勇者と共闘 混乱
アス「雲りになったなぁ」
アスタノトVision
「あっ」
雨降って来た……珍しいねこんな時期に降るなんて
「……」
「……」
うぅっ、この居心地の悪さ嫌だな。今私達はケラギアさんに借りた部屋の前でゼレカさんの回復を待ってるの。さっきの悪魔が使った魔法を直接受けたんだから当たりまえだけど、中々終わらないんだ。だから今ここには私とお兄ちゃんとアラクネしかいない
カチャ
扉が開いて、中でゼレカさんを回復していたメフィストが出て来た
「どうだった?」
多分、二人とも同じ事が聞きたいよね。メフィストも聞かれると思ったんだろうけど、顔をしかめてるところを見るとなんとなく答がわかっちゃう
「うん、何て言うか、結論から説明するとどこにも外傷は無かったわ」
なんだろう、怪我してなかったのにあんまり良くなさそうな結果しか考えられない……
「でも、全くって程意識は戻らない。それに加えて魔力もすっからかんになってる」
「魔力が?」
自分で呟いた言葉。あれ、何か引っ掛かるな……
「今はエレスナーグが看てくれてるから、私達は少し休んでてくれって」
「そっか……」
多分、私達の中で一番ゼレカさんが心配なのはエレスだよね……
「……なんでさっき避けなかったんだ?」
今まで(いつも?)ずっとだんまりだったお兄ちゃんがいきなり問い掛けた。その問いは尋問とかそんなのじゃなくて心配した感じだけど、お兄ちゃんが聞くと尋問してるみたい
「……え?」
アラクネはその問いが自分にだと少しおいてからわかった風にキョトンとしてた
「いつものお前なら、あの程度はギリギリかわせただろ」
確かに今日のアラクネはあんまり元気が無かったね。魔獣を倒すのも一番最後だったなぁ
「あ……、ごめんなさい……」
すごく小さな、いつものアラクネからは考えられない程小さな声
「俺に言われてもな……それに、近接タイプのお前でギリギリだ。こいつらじゃ絶対かわせなかった」
不器用だね〜
「へぇ〜。私じゃかわせなかったって事?」
「俺や隊長で間に合うんだ、エレスナーグ含めたお前らじゃいなせるかどうかだろ」
「よーし、かかって来なさい」
「馬鹿か。この非常時にんなことやってられん」
「にゃにぉー?」
思いっ切り噛んだね
「……ふふ」
アラクネ、さっきよりは元気出たみたいだね
魔力ランキング
アスタノト>>ベルゼブ≧ゼレカ≧メフィスト>エレス>>アラクネ
メ「あれ?私ってゼレカとベルゼブと同じ魔力量なんだ」
ゼ「俺は魔力を節約してるだけで、保有量はそんなに多くないぞ」
アス「私が一番多いんだね♪」
ベ「……お前の魔力は俺と隊長とアラクネ合わせてやっと同じぐらいだからな」