる」
「…『赤血』?」
「血が赤い悪魔のことよ。普通の悪魔は血が黒いわ。だから、赤血の悪魔は昔から狙われ続けてきた。同じ赤血の悪魔からも、普通の悪魔からも」
………
「話しが逸れたわね。『吸血悪魔』で『赤血』っていうのが一番厄介なの。赤血の場合は赤血をすわなければ力が衰えてくし、普通の血をすっても魔力が大して得られないから」
「………そうなのか。それで、君は一体どのくらい血を吸ってないんだ?」
「えっ!?」
「赤血……なんだろ?君は」
「………よく分かったわね。私が赤血だって」
「話している君の顔が怯えてたからだ」
「………ニンブルケティック家は代々赤血なんだ。だから王でいられた、あいつが来るまでは……」
「……?」
最後の方はわざと小さな声で言ったらしい
「そんな感じかな。他には?」
「……魔法について聞きたいかな」
「魔法?いいけど、つかうのは難しいよ」
「………構わないさ」
それで『あいつら』を倒せるなら……
「魔法……魔術とも呼ばれてるけど、呼び方が違うだけでほんしつに変わりはないわ。それで、魔法の発動には詠唱と魔力が必要になる。これが魔法の基本概念よ」
「……詠唱はどうやって知ればいい?」
「すでに完成された魔法にはあらかじめ創られた詠唱がある。それは魔術書なんかに載ってる」
「……なら、完成されてない魔法の詠唱は?」
「それは普通の魔法がつかえてから考えればいい。……そうね、『中級以上の魔法』がつかえるようになったら教えてあげるわ」
「……そうか。中級ってゆうのがどの程度かは知らないが、漆黒、迷走…」
「!?」
「鎖された道を探す愚者に安寧なる眠りを込めて。『深闇の羽衣』」
辺りに真っ黒な膜ができ、この部屋を包む
「……大した魔力も込めないで殺傷能力もゼロにしておいたから心配は無い」
「うそ……これって……」
「これは中級以上なのか?」
「……上級魔術。それも大昔につかわれた『対大型魔物用捕獲魔術』……何処でこれを?」
「……部屋にあった本に書いてあった」
「……それが魔術書よ。その本に別の魔法も書いてある」
「………そうか」
「それなら、さっそく教えてあげる。新しい魔法の創り方」
……これで、少しは勝利に近づいたのか
デ「ボツシーンやってみようか」
―――
ゼ「………何を怯えているんだ?」
エ「……何が?」
ゼ「……そうか、これだけは言っておく。俺は君と敵対するつもりはない」
エ「信用できない、って言ったら?」
ゼ「……俺には目的がある。その目的の為に、俺は力がほしい」
エ「……わかった。新しいまじつを教えてあげる。……噛んじゃった」
ゼ「言いにくいもんな」
―――
デ「と、まぁこんな具合とどっちにしようかなって思いました」
エ「ホントに噛んじゃうかと思った」
ゼ「そういえばあえて魔術じゃなくて魔法って言ってたね」