寛ぎましょう
バルチス君の秘密公開
ゼレカvision
「……」
あと丸一日いや、半日もあれば紅月の荒野にたどり着くな
さっさと終わらせて城に戻りたいんだよな……
『強い魔力を感じる。誰のかは分からないが、相当な力だ』
「……」
……マムートに言われた事が変に気になる
「………さん」
やっぱり、早く戻らないとな
「ゼレカさん!聞いてます?」
「何も聞いて無かった」
「聞いてくださいよ!」
「はいはい。で、何?」
「少し、休憩しましょうよって言ったんです」
「構わないけど……」
「はぁー、疲れました」
「此処は一部で『マリオネットの処刑場』って言われるほどマリオネットが出て来るから危ないぜ?」
「それを先に言ってくださいよ!」
あれ?言って無かったっけ?
「聞かれなかったから答えなかった」
「それなら先を急ぎますよ」
「おう」
「………」
「どした?」
「いや、あの者は随分と魔物に気に入られてるなと思ったのでな」
「バルチスだろ?あいつ、魔力も大して無いし身体能力も高く無いけど、魔物に好かれる能力だけはあるんだよ」
「本来ならこの辺りなら機械人形がわんさか出て来る筈だからな。ここまで遭遇しないのは初めてだ」
「あいつ自身自分の潜在能力に気付いてるか知らないけど、その力を使いこなせるようになったら『準魔王』クラスの力は出せるぜ」
「おもしろい者を部下にしたものだな」
「だろ?」
「ゼレカさん、アルフォート。早く行きましょうよ!」
「おっといけないいけない。じゃバルチス、先行ってるわ」
「速過ぎですよ!!さっきまで結構後ろにいましたよね!?」
「はっはっはー」
「はぁー」
バルチスをおいて先に宿屋に来た
まぁアルフォートと一緒だから、山賊に襲われても平気だろう
あいつ強いし
ガチャ
「はぁ、はぁ、疲れました」
「遅かったなバルチス」
「それは、そうですよ。速過ぎ、です……」
「テレポートを使わなかっただけましだろ」
「そういえば、何でテレポート、使わないんですか?」
「何の為に紅月の荒野に行いくか知ってるか?」
「調査隊の確認ですよね?」
「何で確認しに行ってる?」
「え……通信がないから……あっ!」
「通信がない、すなわち妨害されてるからだ。妨害されてると跳べないんだよ」
「そんな欠点があったんですね」
「万能な魔法なんてないからな。ところで、アルフォートは?」
「宿屋までは一緒だったんですよ」
「呼んだか、主?」
おい……何だその格好……
「何でローブなんだ?」
「シャワーを浴びてきたのだ」
「ですね」
「バルチスも入るといい。汗をかいただろう」
「そうするよ。じゃあ入ってきますね」
テクテク
バルチスが部屋から出ていった
「………アルフォート、お前結構寛いでるな」
「我はいつもこうだが?」
「そうですか……」
ソルーティア⇔アルフォート
ソ「頼れる方です」
ア「信頼に足る方だ」