齎された真実
シリアス全開!
糖度が足りない……
ゼレカvision
「ふぅ、やっと着いたか」
と言っても、予定よりかなり早く着いたけど
「バルチス、調査隊の手掛かりになるものを探すぞ」
「分かりました……けど、少し休ませてください」
「まあ、あの山越えは厳しかっただろうからな。どこかに腰を下ろして、周りを確認してくれればいいさ」
「ありがとうございます……」
さすがに疲れがみえるな
しかしまぁ、バルチスがいてくれたおかげで余計な魔物と戦わなくてすんだぜ
「主、我は上から見てくる」
「ああ、任せる」
「御意」
「さてと、俺も探すか」
……『紅月の荒野』
……『相当な力のようだ』
なんでその二つが引っ掛かるんだ……
「ゼレカさん」
「ん?」
「変なナイフが落ちてたんですけど」
ナイフ?
「何でナイフなん…か……」
………このナイフ、まさか
「『聖堂の短剣』!」
そうか、だからあの時アシュラに『暗黒の楽園』が効かなかったのか……
「何ですか?」
「天使の武器の一つさ。これは悪魔の力を乱す、いわば『悪魔殺しの武器』だ」
「デ、デモンキラーって神の法具ですよね?」
「ああ」
……ちっ、連合会議の時に刺されてたか
「じゃああいつが……」
「どうしたんですか?」
「ん、ああ。いや、ただ今回の黒幕が分かっただけさ」
「黒幕って、人為的な事だったんですね……」
「多分そうだろうな」
こりゃあ思ったよりもやばいな……
「主、やばいぞ。調査隊が神殿防衛人形に追われてたぞ」
「ゴーレム……ああ、そういえばあいつらは身体から電磁波がでてたなぁ。じゃあさっさと倒して帰ろうぜ」
「一応は殲滅しておいたぞ」
「おっと」
……アルフォートの一言に転倒しそうになった
「そういうことは先に言えよ。ずっこけるところだったぞ」
「それは見てみたかったな」
「あははは……」
バルチス、お前の笑いがやけにグサッとくるんだが
「まぁいいさ。バルチス、アルフォートと調査隊のところに行ってろ」
「はい」
「御意」
……ふたりとも行ったか
「はぁー、全く…」剣を創造する
ガキンっ
「嫌な予感が的中したぜ、アシュラ!」
「そうかい?」
振り向きざまに斬り掛かったが、アシュラの剣に止められた
「ああ、あの時お前が紅月の荒野(この場所)にいたわけもなぁ!」
そのまま斬り上げる
アシュラは吹き飛ばされながら体勢を戻し、空中で止まる
「ふっ、本当にか?」
「ああ?」
「本当に全て理解したのかと聞いてるんだよ」
「……どういう事だ?」
「君が全て理解しているなら、君は僕に斬り掛からなかった。なぜだか分かるかい?」
「知らねぇよ!」
……焦るな、気持ちを落ち着けろ
怒りのままに行動したら『あいつ』の思うつぼだ
「くっくっく……、そろそろ教えてあげるよ。そのわけを」
「………」
「おそらく、僕が此処に居た理由は合ってると思うよ」
「お前が、会議にいた何処かの魔王と手を組んで俺をおびき寄せる為だろ?」
「正解さ♪」
「……その魔王は俺達の中の誰かを狙ってた。違うか?」
「ほーう、そこまで予測しているとは思わなかったよ」
「それと……」
『聖堂の短剣』をみせる
「俺の魔術が効かなかったのはこれのせいだ」
「あー、そこにあったんだそれ。あいつ、回収しておけって言ったのに」
「これでもまだ理解してないって言うのか?」
「ああ、もちろん。肝心の事が理解出来てないみたいだ」
何時から掛けてたか知らないが、眼鏡の位置を直す
「肝心の事?」
「もし、君がそれを知ってたら僕に斬り掛かってこなかったってやつさ」
「………」
「今、こうして僕と話してる事があいつの狙いなのさ」
「ヴァジラの?」
アシュラの眼光が鋭くなった
そして……
「ふふ、あいつが君の主を殺すまでの時間稼ぎ。それが僕の役目さ」
「なん……だと!!」
「それじゃあサヨナラ。ゼレカ」
ふわっ
「……くっ!」
だから……
「アルフォート!」
「何だ?」
「バルチスと調査隊連れて戻ってこい。ゆっくりで構わない!俺は先に行く!!」
「承知」
テレポートで城に跳ぶ
「……エレス、無事で居てくれ!!」
アルフォート⇔バルチス
ア「おもしろい男だ」
バ「怖そうだけど優しい」