番外編『七夕』
即興です
これはむかーしむかーしの話
ある所にエレスナーグというお姫様がいた
「あっちに逃げたぞ!」
「追え、追え!!」
「もう、しつこいな〜」
エレスナーグはお付きのソルーティアの目を盗んで街に出掛ける度に、身代金目当ての悪党に追われます
「あっ……!」
「ははは!やっと追い詰めたぞ」
「おとなしく捕まってもらおう。なに、抵抗しなけりゃ乱暴はしないさ」
「だったら……」
悪党が姫を追い詰めた、その時
「ギャアアアア!!」
『!?』
「何!?」
魔物の大群が顕れました
「ひ、ひぃ!」
「ああぁ!」
悪党達は逃げ出しました
「くっ……逃げなきゃ」
しかし、魔物達は悪党以外は追いかけません
「何で……?」
「それは俺が命令したからさ」
そこに現れたのは魔物飼のゼレカでした
「大丈夫だった?エレスナーグ」
「は、はい」
「外はひとりじゃ危ないよ。ちゃんと護衛を付けなきゃ」
「外にでるときぐらいは、『姫』だと忘れたいから……」
「……そうか。でも、護衛じゃなくてもだれかと一緒にいた方がいい」
「……」
「………分かった。そんなに護衛をつけるのが嫌なら、俺が付き合ってあげるよ」
「え?」
「君がよければ、だけど」
「いいんですか?」
「ああ」
「ありがとうございます!知ってると思いますけど、私はエレスナーグです」
「俺はゼレカ。それと敬語は使わなくていいよ」
「じゃあ、私のこともエレスって呼んで」
「はいはい」
こうしてふたりは毎日出会って、毎日楽しく過ごします
しかし、それを知ったソルーティアは別の国の王様に頼んでゼレカを『空の平原』に飛ばしてしまいました
「ゼレカさん、エレスとふたりきりなんて羨まし過ぎます。という訳でベルゼブさん、ゼレカを『空の平原』に飛ばして下さい」
「……いきなりとんでもない頼みごとだな」
「ベル兄ちゃんには恋する乙女の気持ちが分からないからね」
「……?」
「///アスタノトさん、余計な事は言わなくていいんです」
「……」
「アラちゃん、転移法陣の準備しといて」
「オッケー♪」
「……よくわからん」
「あっ、そうだ。メフィストお姉ちゃんが『約束が楽しみ』って言ってたよ」
「……ちゃんといくさ」
ゼレカは他の国の王様の力(?)で『空の平原』に飛ばされてしまいました
しかしそれからのお姫様は毎日部屋に閉じこもり、食事もろくにとらなくなりました
その姿をみかねてソルは言いました
「エレス、星の力が溜まる日にだけはゼレカと会っていいですよ」
その言葉を聞いてから、エレスは次に星の力が溜まる日を待っていました
そして星の力が満ちる日、七月七日にエレスはゼレカに会いに行きました
「ゼレカ!」
「やぁ、エレス。ちょっと待ってね」
ゼレカは星の力を使い、魔力で橋を掛けました
「星で出来た川、『天の川』ってとこかな」
「ゼレカ!」
「久しぶりエレス。と言ってもまだ二日も経ってないけどね」
「でも、たえられなかった。ゼレカと会えないから、毎日苦しかった」
「ふふふ、ありがと」
と言って、ゼレカはエレスの肩に手をまわした
「俺の魔力でずっと橋を掛けてるから。何でも出来るね♪」
「え!?」
そのまま押し倒した
「ちょ、ゼ、ゼレカ!?」
「大丈夫大丈夫、怖くないから♪」
そして、そのまま……
「……あれ?」
「おはよう、エレス」
「ん……おはよう」
「随分と楽しそうだったけど、何かおもしろい夢でもみてたの?」
「……夢…だったんだ。………あんまりきのうと変わらなかったけど」
「?」
デ「随分とお久しぶりです」
ゼ「サボりやがって」
デ「サボってた訳じゃないぜ。試験勉強で忙しくて時間もとれなかったから、全く更新できなかっただけさ」
ゼ「そうかいそうかい」
デ「今週で試験終わるんで、来週からまた更新しますね」