下界も魔界も似た様な場所
今朝起きたら、肩甲骨が悲鳴をあげていました。
昨日の運動が原因みたいです。
……体、鍛えようかな…。
「エレス。今日ってなにもなかったっけ?」
「んーと……なにもない筈だよ」
「なら、久しぶりに城下街でも行かないか?」
「それはつまり、『デート』ってこと!?」
……そうは言ってないけど
「まあ、街の中を一緒歩いたり、買い物をしたりするわけだからそういう言い方もしなくはないな」
「……ホントに!!だったら今から着替えてくる!」
「じゃあ、用意が終わったら門のところで」
「うん!!」
エレスは目を輝かせながら走って行った。
俺も、着替えてこようかな
……ん?今の格好?紫の長袖に黒と赤のロングコート、黒を基調とした赤と青が入り混じったボトムに黒の靴。
全身暗い色のファッションはどう考えても『デート』には不釣り合いだ。
魔界でも暗い色が好きって奴は思った程いないらしいからな。
「とりあえず、部屋に行くか」
――俺の部屋
クローゼットから適当に服をだしている。
……なかなかデートって感じの服が見当たらない。
今着ているのは如何にも魔王とかの服だからな。俺は魔神だけど……。
とはいったって、別に城下街に知らない奴が沢山いるってわけでもない。
いつも狩りが終わって帰る時に会うからな。
「おっ……あったあった」
なんて考えてたら下界にいた時に………つまり、俺がまだ死ぬ前にいた場所(人間界)で着ていた服があった。
赤いチェックの上着に黒い長ズボン、銀色のスニーカー、それと鎖の腕輪。
「これならいつもよりは、ましだろ」
上着の下はいつもの長袖を着て、準備完了。
「さっさと門で待ってるか」
俺はそう言い、門へ向かった。
――終焉の門
「……エレス、どんな服で来るかな……」
いつものエレスの服は赤と青のローブを白いキャミソールの上に着て、下は少し長めの青いミニスカート。『ローブを着ていても、スカートまで長くないローブなのは、かわいいから』だそうだ。
「……それにしても遅いな……」
………この後俺は少しだけ、意識を闇に沈めた。
デ「眠いです」
ゼ「いきなりだな、おい」
デ「最近ゼレカをいじくる気力も無いんだよな」
ゼ「それは俺にとっては良いことだ」
デ「明日は眠くてもゼレカをいじくりまわすので、今日はいじくるのはやめときまーす」
ゼ「なに宣言してんだ!」
デ「ではこの辺りで、お休みなさーい」
ゼ「おい、ディン」
デ「…ZZZ……ZZZ…」
ゼ「マジで寝てやがる…」