番外編 『雪』
エ「雪〜、雪〜♪」
ゼレカVision
「寒い」
魔界に来て初めて雪を見た。でも雪ってこんなにふぶいたっけ?地元じゃ滅多に降らないけどこれが普通なのか?
「雪だ雪だ〜♪」
エレスの喜び方から普通なんだと実感させられた。それにしても寒い……コタツでも造るか……
「ほらゼレカ、雪ふってきたよ」
「ああ……そうだな……」
俺はそこまで寒さには耐性ないんだ。熱いのは多少どうにかなんだけどな。去年だってコートの下にカイロを沢山張り付けてクリスマスを迎えた程だ
「そんなに震えてどうしたの?」
寒がってる俺とは逆に、今すぐ外ではしゃぎたそうだな。そして小首を傾げてるのがカワイイです
「震えてなんかいないさ。それよりエレス、とてもそわそわとしてるね」
「これがそわそわしないでどうするの!あぁ〜楽しみ〜♪」
「魔界じゃ滅多に降らないの?」
「一年に一回降ればいいぐらいだよ。たまに連続して降る事もあるけど、そんなにないね」
そりゃ良かった。こんなのが毎日続いたんじゃベッドから出られねぇ
「そうこうしてる内に外止んだみたいだよ」
視線を俺から外へと移して、大はしゃぎで部屋から出て行くエレス。……やっぱ俺も行くのか?
――
「さ、ささ、さ、さむむいぃぃぃ……」
今気温何度だろ?氷点下回ってるか?俺凍りそう
「あははは〜♪それ〜♪」
「つべたっ!!」
エレスが投げてきたと思われるであろう雪玉が首に当たった。これはもう相手をするしかないと結論づけました
「やった、当たり当たり〜♪」
「……よろしい、ならば合戦だ」
魔術やら創造やらでなく、正々堂々辺りに降り積もってる雪を固める
「うりゃぁぁぁあ!!」
「きゃあ〜〜♪」
次から次へと雪玉を作りエレスへと投げていく、なのに一発も当たらない。おかしい……、確実に当たったはずなのに……。と考えてたらもう一発エレスから雪玉をくらいました、今度は頭に直撃です
「……冷たい!!」
「あっはっは〜、こっちだよゼレカ〜」
「くっ……待てぇ!」
寒さと冷たさでいつもの冷静さが無くなってる。だからまんまと後を追ってしまったのだろう
「あれ、何処だ!?」
せめてエレスの足跡が見当たらない事に気付けていれば悲劇は起こらなかった
「エレ…、おわぁぁぁぁあ!!?」
見事、エレスの仕掛けた『雪の落とし穴』に引っ掛かったわけだ……
「やったね、大成功〜♪」
「うっ、うぅ……」
この後、俺がしばらく風邪を引いたのは言うまでもないだろう……へっくしょん!!
デ「正直、クリスマスとどっちやるか悩みました」
ゼ「それは去年やったろ」
デ「でもせっかくなのでクリスマスっぽい番外編にしてみたってところです」
ゼ「どこがだ」