仕事の後の騒動
ヒャッホーーー
………すいません、何かテンション高いです。
「じゃあな。たまには城に……って、ガードが堅いな。こっちから行くかもしれない」
「はい!シェイドと二人で楽しみに待ってます」
城下街に着いたので、マリーナと別れて城に戻る。
マリーナの両親は二日前に違う街へ行ったから、連絡だけしてこの街へ残るらしい。
「さあーてと、エレスにばれない内に帰るか」
俺が城を飛び出してから、まだ一時間も経っていない
だからばれずに済むだろ。
――ニブル城・自室
「《報告書『ナブラート村の陰』は多数の魔喰とダミ魔喰による事件であった。生存者は一名。全ての魔喰とダミ魔喰を浄化した後、生存者を城下街に避難させた》っと、こんなもんかな」
生存者をマリーナだけにしたのは、彼女の力を公にしない為。
ばれるとイロイロ面倒なことがあるからだ。
「ソルに渡してくるか」
って、俺独り言多いなぁ
――玉座の間
「ソル、報告書を……ってあれ?居ない」
だったらエレスの部屋か?
――エレスの部屋
コンコン
「エレス、居る?」
……静かだ
「……まさか……」
――露天風呂
「………まさか…な」
ドアに手を掛けた
ガチヤ
………スゲー静かだけど、服とかあるしなぁ
コンコン
「二人とも居る?」
冷静に声をかけた様に見えるが、内心ドキドキもんだぜ。これが俺でなければ八つ裂きクラスの罰だ
「………エレス?ソル?」
………おかしい。話声どころか、水の動く音すらしない。
「……」
意を決して扉をひく
カラカラ
バタン
「………予想通り」
扉を開けて瞬時に中の様子をみたが、俺が予想した半分が当たっていた。
二人が俺だと気付き罠にはめられるパターン。
もう一つが……今現実に起きてるパターン。
何があったって?……二人とものぼせてる。
………何はともあれ二人を介抱しなきゃな。
「クレ……」
クレアを予防としたが、止めた。
クレアは一度妄想にふけると止まらない癖がある。
………こんな状況で真面目だけど妄想癖が強い女使い魔呼んでみ?リアルゲームオーバーになるさ。
「まいったな。この場所だと一番近くに居るのはクレアだしな……」
………
「………よしっ」
覚悟を決めて手ぬぐいを創った。
例によって例の如く目隠し用な。
カラカラ
魔力で探知して一人ずつ脱衣所に抱き抱えて連れてくる。
………抱き抱えてる途中、みょーに柔らかい何かに触れた気がする。
………スゲー罪悪感。一応主の為を思ってるんだけど
カラカラ
二人を脱衣所に抱き抱えてきた。
「後は……」
俺のお気に入り魔法の一つである『瞬間装着』を発動する。
『瞬間装着』は服や鎧なんかを一瞬で着る魔法。
カシッカシッ
「ふぅ……」
二人に服を着せたので、目隠しをとる。
運よく服を畳んで置いてあったから助かった。
……そうじゃなかったら、服を『想像創造』で創らなきゃいけなかったぜ。
「……俺の部屋よりも、二人の部屋の法が良いよな」
何かって?運ぶ場所。
「よっと」
まず、ソルを背負ってからエレスを前に抱える(俗に言うお姫様抱っこ)。
テレポートを使わない理由?……魔力の減少。幾ら魔力が枯渇しないっても、あんだけ魔法使いや疲れるわな。
実際、テレポートは魔力を結構浪費するから。
……重さをほとんど感じない。エレスは普段から抱えたりしてるから知っているけど、ソルもほとんど重さを感じないなんて驚きだ。
そんなことを考えている内に部屋に着いた。
ギィ
エレスをベットに寝かせて、ソルも寝かせた。
「のぼせたんだっけ」
そう思って
『氷解の粒』
『風の抱擁』
二つの魔法を威力を最小にして使っておいた。
この程度の魔法なら今の魔力でも十分まかなえる。
「……後は目が覚めるまで待ちますかね」
デ「ヘタレ」
ゼ「ヘタレたわけじゃない、忠誠心だ」
デ「あれをヘタレと言わず何と言えと?」
ゼ「忠誠心と言え」
デ「………あくまでも忠誠心と言うか。ならば貴様の主に聞いてみよう。…ということで、エレスさんどう思います?」
エ「ゼレカは今のままがいいと思う」
デ「おっと、今回は珍しく意見があわなかった」
エ「ゼレカが積極的になっちゃうと、『あのとき』みたいになるからね〜」
ゼ「///」
デ「………つまりエレスさんがゼレカのことを弄れなくなるのが嫌と」
エ「うん!だって〜『あのとき』は…」
ゼ「エっエレス!その話はその辺で…」
デ「ゼレカはさk…」
ゼ「罪深き魂を浄化する闇よ。今ここに列を成し滅亡の果ての梯となれ。『闇の道』!」
デ「危ない危ない、逃げた方がいいな」
キシャー
エ「そんなに恥ずかしかったなんて……」
キシャー
デ「なんだこの蛇、追ってくるぞ!?」
ゼ「追えカペロ!」
キシャー