幻惑・困惑・疑惑
そろそろ番外編をやりたいです
「さてと」
エレスを部屋に置いてさっさとでてきたけど、何しようかなー♪
さっきのエレスの真っ赤な顔、可愛かったなー
「ん?」
おかしい………
この廊下のデザインも構造も全部同じだが、さっきっから全く前にすすんでないようだ
「……『真実の瞳』」
『夢幻の瞳』を使う
すると絨毯に瞳が反応した
「…………分かってるんだぜ、ヴォルケノ」
なにもない筈の絨毯に声をかける
「流石ですねゼレカさん」
絨毯から赤い煙りが立ち上る
「あの程度の幻術では欺けませんか」
「ふっ、生憎と俺は脳や精神に作用する術や技は効かないからな」
煙りがひとの形を形成していく
「そうなのですか。なら私は貴方には勝てないですね」
「よく言うぜ。お前の最も恐ろしい能力は…」
「すとっぷ!それ以上言わなくていいです。あの姿は好きじゃないんですよ」
小さなロリ少女が言うと真実がますぜ
「それよりもアシュラにはいきなり斬りかかったのに、私には斬りかからないんですね」
「俺はアシュラやヴァジラ、『あいつ』には恨みがあるがお前には無いからな」
「あら……意外と冷静なんですね」
「種族で差別する、なんてことは好きじゃないからな。悪魔にだって下衆な奴もいるし、天使にだって優しい奴もいるからな。もちろん人間にだって」
「………強いんですね」俺に聞こえるか聞こえないかの声で言った
もちろん聞こえたけど
「強いわけじゃないさ。ただ、それぞれの個性をみてるだけだ」
「それぞれの、個性?」
「ああ。力の強い天使や魔力の無い悪魔がいても不思議じゃないさ」
「………」
「おっと、ごめんごめん」
「謝る必要は無いですよ。………私は」
何かを伝えようとしている
でも躊躇っている目だ
そして意を決したように見つめてくる
「……私は『天使』なんですから」
「うん、知っているよ」
「………そう、だね」
何処か寂しげに返事をしてくる
「じゃあ私そろそろ帰りますね」
「……ああ。またな」
「はい、また……必ず!」
そう言って消えてしまった
「………やっぱり似てるんだよな。あいつに」
街の人に聞いてみた
「葉月さんの息子さんは毎日毎日怪しげな事をしてますね」
「零花?はっ、きにいらねぇ奴だ」
「最近変な物音がして何やっているやら……。この間も異臭騒ぎをおこしてたし…」
ゼ「って、人間の時の評価も今と変わってねぇ!!」
デ「実際は料理とか発明とかしてるだけなのにな」