魔神の姿・狂気 Negative goddemon
次回からは零花が魔界トリップしてきた話が始まります
ゼレカvision
なんだ……
この気持ち……
この力……
フフッ、ハハッ、アハハ!
そうか
懐かしい『魔神』の力じゃないか!
「フフッ」
ヴァジラの放った魔力がゴミのようだ
速度だって亀が歩いてるみたい
弱い……
それでも、いまのエレスとソルが喰らったら間違いなく死ぬ
マモラナキャな、ふたりを。ククッそのための力だからな
バキン
こんな剣一本折れなかったのか、さっきの俺は
アハハ!ヤッパ守りたいなんて思うのは弱いな
さぁーて
脚に魔力を纏わせて歩く
一瞬でふたりの後ろに来た
その後ふたりを抱えて横にずれる
フフッ、エレス。怖くて目をつぶっちゃってるよ
アア、可愛いな
キミのことをみているとさらにカワイクしてみたい……
おっと、今はソンナコトしてる場合じゃないっけ
目が合う
「ゼレ…」
「アア、心配すんなエレス。すぐ片付けてやるからよ」
全く、怯えてる君をみているととても興奮する
マァ俺は『ヤサシイ』からな
そんなことはしない
もうひとつの楽しみもあるし……ソッチから片付けるとしよう
「久しぶりだなァ、ヴァジラ」
マズハあいさつから、これは世界共通常識だ
「あぁ?何言ってんだ」
「オマエと会うのは『あの時』以来だろ。オマエラが俺達を殺した時、な」
フフッ
「……狂ったのか?」
惜しい!
「アハハ、どうだろう?オレはどうなったのかなぁ?」
「………」
アレ?難しかったか
「マァイイサ、話しを戻そう。マエから聞きたいと思ってたことがあるんだテンシサマ」
「聞きてぇことだと?」
そう、オレが聞きたかったこと
なんて答えてくれるかな?
「俺のムネを貫いた感触、どうだった?どんな気分だった?」
「ハハッ!そうかよ!!なら答えてやるよ!とっても気分良かったぞ?弱ぇ人間でも、あんだけ一方的に斬れれりゃあ最高だったぜ!」
ハハッ、オレの予想通り!
「だよな!ヤッパリそうだよな!いやー、よかった。俺と同じ考えみたいで」
「はぁ?」剣を新しく四本創った。それも拷問に使うようなえげつねぇのを
ガシッ カンッ
ザクッ ザシュッ
ヴァジラの両手両足に刺した
左手は動かないって言ってたけど、この方が確実だからね♪
「俺にもやらせろよ。心臓を貫く感触、考えただけで心躍るゼ」
楽しみだなぁ……ドンナ断末魔を挙げて死んでいくのか
「っ!」
「サヨナラだ、ヴァジラ!」
元から持ってた剣をヴァジラの心臓目掛けて突き刺す!
「ゼレカ、やめて!!」
「っ!?」
―――
――
―
エレス、俺を呼んだ?
オマエじゃない。オレだ
いや、俺だよ。何かあったら呼んでって言ったから
マァどっちだっていいだろ?オレには関係無い
お前には無くても、俺にはある。『やめて』って言われたから
!?何言ってんだ。アイツを殺したいって言っただろ!?
言ってない。俺は言ってない。俺は『守りたい』って言ったんだ
……チッ。思ったより早かったな……
―
――
―――
パリン
折れてんな
「あ………」
「やれやれ、全く君は手がかかるね」
「お前が余計なことしたからだろ……」
「おや?噛み付く気力も無いのかい?」
「………くそっ」
「やぁゼレカ。『その姿』になったんだね」
「フフッ、そうだなアシュラ。ご忠告感謝しなきゃなァ?」「別に忠告したつもりはないさ。ただ君のその姿に興味があるだけだよ」
「ナラ、試してみるか?今なら消滅への特急キップもやるぜ。片道限定の」
「それは興味があるね。でも、生憎と今日は帰らなきゃ行けないんだ」
「オレから逃げ切れる…と」
―――
――
―
もういい……
何言ってんだ!アイツラをぶっ潰しちまえよ!
エレスが言っただろ?やめてって。だから、逃げるなら見逃す
オマエは!自分の目的を忘れたのか!
忘れてない。だけど、今の俺は『ゼレカ・ハヅキ』。お前が言ってる目的は『葉月零花』の目的だ。俺じゃない
だからオレが出て来たんだろ!?
エレスの前では『ゼレカ・ハヅキ』で居たい。もう彼女に『魔神化(あんな俺)』を見せたくないんだよ。あの俺は、彼女の希望で居たいから……
このバカヤロー!!
―
――
―――
シュウゥー
「……見逃してやるよ」
「あれ?戻っちゃったのかい?」
「だったらどうした?」
「アシュラ、俺は帰るとは言って…」
「『あの方』からの御命令だ」
「……わかったよ」
「いや、何でもない。では、これにて失礼」
アシュラとヴァジラは光に包まれ、消えた
「ゼレカ、戻った?」
弱々しい声で聞いてくる
「うん、戻ったよ」
エレスの頭を撫でる
「だから……安心…………し……て………」
ドサッ
そのまま力なく床に倒れる
「ゼレカ!?」意識が飛ぶ前にエレスの声が聞こえた
誰かが呼んでる――
今の俺の知ってるひと――
今の俺の大切なひと――
今の俺の……――
my borderline
始まりの時