番外編 『デレ』
エ「たまには眠い日もあるよ」
「平和だな……」
青い程澄みきったような空気が俺に朝を告げてる。勇者が攻めて来たり魔界同士の紛争があったり大天使が降臨するわけでもなく、ただのーんびり過ごすのも悪くない
「ゼレカ……さん、お暇ですか?」
ソルが俺を呼び捨てにしようと頑張ってた
「なーんでかエレスも珍しく自分の部屋でぐっすり寝てるしギルドもSSランクの依頼ないし、今日に限ってアークテスタメントは自由だ。つまり暇」
後になるに連れてソルの反応が薄くかったな……。やっぱりエレスが大好きか
「それなら少々吸血をお願いしたいのですが、宜しいでしょうか?」
「わお……宜しいけどストレートなお誘いですね」
最近新月に近づいてるから全くエレスが血を吸わない。だからちょっと刺激が欲しかったんだ
「それでは…」
「ちょっと待った。ソルってエレスと雰囲気似てるよね?」
「ええ、もしもの時にはエレスの影武者になれます」
「俺も初めて会った頃はパッとじゃ判別出来ない程だったから気になったんだ。エレスがちょっと前に、お姉ちゃんみたいっだて言ってたのを急に思い出してさ」
「それは私としても嬉しい限りです。あんなに可愛くて愛らしい、まるで本当に妹と同じくらい大好きです!」
今ちょっとだけ本心が顔を出したぞ。さっきまでとテンションが違う……ん?
「本当にって事は、妹が居るの?」
「いえ、そのぐらい大切なだけです。エレスにも姉は居ませんし」
「そうか……じゃなくて、話が脱線した。ソルが成長したエレスみたいな雰囲気だからさ、そんな感じでデレながらお願いしようと思ったんだ」
「……?お疲れならまた後日で宜しいですよ」
視線が物理的に暖かった。要するに可愛そうな人を見る目って事だ
「大丈夫大丈夫、ただせっかく二人なんだから本心のままで良いよ」
「はぁ」
「なんなら吸血するのは首で良いよ」
「分かりました」
ふっふっふっ……首の血液が一番美味しいというのはエレスが死ぬ程教えてくれた。本当に死ぬかと思ったけど……
「それで、どうすれば宜しいのでしたっけ?」
「エレスみたいに甘えるか、ソルが素のままデレてくれれば良い」
自分でも何言ってんだと思うよ、思うとも、思いますとも!!でも何だか無性にそうして貰いたいんだ!まだ昨日の洋酒入りチョコレートが残ってるのか?エレスに食べさせて酔わせようと画策してたのに結局自分で全部食べちゃうんだもんな〜
「まだ呼び捨ても出来てないのにハードルが随分高いですね。しかし、たまには私が甘えても罰は当たりませんでしょう///」
最後を除いてはクールだが、顔は真っ赤だぞ
「コホン……ゼレカ、抱っこして?」
「……っ///」
言葉が出ない。ソルが、小首を傾げながら上目遣いで手を伸ばしてきた。普段の一部を除いてクールなソルが、今まで以上にデレてくれた。混乱してて冷静になってます
「すみません、やはり変でしたね!!///」
ギュッ、とソルを膝の上に乗せて抱っこの体勢になる
「あっ……」
「そんな事ないよ、実際俺より年下で小さいんだから可愛いデレだったよ!///」
「そ、そうですか///それはそうと、早く血を吸いたいのですが」
「このまま吸えば良いんじゃない?首から吸血の時にはいつもこの体勢だよ」
エレスに押し倒されて馬に乗る様に吸われる事も多々あるけど、そっちのが多いや
「そう、ですね……じゃあ失礼して……」
カプっと首筋に噛み付かれるのが分かる。ゆっくり、ゆっくりと舌を使って首から出ていく血と同時に快感が走る。今でこそ気持ち良さに声が出ないけど、慣れるまでは大変だったっけな
「ゼレカさ……ゼレカ、もう満足だよ」
またデレてくれた、嬉しい
「俺も満足だ。そこまでデレっとしてくれてまで混乱してるぜ」
後で思い出したら顔真っ赤になるな
「そ、それでね、またお願いがあるんだ」
「何でもどうぞ」
「甘えるのが、癖になりそうだから、たまには、こうやって甘えても……いい?///」
「勿論です」
こうして今日の始まりはソルとイチャイチャしてました
メ「カトラス」
ゼ「スピアー」
アラ「アルバム」
エ「ムード」
アス「同時」
ベ「……地獄」
メ「薬」
ゼ「『り』かよ…………リング」
アラ「グループ」
エ「『ぷ』?ぷ、ぷ……プレゼント」
アス「友達」
ベルゼブ「……チョイス」
メ「『す』か……す?スピ…」
アラ「スピン?」
メ「…………ード」
ゼ「危なかったな。えーっと、土曜…ってわかんないか。努力」
アラ「クール」
エ「ルビー」
アス「インテリア」
ベ「……アス……」
ゼレカ「どうした?」
アス「その続きは?」
ベ「……アスパラ」
アス「え〜……」