密談
前話のゼレカとスティの会話です。
三十話まで更新できたら、タイトル変えるかもです。
「改めて名乗っておくが、俺はゼレカ」
「わ、私はスティ」
「君の服装やさっきの奴の紋様をみるかぎり、君はパレスト王国の人間だろ?」
「………ええ、噂には聞いてたけど、貴方が『幻惑の大魔』なの?」
「へぇ、そっちじゃそう呼ばれてるのか。確かに一度パレストへ単独で攻め行ったこともあったな。その時に誰かが『幻惑の大魔』なんて言ってたっけ」
「前って、『降伏戦争』!?」
「いや、名前までは知らないど」
「城に攻めてきた悪魔に負けた戦いのこと。……確か数は一人」
「多分、それ俺」
「……何で…」
「あれはパレスト王が先に仕掛けてきた戦争だ。俺達は何もしてないぜ?」
「でも!悪魔が大量に攻めてきた!人も沢山亡くなった!」
「今俺と戦った時に、勇者は何人いた?」
「……アレク含めて三人」
「その三人は全員パレストの勇者?」
「そんなわけ……あっ」
「理解してくれたみたいだな。悪魔が攻めてきても、それは別世界の魔界」
「私達が違う人間界から来たように」
「だから、俺達は何もしてない」
「そんな……じゃあ、アレクは……」
「………アレクって、さっきの白髪の勇者?」
「うん……」
「俺がグチャグチャにした奴も君達のパーティー?」
「そうだよ」
「……じゃあ最後に一つだけ」
「?」
「君は奴隷でしょ」
「!?」
「その反応、やっぱりか……」
「どうして……それを?」
「……ここからはきな臭い話になるけど、パレスト王国の勇者制度は魔界の王……つまり、魔王のイケニエの為の制度なんだ」
「嘘!?」
「残念ながら現実。だいたいのイケニエは男女一人ずつ。あとは見張りが一人の三人のパーティーってわけ。だいたい、魔王を倒すのに三人なんてふざけた話だ」
「……」
「毎回そのイケニエは、地位的に邪魔な奴、死んでも困らない奴、命令をきかない奴なんて具合に選ばれる」
「………」
「だから勇者制度がある国……勇者に関する法律が徹底してる国は、イケニエの為の勇者が存在するんだ」
「……じゃあ、アレクは地位的に邪魔だったってこと……」
「そのアレクって、奴隷廃止とか言ってた?」
「うん、『奴隷制度は廃止しなければならない!』って言ってた」
「パレスト王は奴隷がいなくなるのを恐れてたから、邪魔だと判断したんだろ」
「……そんな……アレクは、私の為に……」
「……」
「アレク……私……うわぁーん!!」
―――
――
―
―――30分後
「……落ち着いた?」
「………うん、ごめんなさい」
「謝る必要なんてないよ。……こういうのは慣れてるから」
「……」
「よしっ、そろそろ下界に行くか」
「……私……」
「大丈夫、あの王は俺をなにより恐れてるから。少し脅かせば絶対に安全になるよ」
「……ゼレカ」
「ほら、行くよ?」
「…うん」
………蘇らせておいてやるか、あいつ
ふふっ、俺は魔神が似合ってないな
デ「今日はエレスさんもゼレカもいないから、新しいゲストをお呼びしてます。では初めに、ソルーティアさん!」
ソ「よろしくお願いします」
デ「そしてゼレカの契約魔獣、アルフォート!」
ア「よろしく頼む」
ソ「貴方がディンさんでしたか。エレスからたまに聞いてます」
ア「主が溜息混じりに、おぬしの名を呟いてたぞ」
デ「ということは、だいたいは俺のことを知ってるってことで良いみたいだな」
ソ「あのーディンさん。ここはどういった場所で?」
デ「後書きですね。普段とはまた違った場所ですので、自由にどうぞ」
ア「ディン殿、一つ言いたいことがあるのだが」
デ「はい?」
ア「我はまだ本編では一回しか登場してないぞ」
ソ「ですが私とは面識ありますよね?」
ア「うむ。ソルーティア殿とは、主が我を召喚した時にな」
デ「ああ、そうか。その話は書いてなかったから、今のままじゃ二人は会ってないことになるのか。でも会ったことがあるから本編でもそんな感じで」
ソ「私からも一つ言わせていただきたいのですが」
デ「どうぞどうぞ」
ソ「私もメインヒロインの一人なのに、出番が少ないってどういう事ですか!」
デ「ああ……、確かに基本ゼレカはエレスとラブってることが多いな」
ソ「フラグ立てても回収しきれないかもしれないじゃないですか」
デ「まあ、いざとなったら『後書き』がありますからそれで解決していきましょう」
ソ「それなら構いませんけど……」
デ「では文字数も稼げたことだし、また次話で!」