魔神の姿・帰還
………眠い
エレスナーグvision
「…………着いた!」
謁見の間が見えてきた
もう少し!
ガチャ
扉を開けた
……そこには血まみれのソルと白い羽を散らせている天使がいた
「……ソル?」
「エレス!?」
「ふん、やっと来たか」
「エレス、逃げて!」
「……あなたがソルを傷つけたの?」
「だったら何だ?」
「……許さない。許さない!!よくも私の家族を!」
「………エレス」
「『魔王化』!!」
魔力を解き放つ
私の体が黒い煙りのようなものに包まれる
パシュー!
「ふん、『魔王化』か………おもしろいじゃねぇかよ!」
「くっ……」
またあの天使の魔力が強くなった
でも、今の私には魔力の強さなんて無視できる
「全てを包み込む闇の力、在るべきところに在るものを正し、理を示せ。『リフレクトシールド』」
この魔法を使えば少しは時間がとれる
「なんだよ、詠唱したから攻撃してくると思ったのによ。つまらねぇな!砕け『ブラストファング』!」
「……短縮詠唱」
でも、今の私には効かない
バシュ
「 なに!?」
「これが私の魔法『リフレクトシールド』の能力。相手の一切の魔法を受け付けない」
もちろん、弱点もあるけどね
「一切の魔法を受け付けない、か………ふ、はは、ふははは!!いいぜ、気に入った!なら、魔術だけでぶちやぶってやるぜ!!」
「結果は見えてるけどね」
『リフレクトシールド』が破れるって、結果が
でも、もう少しで完成するから……
???vision
「……ちっ、結界か」
直接城まで跳んだのによ
「…………無事で居てくれよエレス、ソル」
城目指して全力で走る
エレスナーグvision
「はぁ……はぁ……」
「ふん、未だ破れないか。だけど、お前の魔力が持ちそうにないな。せっかく楽しかったのによ」
「やっぱり…破れなかったみたい…だね」
でも、もう終わり
「そうじゃねぇ、破る方法が解っただけだよ」
「どうやって?」「教えてやるよ。走れ、奪え!『ライトニングフレア』!!」
「……やっぱりばれたか」
「確かにその魔法は強力だけどな、弾けるのは属性が単体の場合のみだ。属性が複数なら弾けないだろ?」
「……その通り。でもね」
『リフレクトシールド』が炎と雷を飲み込んで消滅する
その魔力が私に流れる
「なっ!!」
「弱点はわかってるから、改良したの。消える時にその魔法を魔力に変換して私に流れるように」
「だが、それでどうする?さっきの魔法はもう効かない」
「だからあなたを終わりにする」
ゼレカ、力を貸して……
「汚れし魂、その術を奪う力を行使したまえ。『冥界の揺り篭』!」
天使の周りから紫色の煙りが立ち上る
「こんな魔法を喰らうかよ!」
天使が上に飛んだ
「それを待ってたの。弾け飛べ『アルテ・エデン』!」
「その魔法は!!」
黒い球体が天使を包む
「ぐぁあああ!!」
パァン
……ありがと、ゼレカ
「ふぅ、倒した」
ペタン
「あれ?体に力が入らないや」
「エレス、大丈夫?」
「私は大丈夫だけど、ソルの方こそ危ないよ」
「少しずつ回復させてるから平気。それよりいつの間にあんな魔法覚えたの?」
「覚えたってゆうよりも『勘』かな。詠唱もあってたし」
「勘?」
「前にゼレカが使ってるのを見て、とっさにやってみたの」
「だろうな……」
『!?』
煙りの中から声が聞こえてきた
「まだ……倒れなかったの!?」
「あれが…完全詠唱で……魔力を……もっと込めてれば、跡形もなく…消えてたぜ」
「そんな……」
「くっ」
体も動かない……
魔力も尽きた……
「今度こそ………終わりだ!!『エクスキューショナー』!」
どうしよう……
「エレス、逃げて!」
「動けない」
どうしよう……
「はぁ……はぁ……始末完了」
どうしよう……
『もし、何かあったら俺を呼んでね』
ゼレカ……
「ゼレカー!」
パスっ
「!?」
「お呼びですか?姫様」
そこには、黒いコートを着た、見慣れた、ひとがいた
「ゼレカ?ゼレカ!」
デ「やぁー、格好いいですね主人公」
ゼ「そうだろうよ」
デ「というかお久しぶりでーす」
ゼ「そっか、リレーやってもんな」
デ「思い付きでやってみたリレーだったけど、結構長いね」
ゼ「お前が楽だからだろ」
デ「痛いお言葉です」