表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/136

魔神の姿・カクセイ

ダーク指数が!

ゼレカvision



「間一髪だったね」


紫色の光を斬り裂いた


「ゼレカ……来てくれるって、信じてたよ!」


「もちろん。約束だからね」


「ゼ、ゼレカさん……」


ソルが無理に身体を起こそうとしてよろめく


「おっと、大丈夫?」


大丈夫なわけないけど


……みたところ外傷と出血が原因か


「癒しの力よ。『応急処置ファーストヒール』」


「す、すみません」


「あんまり喋らない方がいいよ。結構重傷みたいだからね」


「そう、ですね……」


「うん……。エレス、ソルの傍にいて」


「わかった」


少し強めに魔力を込めた結界を張る


「さて、と」


後ろを向く


「久しぶりだな、ヴァジラ」


「ちっ、面倒な奴が来たぜ。足止めも満足にできやしねぇのか、あいつはよ」


「アシュラなら俺に全てばらして、すぐ帰ったぜ。おかげですぐ駆け付けられたしな」


「たっく、何のつもりだよ」


「それはそうと」


剣を構える


「去る気は無いのか ?」


「ねぇな。赤血の魔王を殺しに来たつもりだが、お前を殺しても変わらねぇしよ!」


カキィン!


互いに剣をぶつける


俺の剣はさっきアシュラに会った時に造った『夢現』


今のこの剣には風の魔力を込めてあるから、振る度に空気を支配できる


「何だ、それ?気流でも生み出してんのか?」


「気流じゃない、『風』さ」ヴァジラを取り巻くようにして風が生まれる


「祖は永久の罪人。その犯し罪を洗う術は、四方八天浄火のみ。燃え尽きろ『バーニングストリーム』!」


中級の炎だが、回りを取り囲む風と交わって爆発的な炎になる



「……っ、こんなもん喰らうかよ!!」


ヴァジラが水でつくった巨大な剣を振るう


水と炎がぶつかり、蒸気が生まれる


かかった!


これで奴の視界はゼロ


蒸気目掛けて走る


「ちっ、どこだ……!」


「遅い、『ランサー・ソロ』」


グサッ


槍を象った魔力を心臓に突き刺す


「……終わりだ」


「………てめぇがな!!」

「!?」


首を掴まれた


「な…ん……だと?」


確かにランサー・ソロで心臓を貫いたのに


「何も蒸気で視界が奪われたのは俺だけじゃねぇんだぜ」


「くっ………まさか…外した……のか」


「左手を代償にな。だが、お前を仕留めるのに左手一本で済めば安いものだよ!!」



くっ、どうする!?


「消し飛べ!!『炎衝撃ハウリング』!!」


「かはっ……」


……何が起きた?


……首を掴まれて投げられただけだぞ?


ドンっ


俺の体は鈍い音をたてて床に叩きつけられた……気がする


「どうだ、俺の最強の技は?」


「……はっ……たい…したこと、ねぇ…よ」


「ちっ、やっぱり片腕であれっぽっちの魔力じゃその程度か。……それでも充分過ぎるみてぇだがな」


………んだ、あれ?


……あんなもんまともに喰らったら木っ端みじんじゃねぇか


「はぁ……はぁ……」


グサッ


「!!?」


あいつの剣が俺の左手を深々と貫いた


「これで動けねぇだろ?待ってな、先に魔王から片付けるからよ」


ガチャン


「待て!!ふたりに手を出すな!!」



「安心しろ、お前もすぐに後を追わせてやる。そういえば『あいつら』とも会えるじゃねぇか」


「あいつら……?」


ドクン


……………やめろ


「お前を殺す前に殺したやつらさ。良かったな、全員一緒で」ドクン


……………やめロ


「あばよ、『吸血魔王』」


ドクン


「ヤメろーーー!!」


――――

―――

――




――憎い


みんなを殺したあいつらが


――憎い


ふたりを傷つこようとしているあいつが


――憎い


………………誰も守れない、俺が


―――ねぇ、誰かを守りたいと思うのは、弱さの証なのか?


―――みんなを傷つけさせたくない、その為の力は無力?


―――どんな力も、弱い心のまえでは意味を為さないの?



――ねぇ、誰か、答えてよ……



『あア、オマエの言うトオリさ』


『守りたい、ナンテ考エは弱さのアカシ』


――弱さ……


『傷つけない、スナワチ無力ダ』――無力……


『支えきれない心、ムイミだゼ?』


――無意味……



――君は何でも知ってるね




――じゃあ、力を手に入れる為には、どうすればいい?



『簡単サ。復讐、憎しみ、嫉妬、怒り、悲しみ、喪失、狂気。そして絶望ダ』


『オレにはそのスベテが宿っていル。全てを破壊シ、無に帰す力がホシイダロ?』


――欲しい


――どんな力でもいいよ


――俺の望みが叶うなら


『なら、オレに手をノバセ。オレの力をカシテやるよ』


――力


――手を、のばす……


――!


『ヒヒッ。サァ、絶望を味わわせてヤロウぜ、アイボウ?』


――ふふっ、力だ


――力が溢れてくる!


――そうだな、絶望をくれてやるか、『零花』?




――

―――

――――


「………ハハッ」

――闇は素晴らしい


――どんな者も等しく受け入れる


――優しく包み込む


――安らぎを与える


――それゆえに、全ての者は簡単に堕ちる


――『自分』という闇に………

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ