悪戯夢(あくむ)┨壊れる日常┠
もっと甘い話を考えたいです
「はぁ……はぁ……」
行かなきゃ
「はぁ……くっ……」
行かなきゃ、皆が
「はぁ……はぁ……」
早く、早く!
「あれ?皆帰んないのか」
「あっ零花。今日はそれぞれやらなきゃいけない事があるから」
「華娜衣以外はな」
「華娜衣に変な事しないようにね」
「しないって。全く、相も変わらず梨絵は心配性だな」
「親友として心配なだけよ」
「そうかよ」
「そういえば多矩夜は何処行ったんだ?」
「………ヒント、お前が渡した物」
「ああ……」
「じゃ、またな」
「おう、また明日」
華娜衣を迎えに教室に行く
「………また、『明日』か」
「………英司」
「あっ零花」
「悪い、待った?」
「ううん、今来たとこ」
「ならよかった」
……何だろう?
……何か胸騒ぎがする
「ねえ、零花」
「なに?」
「ちょっと、話があるの」
そう言い机の上に座る
「話って?」
「………もし、もしだよ。もし……私が……零花のことが好きって言ったら……どうする?」
「どうするも何も、今まで気付いて無いと思ってた?」
「え?」
「というか、英司にも梨絵にも多矩夜にも全員に気付かれてたよ」
「ええー!!」
「ふふ、俺も君が好きだよ。君と出会った時から、ずっと」
……何言ってんだ、俺
この空気に押されて本音がでちまったな
「……零花///」
………俺を呼ぶその声に照れと……悲しみの表情があるのはなんでだ?
「……ありがと。零花、零花」
華娜衣の両目からうっすらと涙がでる
「おいおい、泣くなよ」
「零花、ありがと。……幸せに……生きて」
「?何言って…」
バタン!
「………ごめんね零花、……さよなら」
「ハッ!」
華娜衣は何処に?
……胸騒ぎがする
「くっ!」
急いで走る
何処にいるか分からないけど、とにかく走る
「華娜衣…英司…梨絵…多矩夜」
何処に行こうとしてるのか自分でも分からない
だけど、足が勝手に進む
「はぁ……はぁ……」
『……ラスト一日』
城の使い魔に聞いてみた
「エレスナーグ様?魔王様はとても優しい方ですよ」
「民にも私達にも誰でも分け隔て無く接して頂けますし」
「御側にいられて幸せです」
デ「お前とは真逆の評価だな」
ゼ「当たり前だ」