甘い声
エ「蕩ける様な声だね……」
ゼレカVision
「ありのままの僕の為に〜♪」
さっきの歌
「些細な事を気にかける〜♪」
ソルと話し終わってデスク作業に戻ってる最中に思い出した
「そんな僕であれたら〜どんな時だって歩いて行ける〜♪」
そうそう、こうだよ。なーんかもやもやしてたのがとれた。気分爽快!
「誰にも出来ない事が出来るんだ〜♪」
おおっ!もやもやが無くなったから書類の捌き加減も絶妙!……悪い、適当言った
「諦めないさ〜♪」
なんか気分が高揚していく。歌の力ってスゲー!
「あの空まで飛んでみせる〜♪」
サビの直前まできたな。あー……なんかワクワクするぜ!といきたいんだが、あんまり声音大きくすると聴かれる可能性があるんだ。誰にとは言わない、さっきソルにも聴かれてたし用心に越した事はない
「ゼレカ、何の歌を歌ってたの?」
……はずだった
「歌?歌ってないぞ」
エレスのデスク仕事も鬼のように有るんだから、ふたり仲良く背中合わせ状態で捌いている。というのを視野から外して歌に更けってた
「こんなに量が有るのに歌ってられないさ」
さて、上手くごまかして違う話題にいきますか
「……うん、それもそうだね」
「そうだろ?」
何の話題がいいか?ソルと話した感じエレスもゲームやってるって言ってたな
「ねぇゼレカ、音楽聴いていい?」
「もちろん」
おっと、自分から話題を逸らしてくれたか
何やら小型のCDプレーヤーらしきものを起動させるエレス。背中越しに見てると愛くるしさを感じる
『ありのままの僕の為に〜♪』
…………ん?
『些細な事を気にかける〜♪』
あれ?何だ、聞き覚えがある歌と声だな……
『そんな僕であれたら〜どんな時だって歩いて行ける〜♪』
「くふふふ、いい歌だね」
「エ、エレス、それ……」
「ん?ああ、これ?今録音したらとれてたの」
物っ凄いSの表情、わかってましたと言わんばかりの表情……つーか恥ずかしい!!///
「録音出来てるところまでだけど、みんなにも聴かせたあげたほうがいい?」
「で、出来ればそれは勘弁……///」
「そう?じゃあ続きが聴きたいな〜」
ここで歌えと?///だが、エレスだけに聴かせるのと大勢のひとに聴かれるの、どっちが恥ずかしい?だったら歌うしかねえよ!!///
「あー……///ごほん、それなら俺で良ければ歌おうか?」
「うん!!」
……ふぅー
「誰にも出来ない事が出来るんだ〜、諦めないさ〜、あの空まで飛んでみせる〜♪」
さっき終わらせた箇所までは一気に歌う
「駆け抜けるスピードは〜♪世界を反転させる〜♪」
常にエレスと目が合ってる
「気付けないなんてないんだと〜♪」
何を言いたいのか全部伝わってくる
「どこまでも跳んであげる〜♪、淋しい時も空を見上げてみよう〜♪」
逆に俺の考えてる事もわかるだろうな
「星の煌めきを〜♪、信じるから〜♪」
はぁ、やっぱり恥ずかしい///
「君の 心〜♪、眩しすぎるくらいにね〜♪」
なーんて、あっという間に終わったな
パチパチ
「いい歌声だね」
「そりゃどうも」
「歌ってる時って甘い声になってたよ」
「そうだった?」
意識してるつもりはないけどな……
「だ・か・ら、もっと甘い声聴きたいな」
俺の膝の上に座って耳元で囁かれる
「いつ以来かに積極的だね。あれ、今日って満月だっけ?」
「さぁ、どうだったっけ」
過エ「えっと、『闇』属性について説明するわね」
過ゼ「ああ、頼んだ」
過エ「(なんか、ちょっと意識しちゃってる)基本的に闇は火程攻撃にすぐれてはいないわ。でも、攻撃、防御、支援と火以上に万能な属性よ」
過ゼ「(日常って……こいつとどんな事すんだ?)オールラウンドなのか」
過エ「(な、なんだか今日はよく喋るわね。いつもこんなだといいのに)そういうわけ。闇に元々備わっている特徴は『浸蝕』、と言っても自分から蝕んだりしないはしないわ」
過ゼ「(あー……なんか直視出来なくなりそう)自分からは蝕ないのか」
過エ「(なんでそんなに食いつくのよ、恥ずかしいでしょ……)ええ、どちらかと言うと何でも受け入れるの」
過ゼ「それって、『水』と似ているな」
過エ「え?」
過ゼ「水もなんでも受け入れるんだろ、闇と水って似てるなって……」
過エ「……」
過ゼ「……」
過エ「……///」
過ゼ「……///」
過エ「(そっか、確か闇なんだっけ)あっ、そ、そうだね///」
過ゼ「(こいつって水だっけな)だろ?///」
過エ「……///」
過ゼ「……///」
過エ「ゼレカ……///」
過ゼ「エレス……///」